6月2日(日本時間3日)にスコシアバンク・アリーナで行なわれたトロント・ラプターズとゴールデンステイト・ウォリアーズのNBAファイナル第2戦は、109-104でウォリアーズが勝利した。この一戦から我々が学んだことが5つある。
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1. 勝つには109得点で十分
第1戦も第2戦も、ウォリアーズは109得点だった。違ったのは、第1戦での118得点から第2戦で104得点となったラプターズのほうだ。
ウォリアーズのスティーブ・カー・ヘッドコーチは「我々の守備が大きかった」と述べている。
「彼らのフィールドゴール成功率を37%に抑え、15ターンオーバーを記録させて、3ポイントショットをうまく守った。王者のディフェンスだったね」。
指揮官の分析は的を射ている。攻撃面でのウォリアーズは、第2戦も第1戦のパフォーマンスをほぼ繰り返したかたちだ。ショットの成功率は不気味までに似ており、特に3P成功率は第1戦が38.7%、第2戦が38.2%。第1戦で17だったターンオーバーは、“わずか”16“だった。
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だが守備では、第1戦で24得点だったラプターズの速攻からのポイントを18得点に抑えた。さらに、フリースローを許す回数を減らし、失点を4ポイント減らしている。
ウォリアーズは、109得点で十分と信じられたのだ。シーズン中のディフェンシブレーティングは、100ポゼッションあたり109.5失点。そしてもちろん、プレイオフはより厳しくなる。シリーズが続くうえで、この点を追うのは興味深い。
2. ファウルの数だけでなく…
いつファウルをするかも重要になることがある。
第2戦では、ウォリアーズのファウル数(26)はラプターズ(22)よりも多かった。前半はラプターズのほうが複数のファウルアウト選手を出すかに思われたが、6つのファウルで退場したのはカイル・ラウリーだけだ。
8点ビハインドの残り4分の時点で退場したラウリーだが、この日は28分間のプレイでFG11本中4本成功の13得点、2アシストという記録だった。
ファウルに関してラプターズのダメージとなったのは、第2Q最初の5分間で5つのファウルを記録したことだ。それにより、ウォリアーズは早い段階でボーナスに入り、ラプターズはラウリー、サージ・イバカ、パスカル・シアカムが3つずつ、マルク・ガソルとフレッド・バンブリートが2つずつと、主軸のファウル数が増えていた。
早期のファウルはプレイ時間に影響を及ぼす可能性がある。そして必ず、選手の積極性が落ちる。バンブリートはファウル数を増やさなかったが、シアカムとガソルは4ファウルでプレイしなければならなかった。第1戦で合計52得点をマークした2人だ。
すべてをファウルトラブルのせいにはできないが、大きな要因だったはずだ。
あるプレイと次のプレイに関する判定の一貫性のなさについて話す中で、バンブリートは「(意識的にプレイスタイルを変えないように)努めてはいても、自然なことだからね」と述べている。
「選手たちは、適応し、ぎりぎりのところを見極めようと、より良い仕事をしなければいけない」。
ラウリーはプレイオフを通じてファウルトラブルに苦しんできた。フィジカルな彼のプレイスタイルの副産物であり、笛を吹かれる彼の“才能”という、望まない結果という時もある。第1Qで2つ、あるいは第2Qで3つのファウルを取られれば、終盤のスタミナという点では恩恵があるかもしれないが、ニック・ナースHCに普段では選ばないローテーションを強いることになる。
"Feeling great!"
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3. ハーフタイムまでに点差を縮める心理的影響
第3Q開始から5分40秒間にわたり、59得点のままラプターズにスコアを動かさせず、連続18得点をマークしたことをについて問われれば、ウォリアーズの選手やコーチは、前半終盤に点差を縮めたことを指摘するだろう。
第2Q残り1分を切ってから、ウォリアーズは6-1とビハインドを5点跳ね返した。6得点はすべてステフィン・カリーがマークしたものだ。
ドレイモンド・グリーンは「カリーが素晴らしかったのはもちろんだ」と述べている。
「そして、僕らは5点差以上離れていてもおかしくなかったと思う。でも、5点ビハインドでハーフタイムに突入すれば、10秒でひっくり返せると分かっているんだ。後半に向かう心理状態が違う」。
一時は12点差をつけられながら、前半終盤に力強く巻き返し、第3Qの怒涛の攻撃でも似ていたことは、ラプターズをナーバスにさせるに十分だったはずだ。
4. かつて目にした光景
レブロン・ジェームズや彼のチームは、プレイオフのシリーズで初戦を落としても、たいていは自信を失わなかっただけでなく、経験を武器にして欠点を修正し、全般的に改善していた。
ジェームズが在籍していたクリーブランド・キャバリアーズとマイアミ・ヒートは、8回のNBAファイナルのうち、第2戦での勝利で第1戦の黒星を埋め合わせた6シーズンで優勝している。
今季のプレイオフでも、ラプターズに屈したオーランド・マジック、フィラデルフィア・76ersに敗れたブルックリン・ネッツ、ミルウォーキー・バックスの前に沈んだボストン・セルティックスは、いずれも初戦で勝利していた。
バックスも、イースタン・カンファレンス・ファイナルで、ラプターズに初戦どころか第2戦でも勝利し、連勝スタートを切っていた。だが、いずれのチームもそれぞれ逆転され、シリーズを落としている。
ファイナルモードのオラクル・アリーナに乗り込むラプターズの選手には、プレイオフのこれまでの戦いで何とか放っていたショットを打てなくなる者がいるかもしれない。ウォリアーズの選手に停止処分が科されでもしなければ、その勢いを緩めることができなくなるかもしれない。
5. 負傷に期待しすぎ
かつてラプターズでプレイした元オールスター選手は、ウォリアーズの負傷状況が古巣にとっての光明とみている。
すでに引退したそのスターは、第2戦の終盤に退場したクレイ・トンプソンが「ハムストリング(のケガ)なら、彼はもう出場しない」と述べた。
「その場合は、(復帰に要するのは)7日から14日だ」。
7日であれば、トンプソンがトロントでの第5戦までに復帰できるが、元オールスター選手は首を振った。さらに、カワイ・レナードのドリブルを守って着地した際に負傷したケボン・ルーニーにも言及している。
ウォリアーズはケビン・デュラントが復帰に向かっているはずだが、元ラプターズ選手は「戻ってこないだろう。彼はフリーエージェントだろう?復帰して再び痛める?いやいや…」と話す。
経験豊富な事情通の元NBAスターが、ウォリアーズの医療部門の内部を見るよりも、自らの経験に基づいていられるのであれば、ラプターズはチャンスを得られるかもしれない。
だが、トンプソンには負傷から早く復帰してきた過去がある。ウォリアーズが駆け引きをしているのでない限り、デュラントの復帰は1週間以上も前から出ている話だ。
また、前述の人物は、ジュリアス・アービングでもグレン・リバースでもない。取材証に「医学博士」の称号がついているかどうかも不明だ。
原文: Five things we learned from Game 2 of 2019 Finals by Steve Aschburner/NBA.com(抄訳)
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