八村塁のベストゲーム・トップ3
NBA入りしてからの41試合で、八村塁はワシントン・ウィザーズのためにほぼあらゆることをしてきた。すぐに実行できる能力があり、複数のポジションで相手の脅威となる八村は、若いウィザーズのロスターに歓迎される、生産的な新戦力だった。
最初の試合でダブルダブルを達成した八村は、7試合で20得点超を記録し、出場した試合の半分で15得点超をマークしている。今シーズンの八村がベストパフォーマンスを発揮した3試合を振り返ろう。
3位 シカゴ・ブルズ戦(現地2020年2月11日)
八村の成績: 20得点、4リバウンド、3アシスト、2スティール、2ブロック
今季の八村は、新人にはあまり見られない多才ぶりを随所に発揮して称賛されてきた。ポストからも、ミドルレンジからも得点でき、トランジションでボールを運べる。そけい部の負傷で23試合を欠場し、復帰してから4戦目となったこの試合は、今季有数の最も完成された八村のゲームだった。
32分間のプレイで、八村は20得点をマーク。20得点超に複数ブロックと複数スティールをマークしたのは、自身初だった。20得点のうち、14得点は前半に記録したもの。第2クォーター終盤には、八村とブラッドリー・ビールで連続9得点をあげている。
2位 フィラデルフィア・76ers戦(現地2019年12月5日)
八村の成績: 27得点、7リバウンド、フィールドゴール18本中11本成功(61.1%)
ロサンゼルス・クリッパーズ戦で新たに自己最多得点記録を更新した4日後、八村はフィラデルフィア・76ersの手ごわい守備を相手に、フィールドゴール18本中11本成功(成功率61.1%)を記録し、チーム最多の27得点をマークした。43分間のプレイはオーバータイムとなった試合を除いて今季自己最長だ。
特に活躍したのは第2Qだ。FG7本中6本成功(85.7%)で15得点をあげた。ダービス・ベルターンスが3ポイントショット5本中5本を含む7本中7本成功のFGで19得点を記録したこのクォーターで、ウィザーズは76ersを40-22と大きく上回った。この試合の第2Qと第4Qで八村はフル出場。八村は第4Qでも6得点を記録し、終盤に76ersを抑えるのに貢献した。
ウィザーズのスコット・ブルックス・ヘッドコーチは試合後、ルーキーの八村について「クレイジーだよ」と称賛している。
「7~8年目のベテランみたいだ。試合のあらゆる時間でコツコツと取り組んでいる。彼は勝者だ。正しくプレイしている。ハードに、チームのためにプレイしている。スタッツを求めていない。彼はただ競争しており、よりうまくなろうと望んでいる。学ぶべきことがたくさんあると分かっており、まるでスポンジのようだ。向上心がある」。
八村は「僕らは20試合を戦ってきたけど、すべての試合に出ることができている。自分のスポットが見えるようになっている。ブラッド(ビール)が毎試合ダブルチームされているけど、彼が何を望み、どこからオープンにショットを打てるかは分かっている。より、やりやすくなっている」と話した。
1位 ロサンゼルス・クリッパーズ戦(2019年12月1日/日本時間2日)
八村の成績: 30得点、9リバウンド、3アシスト、フィールドゴール23本中12本成功(56.5%)
今季の八村のベストゲームは、自己最多の30得点をあげたこのクリッパーズ戦だ。27得点の76ers戦同様、八村が立て続けに得点をあげていた時期の試合のひとつだ。30得点はこの試合のチーム最多記録で、八村が今季3Pを2本以上成功させた4試合のうちの1試合。八村はこの時期、8戦連続で二桁得点を記録した。
試合開始1分も経たないうちにミドルレンジのジャンプショットを沈めた八村は、第1Qだけで9得点とロケットスタートを切った。第2Qでチームは相手にリードを許したが、第3Qに八村の貢献などで16-4の得点時間帯を作って盛り返す。第3Qの八村は12分間フル出場し、FG9本中6本成功(66.7%)、3P4本中2本成功(50%)、リバウンドも3本を記録した。試合を通じて9リバウンドはチーム最多だった。
試合後、八村は「まだNBAの試合に慣れようとしているところ」と話した。
「大学やFIBAと比べて(NBAは)違う。移動や試合が多い。でも、もっと体に気を配らなければいけないと思う。そうすればフィジカルに、1試合30~35分プレイできるようになる」。
原文:Hachimura's top three performances of the season so far by Jackson Filyo/WashingtonWizards.com(抄訳)