長きにわたって必然と思われてきたことが、12月13日(日本時間14日)に現実となった。
インディアナ・ペイサーズに140-126で勝利した一戦で、ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボが64得点をあげ、マイケル・レッドの57得点を上回り、1試合最多得点の球団新記録を樹立したのだ。
アデトクンボはいかにして64得点もマークしたのだろうか。
ヤニス・アデトクンボのペイサーズ戦のスタッツ
もちろん、ペイサーズ戦におけるアデトクンボのスタッツで最も際立つのは得点だ。しかし、いかにして64得点をマークしたのかも素晴らしい。
アデトクンボは3ポイントショットを沈めることなく、64得点を達成している。3Pは3本試投で成功なしだった。『Stathead』によると、3P成功なしでの得点としては、3Pの導入以降で最多の数字だ。マイケル・ジョーダンが2回、カール・マローンとシャキール・オニールが1回ずつ達成した61得点を上回っている。
また、アデトクンボはフリースローでも得点を積み重ねた。試投32本で24本を成功させている。FT試投32本は歴代6位、成功24本は8位タイの数字だ。
ショットを放った位置も注目に値する。3Pを除き、すべてのショットをペイント内から放っており、多くがバスケットからそれほど離れていない位置からのショットだった。
そのため、フィールドゴール成功率の高さも驚きではない。28本中20本成功で71.4%という成功率だった。Statheadによれば、FG成功率70%超での64得点は歴代6位の得点数という。FG成功率70%&60得点超は、今回のアデトクンボを含め、史上5人しか達成していない記録だ。
その他のスタッツも素晴らしい。アデトクンボは14リバウンド(11ディフェンシブリバウンド、3オフェンシブリバウンド)、3アシスト、4スティール、1ブロックを記録した。パーソナルファウルはわずかに1。Statheadによると、60得点超&二桁リバウンド達成は史上14人目という。
ヤニス・アデトクンボのこれまでの自己最多得点
アデトクンボが60得点超を達成したのは、今回が初めてだ。これまでの自己最多得点は、2023年1月3日(同4日)のワシントン・ウィザーズ戦で記録した55得点だった。
以降、アデトクンボは1月29日(同30日)に50得点、2月2日(同3日)に54得点、11月9日(同10日)に54得点と、2023年に入って50得点超を4回達成していた。
アデトクンボが50得点超をあげたのは通算8回。そのうち3回はペイサーズ戦で記録している。そのほかに、アデトクンボが複数回50得点超をあげたチームはない。
日付(現地) | 対戦相手 | FG成功/試投(成功率) | 得点 |
2023年12月13日 | ペイサーズ | 20/28(71.4%) | 64 |
2023年1月3日 | ウィザーズ | 20/33(60.6%) | 55 |
2023年2月2日 | クリッパーズ | 21/39 (53.8%) | 54 |
2023年11月9日 | ペイサーズ | 19/25(76.0%) | 54 |
2019年3月17日 | 76ers | 15/26(57.7%) | 52 |
2019年11月25日 | ジャズ | 17/31(54.8%) | 50 |
2022年2月15日 | ペイサーズ | 17/21(81.0%) | 50 |
2023年1月29日 | ペイサーズ | 20/26(76.9%) | 50 |
バックス選手の最多得点記録
これまでの記録は、バックスがユタ・ジャズに111-113で敗れた2006年11月11日(同12日)の試合でレッドがマークした57得点だった。
球団の最多得点記録リストには、バックスの歴史で最も著名な2人のビッグマンが名を連ねている。アデトクンボと、カリーム・アブドゥル・ジャバーだ。バックスの選手が50得点超をあげたのは23回。そのうちの10回がアブドゥル・ジャバー、8回がアデトクンボによる。
バックスの歴代最多得点記録は以下のとおりだ。
選手 | 日付(現地) | 対戦相手 | 得点 |
ヤニス・アデトクンボ | 2023年12月13日 | ペイサーズ | 64 |
マイケル・レッド | 2006年11月11日 | ジャズ | 57 |
カリーム・アブドゥル・ジャバー | 1971年12月10日 | セルティックス | 55 |
ブランドン・ジェニングス | 2009年11月14日 | ウォリアーズ | 55 |
ヤニス・アデトクンボ | 2023年1月3日 | ウィザーズ | 55 |
原文:Giannis Antetokounmpo most points in a game: How Bucks star set new career high, franchise record with 64 vs. Pacers(抄訳)
翻訳:坂東実藍