表面的には、レブロン・ジェームズがロサンゼルス・レイカーズを選んだ理由は本当にシンプルだ。
タイトルを熱望する男は3回優勝しているが、我慢強くあることで、ロサンゼルスでさらにタイトルを加えるチャンスを手にするかもしれない。
だが、実際はそれよりもっと複雑だ。ジェームズを4年総額1億5400万ドル(約170億7000万円)の契約に導いた要因は様々だが、以下がそのうちの5つだ。
1. 好きな街
ジェームズが南カリフォルニアの空港に到着した動画に対するSNSでの大騒ぎは、7月1日(日本時間2日)の発表を受けて収まった。だが、その動画は去年のオフシーズン、あるいはその前年のオフシーズンのものでもおかしくなかったのだ。
ロサンゼルスは、ジェームズが住みたいと望む場所だ。家も2つ所有している。キャリアを終えたときにいる場所として完璧だ。自らの映画製作会社への関わりを増すとみられているからである。今後、彼がエンターテイメント業界で稼ぐとみる人は多い。
Y’all really thought he was gonna pass up the greatest city in the world... #TheKingIsHere 👑
— Lonzo Ball (@ZO2_) 2018年7月2日
2. マジック・ジョンソン
アメリカ中西部出身のジェームズは、ルーツがあるオハイオ州を去る。だが、彼は尊敬する男、ミシガン州出身のマジック・ジョンソンのためにプレイする球団へと向かう。ジョンソンのキャリアを振り返ってみよう。バスケットボールで最初に成功し、さらにビジネスマンとして成功してから、自身が何度もNBAファイナルに導いたチームに戻ってきた。
本当の意味で、ジェームズは次世代のジョンソンなのだ。スポーツ界で名をあげたが、その創造性や好奇心、知性や活力は、コートの中だけにとどまらない。6月30日(同7月1日)のミーティングは、両者の関係が正式なものになったというだけでしかないのだ。
3. 家族
ジェームズの家族は南カリフォルニアを好んでいる。そして大切なのは、10代の息子が、非常に競争力のあるAAU(アマチュア運動連合)や高校バスケに関われることだ。確かに、13歳のブロニーは、どこであっても力を伸ばしていけるかもしれない。だが、南カリフォルニアとハイレベルなバスケットボールのセットは、勝者のコンビネーションだ。
4. バスケットボールの側面
3年前にレイカーズのオーナーになってから、その都度ジョンソンの助言を求めていたジニー・バスは、その後ジョンソンを雇うと決めた。ジョンソンは『ありがとう。だが結構だ』と言った者たち(ポール・ジョージ、クリス・ポールなど)にこだわらない。レイカーズには十分なサラリーキャップでの柔軟性と、比較的早く高められる魅力的な財産があると考えている。
だから、「レブロン・ジェームズに続いてカワイ・レナードもレイカーズを希望」という見出しの記事を目にしたら、注目すべきだ。そしてレイカーズはフリーエージェントのデマーカス・カズンズ獲得にも関心を寄せてきた。
5. 我慢する余裕
おおかたの推測では、ジョンソンは若いチームを損なわず、来年の夏を待って最重要部に本腰を入れる希望とされる。サンアントニオ・スパーズとの契約延長に関して心変わりしなければ(そしてしないとみられるが)、レナードは次のオフシーズンで完全FAだ。そして、2019年のFA市場には、ケンバ・ウォーカーやジミー・バトラー、クレイ・トンプソンもいる。トンプソンの父マイカルは、かつてレイカーズでプレイし、現在はチームの番組クルーだ。
K・トンプソンと契約すれば、チームを向上させるだけでなく、ライバルであるウォリアーズの弱体化にもなる。ジェームズは一緒にロサンゼルスに行くようにケビン・デュラントを説得しようとしたと報じられているが、その背景にこういったことがあるのは明らかだ。
1、2シーズンを要するかもしれないが、このチームはジェームズを中心につくられる。ジェームズが向上を熱望し、キャバリアーズを置いて去ることになったクリーブランドでの状況と違い、プランとともに。
JR Smith trying to follow LeBron to LA pic.twitter.com/VUEJHX2tNs
— Adam Kiesel (@AdamKiesel22) 2018年7月2日
原文: Five reasons LeBron James chose the Lakers by Sporting News(抄訳)