マイアミ・ヒートは2年連続でボストン・セルティックスとのイースタン・カンファレンス・ファイナル第7戦に臨んだ。だが、第7戦で敗れた2022年と違い、2023年はヒートが勝利し、NBAファイナルに駒を進めている。それは1年前にジミー・バトラーが予言したとおりだ。
2022年の東地区決勝で敗退した時、バトラーは普通であれば願望でしかないと軽んじられるような予言をしていたのである。
当時、バトラーは「僕らは十分だったと思う。僕らには十分なものがあると思っている。どの年にどんなロスターになるか分からないんだから、最悪だよ」と話していた。
「とにかくこの選手たちと一緒にやる機会があって、感謝するばかりだよ。僕らは十分だった。来年も十分だろう。僕らはこれと同じ状況に戻ってくる。そして次は成し遂げられるはずだ」
“Next year, we will have enough, and we’re gonna be right be right back in this same situation and we’re gonna get it done.”
— PointsBet Sportsbook (@PointsBetUSA) May 30, 2023
- Jimmy Butler 1 year ago after losing game 7 of the ECF to Boston… he called his shot
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そこに至るまで、紆余曲折があった。バトラーもおそらく、第1シードで昨年のプレイオフに臨んだヒートが、今季は第8シードでアンダードッグになるとは想定外だっただろう。セルティックスとのシリーズで3勝0敗としながら3勝3敗に追いつかれるとは思っていなかったのではないだろうか。
だが、第7戦でヒートは終始主導権を握り、103-84と勝利。バトラーの予言を的中させた。
2022年と2023年のヒートのロスター比較
ケガやオフシーズンの変更により、2023年のヒートのロスターは2022年と違っていた。
この2年のポストシーズンにおけるロスターの1試合平均得点は以下のとおりだ。ただし、NBAプレイオフ2023で、タイラー・ヒーローは1試合、ビクター・オラディポは2試合しか出場していない。
選手 | 2023年平均得点 | 2022年平均得点 |
ジミー・バトラー | 28.5 | 27.4 |
バム・アデバヨ | 16.8 | 14.8 |
ケイレブ・マーティン | 14.1 | 4.5 |
ゲイブ・ビンセント | 13.1 | 8.0 |
タイラー・ヒーロー | 12.0 | 12.6 |
ビクター・オラディポ | 11.5 | 10.6 |
マックス・ストゥルース | 10.3 | 10.9 |
ダンカン・ロビンソン | 9.3 | 5.6 |
カイル・ラウリー | 8.8 | 7.8 |
ケビン・ラブ | 6.9 | — |
ヘイウッド・ハイスミス | 3.2 | 1.1 |
コディー・ゼラー | 2.6 | — |
オメール・ユルトセブン | 0.7 | 2.8 |
ニコラ・ヨビッチ | 0.4 | — |
ユドニス・ハズレム | 0.0 | — |
PJ・タッカー | — | 7.9 |
ドウェイン・デッドモン | — | 3.8 |
マーキーフ・モリス | — | 0.0 |
比較してみると、バトラーが正しかったのは明らかだ。ヒートは「十分」だったのである。
エリック・スポールストラ・ヘッドコーチは、限られたロスターで昨季と似たような主力を用いてきた。昨季が失望に終わっても、ロスターのオーバーホールに躍起になることはなかったが、その必要がなかったのは明らかだ。
これからヒートはデンバー・ナゲッツとのNBAファイナルに臨む。不利と予想されるのは避けられない。
しかし、ここまでヒートは底辺からよく戦ってきた。ジャマール・マレーとニコラ・ヨキッチを擁するナゲッツ相手にも、バトラーが予言したように成功を続けるかもしれない。
原文:How Heat made good on Jimmy Butler's promise after 2022 disappointment: 'We're gonna get it done'(抄訳)