パトリック・ベバリーはヒューストン・ロケッツの「ハートであり魂」になる前、ヨーロッパで数年を過ごした。NBAでプレイすることを夢見ていた彼を支えていたのが家族の人たちだ。そのひとりであるベバリーの祖父が、5月7日(日本時間8日)に亡くなった。サンアントニオ・スパーズとのNBAプレイオフ2017 ウェスタン・カンファレンス準決勝第4戦の数時間前の出来事だ。
トヨタ・センターでベバリーは涙を流した。ロッカールームでむせび泣き、試合前のウォームアップ中もチームメイトやコーチたちから慰められた。
29歳のポイントガードは、祖父の他界という知らせにもかかわらず、試合に出場するという難しい決断を下し、10得点、6アシスト、4リバウンドを記録して125-104の勝利に貢献した。試合後、ベバリーは会見で感情を高ぶらせ、祖父の影響がいかに大きかったかを明かしている。
ベバリーは「(家族が)今夜の試合に出ることを望んだ。僕は次のシカゴ行きの飛行機に乗ろうとしていたんだ」と、涙をこらえながら語った。
「僕は強い男だし、たいていのことは耐えられる。でも、苦しんでいる人たちは別だ。彼は苦しんできた。でも、今はもっと安らかなところにいる」。
そのうえで、ベバリーは「今夜は試合に出て、チームメイトたちのためにできるだけハードなプレイをした。キツかったよ。祖母のためにも、母のためにも、シカゴに戻ったいとこたちのためにも、僕はあそこにいなければいけない」と、つらい心境を明かした。
シングルマザーの母親にシカゴで育てられたベバリーは、祖父を「最高のファン」と言う。特に、2012年にNBA入りするまで、ギリシャやロシアでプレイしていた際に、祖父はずっと彼を励ましてくれたという。
ベバリーは「キツいよ。とにかくキツい」と述べつつ、祖父の思い出を口にした。
「自分を証明しようと僕がずっとギリギリまで頑張ってきたのは、みんなが知っている。ずっとそばで僕を支えてくれた人たちがいることもね。祖父は毎日、僕のユニフォームを着てくれていたんだ。そういう人がいなくなるのはつらい。でも、もっと大きなプランがあり、僕は信念を貫いて、家族のために戦い続ける。誰だって、祖父母や両親を失えば、この上なくつらいものだ」。
ロケッツのマイク・ダントーニ・ヘッドコーチは試合後、勝利はベバリーの功績だとし、彼がチームの「ハートと魂」だと述べている。
原文: 'He wore my jerseys every single day': Patrick Beverley honors late grandfather with Game 4 win by Sporting News(抄訳)