なぜジェイレン・ブランソンは今夏ニックスと延長契約を結んだのか? 1年待てばさらに158億円

Bryan Murphy

坂東実藍 Miran Bando

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辞書で「チームプレイヤー」の定義を調べたら、そこにジェイレン・ブランソンの画像があるかもしれない。

ブランソンは7月12日(日本時間13日)、ニューヨーク・ニックスと4年の延長契約で合意した。2022年にニックスと結んだ4年契約の3年目を迎えるが、2025-2026シーズンのプレイヤーオプションに先んじて新契約となった。

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この新契約で特に目を引くのが、NBAでは前例のない合意だ。選手たちができるだけ大金を得ようと勝利を犠牲にする時代に、ブランソンはその逆をいっている。この新契約で彼は1億ドル(約158億円/1ドル=158円換算)以上を手放し、イースタン・カンファレンスで優勝を競うチームをつくれるように、ニックスにサラリーキャップの柔軟性をもたせたのだ。

ブランソンはNBA入りしてから最高のシーズンを終えたところだ。ニックスでの2年目となった2023-2024シーズン、ブランソンは自己最多の平均28.7得点、6.7アシスト、3.6リバウンド、フィールドゴール成功率47.9%、3ポイントショット成功率40.1%を記録し、ニックスを東地区の第2シードに導いた。

ここでは、ブランソンの新契約についてまとめる。

ジェイレン・ブランソンの新契約

エージェントのサム・ローズが『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者に明かしたところによると、ブランソンは4年1億5650万ドル(約247億2700万円)の延長契約を結んだ。

Spotrac』による推定年俸は以下のとおりだ。

シーズン年齢年俸
2024-25282496万0001ドル(約39億4368万円)
2025-26293493万3036ドル(約55億1942万円)
2026-27303772万7679ドル(約59億6097万円)
2027-28314052万2321ドル(約64億253万円)
2028-29324331万6964ドル(約68億4408万円)

ブランソンはあと1年待てば、2025年に5年2億6900万ドル(約425億200万円)の延長契約を結ぶことができた。だが、彼は1年早くに合意することで、1億1300万ドル(約178億5400万円)を受け取らなかったのだ。

新たな4年の延長契約は、平均年俸3710万ドル(約58億6180万円)の3年にプレイヤーオプションの4年目がつくかたちだ。ブランソンは2028年か2029年に別の契約で大金を得られる可能性がある。

2025-26シーズンからの新契約で、ニックスはロスター編成のために投じる資金の柔軟性を増すことができるだろう。ニックスはOG・アヌノビーが5年2億1250万ドル(約335億7500万円)のマックス契約を結んだところ。ジュリアス・ランドルの契約は少なくともあと1年、3000万ドル(約47億4000万円)超が残っており、その後彼は延長契約を結ぶことが可能。また、先日獲得したミケル・ブリッジズも、その翌年に延長契約を結べる。

先日ブリッジズをブルックリン・ネッツから獲得したことで、ニックスはブランソン、ジョシュ・ハート、ドンテ・ディビンチェンゾに加え、さらにビラノバ大学出身が再会することになった。彼ら4人は2016年に同大でNCAAトーナメントを制している。

ジェイレン・ブランソンのニックスでのスタッツ

2023-24シーズンのブランソンは、2年目のニックスで球団の顔となった。

  • 1試合平均28.7得点
  • 1試合平均3.6リバウンド
  • 1試合平均6.7アシスト
  • 1試合平均0.9スティール
  • 1試合平均0.2ブロック
  • 1試合平均2.4ターンオーバー
  • フィールドゴール成功率47.9%
  • 3ポイントショット成功率40.1%
  • フリースロー成功率84.7%

原文:Jalen Brunson contract, explained: Why Knicks star took less money on team-friendly extension(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Bryan Murphy

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Bryan Murphy joined The Sporting News in 2022 as the NHL/Canada content producer. Previously he worked for NBC Sports on their national news desk reporting on breaking news for the NFL, MLB, NBA and NHL, in addition to covering the 2020 and 2022 Olympic Games. A graduate of Quinnipiac University, he spent time in college as a beat reporter covering the men’s ice hockey team.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。