1998年NBAドラフトで指名されグリズリーズでプレイ
NBAでプレイした経験を持ち、長らく日本バスケットボール界を牽引してきたBリーグ シーホース三河の桜木ジェイアール(JR・ヘンダーソン)が、球団を通じて現役引退を発表した。
大学バスケットボールの名門UCLAで全米制覇を達成した桜木は、JR・ヘンダーソンとして1998年NBAドラフトでバンクーバー(現メンフィス))グリズリーズから2巡目全体56位で指名され、NBA入り。ロックアウトによりレギュラーシーズン50試合に短縮された1998-99シーズンに30試合に出場し、平均3.2得点、1.6リバウンドを記録している(ヘンダーソンのNBA成績)。
その後、米マイナーリーグやフランスリーグなどを経て、2001年に日本男子バスケットボールのトップリーグに属するアイシンシーホース(現シーホース三河)に入団した。
それ以来、JBLスーパーリーグ、JBL、NBL、Bリーグとリーグの形態が変遷を遂げるなか、同クラブで19シーズンをプレイ。その間、リーグ優勝6回(JBLスーパーリーグ: 2002-03、2003-04、JBL: 2007-08、2008-09、2012-13、NBL: 2014-15シーズン)、天皇杯優勝9回(2002~2005、2008~2011、2016年/※2003~2005年の3大会はチームに在籍していたものの同大会への出場登録外だったため不出場)に貢献したほか、JBL時代の2010-11~2012-13シーズンには3年連続でレギュラーシーズンMVPを受賞した。
また、2007年には日本国籍を取得して日本代表としても活躍。Bリーグ創設2年目の2018年5月には、日本のリーグ史上2人目となる通算1万得点(1人目はマイケル・パーカー/千葉ジェッツ)に到達するなど、日本バスケ界を代表するインサイドプレイヤーとして君臨した。
だが、新型コロナウイルスの世界的流行により、2月下旬から中断していたBリーグは3月27日に2019-20シーズンの残り試合を全て中止することを決定。中断時点でB1リーグ中地区2位(18勝23敗)だった三河と桜木の今季も終了となった。
“ミスター・シーホース”として長年にわたって日本バスケ界を牽引してきた桜木は、6月3日に球団を通じて発表したメッセージのなかで「まさか、こんな形でシーズンを終えるとは思いませんでした」と胸の内を吐露している。
その一方で、「引退することは分かっていました。そしてその時が来ました」と、今季限りでの引退を覚悟していたことも示唆している。そして、「すべての思い出を大切にします。みなさんとつくったこの思い出は、これからの人生の宝物。この宝物が、私の人生の基礎となるでしょう」と、感謝の言葉を綴った。
「永遠にシーホースの一員です。みなさん、愛しています」。
三河は、球団公式サイトに桜木の引退を記念した特設サイトを設置。また同日、桜木はWリーグのアイシン・エィ・ダブリュ ウィングスのテクニカルアドバイザーに就任することが発表された。