音楽で自らを解放するイマン・シャンパート

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これまでイマン・シャンパートは全てを聞いてきた。彼のラッパーとしてのキャリアに対する多くの勘違い、偏見、不当な批判――。あいつは気を取られすぎだ。バスケットボールよりも音楽の方が好きなんだ。スタジオじゃなくて体育館に行くべきだ――。

そういった批判に対してシャンパートは今まで、ヒップホップへの野心に“一時停止ボタン”を押し、6年生の頃から書き上げてきた数百もの楽曲をお蔵入りさせてきた。

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2012年以降、ソーシャルメディアを通していくつかのプロジェクトを断片的に披露したり、SoundCloudとYouTubeにミックステープを3つほど掲載したことはある。だが、多額の投資の申し出や、音楽業界での成功を手助けしてくれる事務所からの誘いは断り続けてきた。

しかし、NBA選手として8シーズン目を迎えたシャンパートは、優勝リングという成功の証を手に入れ、唯一気にしている批評家からのゴーサインも手に入れた。

「娘に好きって言ってもらえればそれで満足だ」と、彼は主張する。シャンパートは世間に自分の声を届ける準備が整ったのだ。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Been to a @sacramentokings game yet? #purpletalk Song: Left you by Iman.

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「音楽はもうだいぶ長いことやっている」。

サクラメント・キングスのガードであるシャンパートは、重低音が鳴り響き、オートチューンがかかったボーカルが流れるポータブルスピーカーの音量を下げながらそう語った。

「ポエトリースラム(詩を朗読してその優劣を競う大会)などに参加している。この夏、実はいくつかショーもやったんだ。ツアーに出る予定だ。今回は真面目に取り組もうと思っている。以前はいつも憤りを感じていた。誰かが手を貸してくれようとしても『それはいらない。それはやりたくない』って感じだったんだ。今は人に聴いてもらいたい。ヤバイと思うよ」。

全く売れなかったアルバムをリリースし、ヒップホップ界進出がただのバカにされるネタになってしまったアスリート・ラッパーがこれまで多くいることを、シャンパートは決して忘れているわけではない。しかし彼はそれらと同類として見られることを拒んでいる。自分が例外であるという自信を彼は持っているのだ。

音楽を通して自分ではない誰かになろうとしたことはなく、ジョージア工科大学で製作と工学について3年間学んだことから、造詣も深い。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Dear Sac, YEAR 8..."ohhhhh you're gonna love me..." #ktse

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「書くことは昔から好きだったんだ」とシャンパートは語る。

「歴史は他人の経験だから変なものだなといつも思っていた。自分たちの経験をあてにすることがいつも不思議だった。言葉をパズルのように繋げて、形を作っていく。僕はそれが得意だった。大学では、最終的に音楽制作の勉強をすることになったんだ。最終プロジェクトはアルバムを提出することだったよ」。

シャンパートはそのプロジェクトで教授からA評価をもらうこととなる。それ以来、彼はバスタ・ライムスやピート・ロックなどのレジェンドラッパーたちからリリック(詞)を書く才能を称賛され続けている。

2016年に発表された彼の最大のヒット曲である『Promised』は、妻でR&Bシンガーのテヤーナ・テイラーをフィーチャリングしたもので、YouTubeでは再生回数100万回を超え、1万2000いいねを獲得している。昨年、ラジオ局の『Hot 97』に出演した際には、5分間のフリースタイルラップを披露し、MCのファンクマスター・フレックスを喜ばせた。

こういったポジティブな反応を得ていることも、彼が群雄割拠のヒップホップ界で成功する自信を持っている理由のひとつだ。ただ、すでに有名アーティストとコラボした曲がいくつあることを明かしながらも、それらの曲が日の目を見ることはなさそうだという。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Today is another opportunity!!! Bring the noise Sacramento! @sacramentokings are bak in town 🔋🔋🔋 #SacramentoScores #purpletalk

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「名前は言わないけど、曲が発表されることはないだろうね。なぜなら僕のラップのほうが上手かったからだ」と、彼は説明する。

「いずれみんなも知ることになる」。

初めて作ったミックステープ、21曲入りの『Th3 #Post90s』は、チームメイトやファンの間で大人気となり、2012-13シーズン中にはマディソン・スクエア・ガーデンで開催される試合でいつも『ニックス・アンセム』という曲が会場で流されていた。

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イリノイ州オークパーク出身のシャンパートは、2012年のリハビリ期間とオフシーズン中に、2wo 1neというアーティスト名でニューヨークと地元のスタジオで収録を行なっていた。左ひざの前十字靱帯を断裂したことで6週間は寝たきりとなり、さらに8か月はコートに戻ることもできなかった。これまでも自身を解放できる音楽という場が、リハビリの一環にもなったのだ。

「最初のプロジェクトは、僕がケガしている間にチームメイトがやるように勧めてくれたから、お遊びだったんだ」とシャンパートは話す。

「でもそれ以降、僕と音楽の関係性が想像以上に深いものであることにみんな気づき始めた」。

その後、2016年の『Shumpman: The MD』と今年の4月にリリースされた『Substance Abuse』は、よりパーソナルな内容のプロジェクトとなった。リュダクリス、ルーペ・フィアスコ、ジェイ・Z、エミネムに最も影響を受けていると説明するシャンパートは、物語性や考えさせる内容を音楽にすることに集中していると言う。人間関係、国内の政治や文化的景観からインスピレーションを受けている。

もしくは、チームメイトとのちょっとした会話というときもある。

「頭に浮かんだときはいつでも書いている」と彼は語る。

「たまにそれはチームメイトとただ話しているときだったりもして、リライトしているときも彼らは側にいるんだ。ただ笑ったり冗談を言ってたりするだけのものから、彼らは『あれが曲になったの?』って驚くんだ」。

創造のプロセスはいつだって止まらない。自宅にレコーディングスタジオを持つシャンパートは、信頼するチームを揃えており、わずか数時間で1曲を仕上げることができる。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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「世間的に、ラップの曲作りは80人くらいのスタッフと30時間くらいスタジオにこもるというイメージがある」と彼は話す。

「そういう風に見られているんだ! でも僕のスタジオはすぐ近くにあって、オープンな空間だ。録音するときはみんなに円を描くように座ってもらっている。そのエネルギーを元にやっているんだ」。

それらのレコーディングは、現在進行中のまだタイトルの無いプロジェクトに集約されることとなる。それまでの間、シャンパートはキングスのチームメイトと一緒にマイクを握る可能性を示唆している。最近ミックステープをリリースし、ロッカールーム内の定番となったベン・マクレモア、そして近々ラップアルバムを発表する予定のマービン・バグリーだ。

しかし条件がひとつだけある。それは、彼らが“大きな目標”を達成したとき、ゴールデン1・センターのスピーカーからこのキングスのアンセムが流れることになるだろう、ということだ。

「まずはプレイオフに進出しなければならないね」と、シャンパートはニヤリと笑った。

「プレイオフに出られるなら、何かやらないといけないな」。

原文:Iman Shumpert Finds Release in Music by Alex Kramers/Kings.com
翻訳: 大西玲央 @ReoOnishi


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