5月25日(日本時間26日)にミネアポリスで起こったアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんの死亡事件以降、アメリカでは抗議デモが頻繁に起こっている。
フロイドさんはミネアポリスの警官に手錠で拘束された際、無抵抗だったにもかかわらず、白人警官にひざで首を圧迫され続けたのちに死亡した。この事件により、ヒューストン・ロケッツのタボ・セフォローシャは、2015年に警察に逮捕されたときの記憶が甦ったという。
セフォローシャは、アトランタ・ホークスに所属していた2015年4月、ニューヨークのナイトクラブの屋外で逮捕された。のちに、検察から起訴されていた3項目(治安びん乱行為、公務執行妨害、逮捕妨害)での裁判で無罪判決を受けたのだが、逮捕された際にニューヨーク市警の警察官に罵られたばかりか、右足ひ骨の骨折という重傷を負っている。
『AP』がセフォローシャのコメントを伝えている。
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セフォローシャは、警官がフロイドさんを拘束した映像を目にして以降、この件に関する報道を見られないという。ニューヨークでの一件以来、セフォローシャはアメリカの法執行機関を信用できなくなった。そればかりか、試合会場の警備員を目にするたびに、心の傷を思い出すという。
セフォローシャは「腐ったりんごの話をする人もいるけれど、自分の経験も踏まえると、これはアメリカの文化に根づいている根の深い話だ。それが僕の率直な意見。腐ったりんご云々の話よりも根深くて、これはアメリカの文化の一部なんだ」と、『AP』とのインタビューで語った。
「当たり前だけれど、僕だって怒っている。今は2020年なのに、誰もがこんな経験を被るべきではない。アメリカのために黒人がどれだけのことを諦めて、尽くしてきたか。こういう事件は、心が痛む」。
NBAは、現在フロリダ州のオーランド近郊にあるディズニー複合施設での2019-20シーズン再開を目指して協議中だ。だがセフォローシャは、今回の件により、心の整理がつかないと言う。
「チームメイトと再会して、またバスケットボールができるのは楽しみだ。でも、僕たちは人間で、今回のような反対運動、抗議デモは何年も何年も続いてきた。今こそ変わるときだ。それが何よりも最優先されるべきだと思う」。
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