【開幕戦プレビュー】昨季Gリーグでプレイした馬場雄大がオーストラリアのNBLで開幕戦に出場へ

大西玲央 Reo Onishi

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1月15日にオーストラリアのプロバスケットボールリーグであるNBLの新シーズンが開幕する。本来なら2020年10月に開幕するはずだったが、新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れていた。

開幕戦では、今季から馬場雄大が所属するメルボルン・ユナイテッドとアデレード・36ersが対戦する。昨季をNBA Gリーグのテキサス・レジェンズで過ごした馬場にとっては、2020年3月以来の公式戦となる。

ユナイテッドは昨季レギュラーシーズン4位でプレイオフに出場し、準決勝で元ゴールデンステイト・ウォリアーズのアンドリュー・ボーガットや、現在ヒューストン・ロケッツでプレイするジェイショーン・テイトを擁するシドニー・キングス相手に1勝2敗で敗退。

今季は馬場のほかにオーストラリア代表に名を連ねる25歳のジョック・ランデールや、NBA経験のあるスコッティ・ホプソンが新たに加入している。さらにこれまでチームの顔として活躍を続けるオーストラリア代表のクリス・ゴールディングがおり、今季の優勝候補との呼び声が高い。

先日行なわれたリモート取材にて、馬場は現在の自分の役割がシックスマンであると説明している。

実際に2020年12月31日に行なわれたケアンズ・タイパンズに97-81で勝利したプレシーズン戦で、馬場はベンチ選手としては最多の21分47秒の出場で、フィールドゴール6本中4本成功の11得点、2リバウンド、1アシスト、2スティールの活躍を見せている。

馬場は長引いたこのオフシーズン中に身体作りに力を入れており、「今までで一番身体的には仕上がっていると言っても過言ではない」と語った。

「体力測定などをして、ふくらはぎの筋肉がほかの部位に比べて弱いということがわかりました。だから過去に疲労骨折や足の怪我が多かったと言われたので、この期間は下半身をメインに鍛えてました」。

入団当初からオーストラリアは「フィジカルが強いイメージ」と話していた馬場だが、プレシーズン戦を見る限りでは、インサイドに積極的にドライブを仕掛けるなど、物怖じしている様子はなかった。自らもフィジカルを鍛えたことが自信に繋がっているのは、プレイを通しても伝わってきた。

個人プレイが目立つGリーグとは違って、NBLはより組織的にプレイするリーグでもあるだけに、今季はプレイスタイルの変化も見られるだろう。本人も「今までやってきたことを出したい」と意気込んでいる。

「Gリーグでは主に3ポイントとディフェンスという形だったけど、日本ではもっとクリエイトもやっていたので、今までのプロ生活で培ってきたことを出せる舞台がこのオーストラリアなのかなというイメージです」。

タレントが揃うユナイテッドで、どこまで存在感を見せてくれるのかは要注目だ。

初戦で対戦する36ersは新ヘッドコーチの下、昨季からロスターも大幅に入れ替わっている。NBA経験のあるドナルド・スローンやアイザック・ハンフリーズ、Bリーグでのプレイ経験があるダニエル・ジョンソン、そしてオーストラリアバスケットボール界の期待の若手であるジョシュ・ギディーなど注目選手も多い。

近年はNBLからNBAにドラフトされたり契約する選手も増えており、NBA入りを目標と掲げている馬場にとってNBLで活躍することの意味は大きい。本人も「結果を残していくことが自分の夢を叶えるのに必要なこと。NBA選手になるっていう覚悟をプレイで見せられればと思っています」と語った。

馬場の新たな挑戦が、15日の開幕戦で本格的に始動する。


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大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。