NBAファイナル第1戦で分かった5つのこと

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5月30日(日本時間31日)にスコシアバンク・アリーナで行なわれたトロント・ラプターズとゴールデンステイト・ウォリアーズのNBAファイナル第1戦は、118-109でラプターズが勝利した。この一戦から我々が学んだことが5つある。

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1. 「ここにいられて良かった」

プレイオフで我々がラプターズについて学んできたことだ。

2000年のデビュー以降、ラプターズは第1戦で3勝15敗と、初戦を落とすのが伝統となっていた。7試合勝負の出だしで躓くほど、敗北に近づくことはない。

だからこそ、ウォリアーズ相手に初戦で勝利したのは大きい。もしもラプターズが初戦からホームコート・アドバンテージを無駄にしていたら、エンターテイメントや競争性などの点で、最悪のファイナルになることも想定していたはずだ。

第2戦以降に向けて妥当な興奮をラプターズが生み出すには、第1戦でウォリアーズを動揺させるしかなかったのだ。

ウェスタン・カンファレンス・ファイナルで、ポートランド・トレイルブレイザーズはどうだったか。そこにたどり着いたことをただ喜び、リラックスしていたかのようだった。ラプターズは、それを望まなかった。

これでシリーズは、ラリー・オブライエン・トロフィーにふさわしいものとなった。

2. トリプルダブルの価値減少傾向続く

パスカル・シアカムの11本連続フィールドゴールにしても、ステフィン・カリーのフリースロー失敗なしにしても、試合が進むにつれて数字を追うのは楽しい。リーディングスコアラーが誰で、その数字がどれほどかは、常に分かっている。大きな数字になればなおさらだ。

だが、第1戦でのドレイモンド・グリーンのトリプルダブルは、設定が低すぎることを思い出させた。

グリーンは10得点、10リバウンド、10アシストを記録し、最低限の数字でトリプルダブルを達成した。10アシストは素晴らしい数字だ。10リバウンドも堅実さを示す。チームの他メンバーが6リバウンド以下だったなら、なおさらだ。だが、10得点は?

グリーンはFG9本中2本成功、3ポイントショット2本中成功なしに終わった。確かに、ウォリアーズにとってグリーンの価値は得点によって変わらない。だが、第1戦での彼は、その点でもっとチームを助けられたはずだ。

1961-62シーズンにオスカー・ロバートソンが平均トリプルダブルを達成したとき、彼は1試合平均30得点を記録していた。2年前のラッセル・ウェストブルックも、1試合平均で30得点超をマークした。ただ、ウェストブルックは昨季も平均トリプルダブルを達成したが、今季は1試合平均23得点未満に落ちている。

「ダブル」が二桁ということは分かっている。だが、10得点はNBAにおいてまったくたいしたことのない数字だ。それを祝うのは、バカげている。

3. NBA選手に挑戦させない

ウォリアーズのスティーブ・カー・ヘッドコーチは、第1戦が終わった時に、デザインというよりミスにより、序盤でマルク・ガソルをうまく守れなかったと述べた。

「我々は何度か彼に挑戦的なショットを打たせてしまい、それを決められた」。

イースタン・カンファレンス・ファイナルでFG成功率34%と、ガソルは今季のプレイオフでショットに苦しんできた。だが、ミルウォーキー・バックスを沈めた4連勝の間に、ガソルは3Pで20本中10本成功を記録している。そしてウォリアーズでの第1戦も4本中2本成功で20得点をマーク。カワイ・レナードやカイル・ラウリーが爆発しなかった穴を埋めた。

ガソル自身は「挑戦」について問われると、「オープンなら打たなければいけない。挑戦的だろうが、そうじゃなかろうがね」と述べた。

「決まれば素晴らしいし、決まらなければ、自信をもって打ち続けなければいけない」。

4. 第1戦の映像を見直せば…

その価値は高まるはずだ。両チームが互いをあまり知らないことは、このシリーズに向けて大きなテーマだった。

4年連続でクリーブランド・キャバリアーズと対戦してきたウォリアーズだが、ラプターズは比較的見知らぬ相手だ。さらに、レギュラーシーズンの2回の対戦では、両チームが主力を欠いていた。

だが、ファイナルでは48分間で相手を解剖し、消化して、学ぶことができる。ウォリアーズのロスターが同じ、つまりケビン・デュラント不在なら、ラプターズは映像を生かすことができるはずだ。

5. 誰がいて、誰がいないのか

ふくらはぎの負傷でデュラントがいないのは、第1戦で問題となった。デュラント不在で何が最も失われるのか、攻守において何が変わるか。メディアの大半から質問される。

カーHCも選手たちも、その挑発に乗らなかったのは賢い。乗っていたら、言い訳のように見え、脆弱性の亀裂を生み、トラブルになっていたかもしれない。

デュラントは第2戦もいない。だが、『Yahoo Sports』は31日(日本時間6月1日)、デュラントがシリーズの中盤(第3戦か第4戦)で復帰する見込みと報じている。

デュラント復帰を急ぐのは、必死に見える。ウォリアーズは絶望していないし、そうであってはいけない。しかも、まだシリーズ序盤だ。本当に意味がない。現在のNBA選手と各チームのドクターは、誰であっても急いで復帰させることはない。準備が整ったら、タレントたちを活用すればいい。

原文: Five things we learned from Game 1 of 2019 Finals by Steve Aschburner/NBA.com(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ