フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートで再開したシーズンで、最もブレイクしているスターのひとりが、デンバー・ナゲッツのマイケル・ポーターJr.だ。
ナゲッツでのルーキーシーズンは出場したりしなかったりが続いていたが、今週のオクラホマシティ・サンダー戦では、37得点、12リバウンドを記録して勝利に貢献。2日後のサンアントニオ・スパーズ戦でも、30得点、15リバウンドでチームを勝利に導いた。
『ESPN』によると、新人が2試合連続で30得点&10リバウンド超を記録したのは、2011年のブレイク・グリフィン以来という。
そこで考えるのが、ポーターJr.が選手としてどこまで飛躍できるかだ。
はっきりさせておくべきは、ここで話題としているのは、必ずしも現実的な展望ではなく、ポーターJr.にとって最高のシナリオだ。それを踏まえた上で、NBAで最も将来が嘱望される若手のひとりであるポーターJr.のポテンシャルを見ていこう。
ジョー・ジョンソン
私が最初に考えたのはケビン・デュラントだったが、より適切と思われるのはジョー・ジョンソンだ。彼にオールスター選手になるポテンシャルを初めて見たのは、21歳のシーズンだった。そして、状況は多少異なるが、ポーターJr.は21歳だった今シーズン、オールスター選手になり得るところを示している。
ジョンソンは3ポイントショット、ミドルレンジ、ローポストと、相手を痛めつけられるショット能力を見せていた。自分より小さい相手とのマッチアップを生かし、狭い中では自分より遅い相手を痛めつけられる。
ポーターJr.も同じようなミスマッチをつくることができる。
ふたりを並べて最も際立つことのひとつが、ともに優れた3Pシューターである点だ。ジョンソンは3Pの大半をコーナー以外から放っていたが、ポーターJr.も今季の3P試投125本中93本がコーナー以外からで、成功率40.9%を記録している。
- Carlan Gay (@TheCarlanGay)
ダーク・ノビツキー
22歳の新人と殿堂入り確実な選手を比較すれば、よく思われないかもしれない。だが、ここではポテンシャルが最大限活かされた場合を話題にしているので、我慢していただきたい。
ふたりとも、そのサイズにしては優れたレベルのスキルを持つ。センターの肉体にシューティングガードのショットレンジ、ボールハンドリング、ボディコントロールを備えた選手たちだ。どこからでも打てる角度を見つけてショットを決める天性の才覚を持っている。ポーターJr.がスコアラーとしてノビツキーのポテンシャルに及ばないのは、安定してファウルをもらうための抜け目なさだけだ。
ノビツキーは全盛期に守備でもインパクトを残していたことが忘れられがちだ。2000-01シーズンから2004-05シーズンまで、1試合平均1.2スティール、1.2ブロックを記録している。ポーターJr.は質の高いディフェンダーと考えられるほどでないが、似たようなところを垣間見せてきた。
36分ごとのポーターJr.の数字と、ノビツキーが22歳のシーズンのそれを比較してみよう。
シーズン | FG | FG% | 3P | 3P% | FT | FT% | REB | AST | STL | BLK | 得点 | |
ノビツキー | 00-01 | 14.4 | 47.4% | 4.5 | 38.7% | 6.2 | 83.8% | 8.7 | 2.0 | 09. | 1.2 | 20.6 |
ポーターJr. | 19-20 | 15.4 | 50.8% | 5.8 | 43.2% | 2.7 | 80.7% | 10.6 | 1.8 | 1.0 | 1.0 | 20.3 |
才能は確かだ。ただ、ポーターJr.がオールスター選手になれるか、ましてやノビツキーに近づけるのかを最終的に決めるのは、形に見えないものだろう。ノビツキーはリーダーシップや練習意欲の高さ、クラッチタイムでの強さや勝者のメンタリティーがエリートレベルだった。
- Alex Novick
トレイシー・マグレディ(ライト版)
トレイシー・マグレディが育った道のりを崇拝してきた者の意見だ。私は、ポーターJr.が殿堂入りしたマグレディの高みに至るとは思っていない。だが、彼のプレイ、特に得点に関しては、T-Macらしさがあると見ている。
ポーターJr.はすでにあらゆる位置から得点できるところを示している。3Pの数字は新人とは思えない。ミドルレンジでは特別に効率的なスコアラーではなかったが、そこからでも力になれるボールハンドリングやサイズ、シュートタッチを持っている。そして彼の運動能力があれば、リング周辺でダイナミックなフィニッシャーになるポテンシャルがある。
私は今季、ポーターJr.が対戦相手にとって悪夢のようなマッチアップなるだけの力を持っているという記事を書いている。ポストに移って自分より小さな相手を痛めつけ、ペリメーターではより大きな相手でもスピードとクイックネスがある。ポーターJr.には多くの選手にないところがあり、それがマグレディとの比較につながる。ポーターJr.は自分独自のペースでプレイし、ボールを持った時に滑らかなのだ。
やらなければいけない時に、「いつ、どこからでもやれる」という要素がある。
30 points & 15 boards.
— Denver Nuggets (@nuggets) August 6, 2020
And he's just getting started 😤#MileHighBasketball pic.twitter.com/1NmJIqKALi
ポーターJr.がT-Macのようなパサーになるかどうかは分からない。だが、ニコラ・ヨキッチと同じチームにいる限り、あまり他の人のためにプレイメーカーとなる必要はない。彼が最もうまくやれることに集中できる。それは得点をあげ、リバウンドを取ることだ。もちろん、マイケル・マローン・ヘッドコーチの完全なる信頼をつかむ上で最大の障害であり続ける守備で屈しなければ――。
- Scott Rafferty (@crabdribbles)
ラシャード・ルイス
私はラシャード・ルイスが大好きだ。全盛期の彼がいかに優れていたか、人々は忘れている。全盛期の数字を見てみよう。
シーズン | FG | FG% | 3P | 3P% | FT | FT% | REB | AST | 得点 |
04-05 | 7.5 | 46.2% | 2.4 | 40.0% | 3.1 | 77.7% | 5.5 | 1.3 | 20.5 |
05-06 | 6.9 | 46.7% | 1.8 | 38.4% | 4.5 | 81.8% | 5.0 | 2.3 | 20.1 |
06-07 | 7.7 | 46.1% | 2.5 | 39.0% | 4.4 | 84% | 6.6 | 2.4 | 22.4 |
まず、サイズから比較しよう。多才なスキルを持った大きなフォワードとして、彼らはともに複数のレベルで得点できる力を持っている。
シュートは?ルイスは2004-05シーズン、平均6本超の3P試投で成功率40%、2008-09シーズンには平均7本の3P試投で成功率39.7%を記録した。この2シーズン、ルイスはオールスターに出場しており、2008-09シーズンはNBAファイナル進出に貢献している。
ポーターJr.はオーランドでの活躍した2試合で平均33.5得点、13.5リバウンドを記録。フィールドゴール成功率は65.7%で、15本試投の3Pは成功率60%をマークした。
ポーターJr.にとってアドバンテージになると思うのは、ボールハンドラーであり、リバウンダーでもある点だ。オフェンシブリバウンドに挑むだけで、1試合平均で2~4得点を加え、セカンドチャンスからの得点を得られる。そのハンドリング能力により、オープンフロアでもっとショットを打てる。ヨキッチとプレイしている限り、試合のたびに自分のためのチャンスを簡単に用意できる。
ルイスはベストシーズンで平均22.4得点、6.6リバウンドだった。ポーターJr.は数年にわたり、平均約25得点、8リバウンドを記録し、オールスターに何度か出場できると思う。
- Gilbert McGregor (@GMcGregor21)
原文:How good will Denver Nuggets rookie Michael Porter Jr. be at his peak? by NBA Canada(抄訳)