フィラデルフィア・76ersはMVPを受賞したジョエル・エンビードを欠きながら、イースタン・カンファレンス・セミファイナル第1戦を制した。だが、第2戦ではボストン・セルティックスに87-121と大敗している。
負傷から復帰したエンビードは万全でない様子だった。そして特に第1戦から一転したのがジェームズ・ハーデンだ。第1戦では45得点をあげたが、第2戦は12得点にとどまった。
フィールドゴール14本中2本成功に終わったハーデンだけに、良いプレイができなかったことへの非難が多いのは当然だろう。しかし、第2戦でセルティックスがちょっとした修正をしたことが、76ersの面々にとって難しくさせたのだ。
そのために、トバイアス・ハリスを除き、ハーデンを含む76ersの選手たちはうまくショットを決めることができなかったのである。
セルティックスの修正:PJ・タッカーの完全無視
ショットがなかったにもかかわらず、第1戦のPJ・タッカーは良い試合をした。効果的なスクリナーとなり、ハーデンのためのレーンを空けたのだ。
そして、第1戦の映像を見たセルティックスは、タッカーをまったく守らないことに決めた。
NBAにおける一般的な経験則で言えば、ヘルプによってコーナーの選手に1本でパスを通させてはいけない。あまりに簡単なパスを許し、コーナーからの3ポイントショットはあまりに大きいからだ。だが、第2戦でセルティックスはこのルールを完全に無視した。タッカーがコーナーにいる時に、ハーデン対策でペイント内のヘルプを増やすことにしたのである。
これはハーデンに大きな問題となった。ペイント内に進入しようとするたびに、セルティックスの選手が待ち構えていることになったからだ。
タッカーが反対側のコーナーにいる時も同じだった。
第1戦でセルティックスはペイントのすぐ外でタッカーをカバーした。だが、第2戦では直接バスケットの下にタッカーのマークマンを置いている。
最後に、第1戦でセルティックスはハーデンとタッカーのピック&ロールの際にスイッチし、ハーデンがよりスローなアル・ホーフォードとのミスマッチでアタックできるようにしてしまった。第2戦ではタッカーをワイドオープンにし、ホーフォードとジェイレン・ブラウンがともにハーデンに向かっている。
スペーシングの課題を認識したジェームズ・ハーデン、トバイアス・ハリス、ドック・リバース
映像を見直す時間もないうちに、76ersの面々はスペーシングが第1戦とは違っていたことに気づいていた。彼らの多くが試合後にその点に言及していたのだ。
ドック・リバース・ヘッドコーチは「十分にフロアを広げられなかったと思う。ペイントに入った時に賢くプレイできなかった」と話している。
第2戦の最大の問題について、ハリスは「スペーシングとドライビングレーンをつくることだ。それが僕らにとって最も大きい」と述べた。
ハーデンもロッカールームでのインタビューで何度もスペーシングに言及している。
「僕らはスペーシングが適切じゃなかった。もっと良い仕事をし、お互いがもっと簡単にショットを打てるようにするためのスペースを持てるようにしなければいけない」
76ersに必要な修正
タッカーは今季を通じて76ersにとって鍵となる選手だった。81試合に先発出場し、第1戦も約37分間の出場だ。だが、彼はオープンな時にショットを打たなければならない。そうでなければ、彼らにとって使えない存在となってしまう。
タッカーは3Pが優れた選手だ。今季は成功率39%を記録している。第2戦では1本沈めたが、それでは不十分だ。コーナーからの3Pの場面でポンプフェイクするのをやめなければいけない。
タッカーがショットを打とうとしなければ、リバースHCに残される選択肢は、彼の出場時間を大幅に削ることしかなくなるだろう。
原文:The game-changing Celtics adjustment that James Harden and the 76ers need to solve in NBA Playoffs(抄訳)