なぜヤニス・アデトクンボはオラジュワンに学ぶのか さらなる成長への課題

Scott Rafferty

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ヤニス・アデトクンボはすでに歴代でも最高級の選手だ。だが、彼がそれに甘んじることはない。

MVP受賞2回のアデトクンボは先日、『48 Minutes』に出演してポッドキャストデビューを飾った。その中で、2023-20234シーズンのNBAに向けてレジェンドから学ぶべく、アキーム・オラジュワンとワークアウトする計画と明かしている。

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アデトクンボは「今季のトレーニングキャンプは、ヒューストンに行って、アキーム・オラジュワンとワークアウトしようと思っているんだ」と話した。

「彼のプレイが大好きで、彼と一緒に数日過ごして、何か学んだり、いくつかのことを身につけられたらありがたい」

オラジュワンの薫陶を受けようとした選手は、アデトクンボが初めてではない。そして最後でもないだろう。その理由や、アデトクンボがオラジュワンから得られることをまとめる。

なぜヤニス・アデトクンボはアキーム・オラジュワンとワークアウト?

オラジュワンはNBAの歴史で最も偉大な選手のひとりだ。オールスター選出12回、優勝2回、ファイナルMVP2回に加え、同じシーズンにMVPと年間最優秀守備選手賞を同時受賞したNBA史上3人のうちのひとりでもある。

その快挙を達成した残りの2人は、マイケル・ジョーダンとアデトクンボだ。

攻守両面で支配的だったオラジュワンは、ローブロックへの取り組みが有名だ。ポストアップからのスコアラーとしては、リーグ史上最高と言わずとも、最高級の選手だったと広く認識されている。そのフットワークやタッチはまさにレジェンド級で、タイミングの優れたフェイクや『ドリームシェイク』と呼ばれるスピンムーブなどは、彼の名がつけられたほどに効果的だった。

オラジュワンが引退してからは、多くのNBA選手がそのアイディアをヒントにすべく、一緒にワークアウトしたいとヒューストンの彼を訪れた。そのリストには、レブロン・ジェームズやコービー・ブライアントを筆頭に、ドワイト・ハワード、アマレ・スタウダマイアーなど、スターの名が連なっている。

そして次がアデトクンボの番ということだ。

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ヤニス・アデトクンボがアキーム・オラジュワンから何を学べる?

すでにポストから相手にそれなりのダメージを与えることができているアデトクンボだが、改善の余地はある。

オールスター選手になって以降、ローブロックからの1試合あたりの得点とポゼッションやリーグのその他との比較は以下のとおりだ。

シーズン 1試合平均得点 ポゼッションあたりの得点 パーセンタイル
2016-17 1.8 0.98 68.4
2017-18 2.8 0.88 52.9
2018-19 3.0 0.99 63.2
2019-20 3.0 0.92 52.3
2020-21 3.1 0.92 45.0
2021-22 3.4 1.01 69.8
2022-23 3.3 0.97 54.5

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簡単に言えば、アデトクンボはいくつかのシーズンでポストアップからのスコアラーとしてリーグ有数だったが、ほとんどは平均並みだったということだ。

アデトクンボはポストで守るのが難しい選手になり得る。その理由の数々は予想できるだろう。

7フィート(約213センチ)で243ポンド(約110キロ)、ウイングスパンは7フィート3インチ(約221センチ)というサイズから、単独でアデトクンボに対してできることは多くない。バスケットに近づかれれば、だいたいはやられてしまう。その強さに圧倒され、長い両腕で上からフィニッシュされてしまうのだ。

ビッグマンでさえも、アデトクンボをバスケットから遠ざけるのに苦労する。アデトクンボにはドリブルで抜くスピード、コンタクトプレイに動じないパワー、決めきるだけの身体能力があるからだ。

NBA有数のリムプロテクターであるクリスタプス・ポルジンギスでさえ、アデトクンボは小さく見せてしまう場面をつくっている。

このプレイでは、オールディフェンシブチーム入りするレベルのジェイデン・マクダニエルズ(とナズ・リード)をやすやすと攻略した。

アデトクンボが困るのは、最初の選択肢を奪われ、リムまでたどり着けない時だ。

特に2022-2023シーズンはフローターレンジから得点をあげるのに苦しんだ。ポストスコアラーにとっては重要なことだ。この距離から150本超のショットを放った95選手のひとりだったが、成功率は27.9%とそのグループで最下位だった。

例えば、おそらく現在のNBAで最高のポストスコアラーであるニコラ・ヨキッチは、フローターレンジからのショット成功率が62.7%だ。

アデトクンボのフローターレンジからのショットがずっと不安定だったわけではない。2021年に歴代有数のファイナルでの活躍を見せられたのは、パワフルなリムへのアタックと、大変なショットやフックショットとのバランスをうまく保てたことが大きい。昨季の彼には信頼できるショットでなかったというだけだ。

ただ、その点を調整し続けていくだけでなく、ドリームシェイクのような人から学ぶ何かさえ身につけるとなれば、考えるだけでも楽しいだろう。

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また、アデトクンボはジャンプショットもまだ完成されていない。

ミッドレンジからのフェイスアップやペリメーターからのスポットアップが注目されるが、彼の成長により重要なのは、バスケットに向かっていく中でのターンアラウンドやフェイダウェイだ。

それが改善できれば、多くのチームがアデトクンボにぶつける措置への安定した対抗策となるだろう。ドライブの時ほど体に負担をかけずに得点するための武器にもなる。身体能力の衰えが始まる時に、もっと重要になるだろう。

オラジュワンと1回や2回のセッションをこなしたからと、一夜でアデトクンボがもっと支配的なポストスコアラーになるわけではない。だが、ちょっとした改善が、全般的にさらに優れた選手になるために大きく役立つはずだ。

原文:What Giannis Antetokounmpo can learn from Hakeem Olajuwon workout: How Bucks star can reach even greater heights(抄訳)

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Scott Rafferty

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Scott Rafferty is an experienced NBA journalist who first started writing for The Sporting News in 2017. There are few things he appreciates more than a Nikola Jokic no-look pass, Klay Thompson heat check or Giannis Antetokounmpo eurostep. He's a member of the NBA Global team.