NBAで7シーズンを過ごしてきたアイザイア・トーマスだが、そのモチベーションに変わりはない。それどころか、彼はこれまでないほどに燃えたぎっている。
トーマスは『Nuggets.com』で「NBA入りしたときから、自分が望んでいたのはチャンスだけだった」と述べた。
「それ以外のことは自分でやってきた。僕は常に自分にそう言い聞かせてきたんだ」。
もう一つある。トーマスは「望まれることだけを求めていた」とも話した。
「そのチャンスを望むのと同じくらいに、誰かが自分のことを強く望んでくれれば、必ずうまくいくようなものなんだ」。
7月16日(日本時間17日)にデンバー・ナゲッツと新たに契約したトーマスは最近、その望まれているという感覚を再びつかんでいる。ボストン・セルティックスで2年強にわたり大きな成功を収めたが、昨季はクリーブランド・キャバリアーズとロサンゼルス・レイカーズで不十分だった。
だが、ナゲッツが彼を欲したことは疑いない。ナゲッツはフリーエージェントが始まるとすごくトーマスの獲得に動き出した。バスケットボール部門を代表するティム・コネリーがマイケル・マローン・ヘッドコーチにトーマス獲得の話を切り出し、マローンはトーマスに、球団幹部は代理人に連絡。相思相愛だった。サマーリーグの間にラスベガスでディナーを共にし、取引の土台が築かれたのだ。
そして、合意に至った。
トーマスは「マローンHCと僕が本当に近い関係にあるのが最大の鍵だったかもしれない」と振り返っている。
「それから、本来の自分でいさせてくれ、自分の強みを生かしたプレイをさせてくれ、周囲にはスペシャルになるポテンシャルを備えた優れたグループがある場所を僕は望んでいた。それを知っていたことも鍵だったかもしれないね」。
マローンHCとトーマスほどの絆を誇る選手とコーチはいない。マローンHCは2013-14シーズンにサクラメント・キングスでトーマスを指導している。当時をトーマスは「最高のシーズンの一つだった。僕にとってはブレイクイヤーみたいだったね。平均20得点、6アシストを記録した。そして彼は僕を信頼してくれたんだ」と述べた。
ナゲッツはウィル・バートンを先発にし、トーマスにはセカンドユニットにおける得点力あるガードの役割を託すだろう。
トーマスはいつでも1試合で30得点をあげられるような選手だ。プレイオフで53得点や42得点をマークしており、ほかにも3試合で30得点を上回っている。2017年にはセルティックスをイースタン・カンファレンス決勝に導いた。
そのトーマスは自分が健康であり、試合ごとにハイレベルなプレイができる状態だと確信している。でん部の負傷で昨季最初の36試合を欠場したが、それはもう過去のことだ。
自分が示すべきものを問われると、トーマスは迷わずに「まずは自分が健康だと世界に示さないとね」と述べた。
「おそらくはそれが一番大きなことだ。僕がNBAでやってきたことは一目瞭然だ。僕はもう、自分が何者か、自分に何ができるのかを誰かに証明する必要がない。知っているはずだ。僕は勝者であり、勝つために必要なことをする。興奮をもたらし、リーダーシップを発揮したい。毎晩頼ってもらえるようなことをもたらしたいんだ」。
新たなチームメイトたちもそれを知っている。
だからこそ、バートンやポール・ミルサップ、マリーク・ビーズリーなど、みなトーマスをナゲッツに歓迎しているのだ。
トーマスは「僕が臨んでいたのはプレイするチャンス、また自分を、自分にできることを世界に示すためのチャンスだった」と述べた。
「金のことはまったく気にしない。僕が気にするのは、自分のスキルを示し、良い環境にいることだ。このチームの選手たちのことはあまりよく知らない。だけど、外から見る限りは、一緒にいて互いのためにプレイするのが好きなようだ。雰囲気が良かったし、自分もその一人になりたかった」。
「僕のスタイルに完璧にフィットすると思う。攻撃のペースは速く、コートを広く使う。パスができ、ほかの選手のためにプレイをつくれる有数のビッグマンが必要だ。それからすべてはスペースとチャンスだよ。マイク・マローンHCのシステムでやったことはあるし、彼が選手に求めることも分かっている。彼が望むこともね。だから僕はここにいるんだ」。
原文: Isaiah Thomas: Coming to Nuggets 'A Perfect Fit From All Angles' by Christopher Dempsey/ Nuggets.com(抄訳)
※写真はナゲッツ公式(Nugetts.com)より