NBAファイナル第5戦に向けた3つの調整ポイント:セルティックスとマーベリックスの注目の数字

Brian Martin, NBA.com

坂東実藍 Miran Bando

NBAファイナル第5戦に向けた3つの調整ポイント:セルティックスとマーベリックスの注目の数字 image

NBAファイナル2024第4戦でシーズン終了を回避したダラス・マーベリックスは、ロードでの第5戦にも勝って再び敗退を免れることができるだろうか。それとも、ボストン・セルティックスが本拠地TDガーデンのファンの前で通算18回目のNBA優勝を決めるのだろうか。

ここでは、6月17日(日本時間18日)の第5戦に向けて調整の可能性があるポイントをまとめる。

[AD] 楽天モバイル『最強プラン』なら追加料金なしでNBA全試合見放題!


ペース

第4戦は48分あたりで96.00ポゼッションと、シリーズで最もペースが速い試合だった。そしてそれはマーベリックスの勝利につながっている。両チームのプレイオフでの傾向を見てみよう。

  • 94.00ポゼッション超:マーベリックス7勝2敗、セルティックス3勝2敗
  • 94.00ポゼッション以下:マーベリックス6勝6敗、セルティックス12勝1敗

セルティックスのジョー・マズーラ・ヘッドコーチは6月16日(同17日)、「ペースを支配するチームは勢いや機会を支配する」と話した。

マーベリックスはルカ・ドンチッチとカイリー・アービングがペイントをアタックすることで始まる。第4戦で彼らはバスケットへのドライブからフィールドゴール20本中15本成功。それぞれ16得点をあげている。

セルティックスの守備に継続的にプレッシャーをかけることで、マーベリックスは2つの得意なショットを取り戻すようにもなった。コーナーからの3ポイントショットが7本中4本成功、ロブ攻撃からFG2本中2本成功だ。ロールプレイヤーたちがオープンなショットを決めるようになった。

マーベリックスは第4戦のエネルギーとペースを保ち、さらにそれを上回って、セルティックスを走らせるようにしなければならない。前述のスタッツからも、それはマーベリックスのアドバンテージとなる。


切迫感

クローズアウトゲームは勝つのが最も大変な試合とも言われる。負ければ終わりというチームはシーズンがかかっており、その必死さとエネルギーが違うからという理論だ。

ジェイレン・ブラウンは「クローズアウトゲームは大変なんだ」と話している。

「いつもそうだし、さらに集中しなければならない。締めくくれるためには、相手の強度に匹敵しなければならない」

セルティックスが2勝0敗とした時、ブラウンは「ある意味で自分の気持ちをだまさなければいけないようなものだ」と、ビハインドを背負っているチームのような必死さを生み出そうとすることが大切と話していた。

「2勝0敗じゃなく、0勝2敗のつもりで戦わなければいけない。それは難しいことだ。そういう心構え、そういう集中力で臨まなければならない」

セルティックスには通算18回目のタイトルのために必要なあと1勝をあげる機会があと3回ある。だが、ホームでの第5戦でシリーズを終え、ダラスでの第6戦に向かうのを避けなければいけないという切迫感があるのだ。

唯一の問題は、それによって、第4戦でマーベリックスが見せたのと同じレベルの強度をセルティックスにもたらせるか、ということだ。


ペイントコントロール

マーベリックスは今シリーズの各試合でペイント内からの得点がセルティックスより多い。つまり、セルティックスは勝つためにペイント内からの得点で上回る必要がないと示してきたかたちだ。それでも、第4戦のように圧倒されてはいけない。

  • 第1戦:46-38(マーベリックスが+8)
  • 第2戦:54-46(マーベリックスが+8)
  • 第3戦:52-36(マーベリックスが+16)
  • 第4戦:60-26(マーベリックスが+34)

ボストンでの最初の2試合で、セルティックスはペイント内からの得点をそれぞれ8点差にとどめた。

第3戦でマーベリックスはクリスタプス・ポルジンギスの不在を生かし、ペイント内からの得点で点差を倍増させている。それでも、終盤でセルティックスは上回った。

しかし、再びポルジンギスが欠場した第4戦で、マーベリックスはペイント内からの得点を+34とさらに増やしている。

  • オフェンシブリバウンド:マーベリックスが13-4(デレック・ライブリー二世は7オフェンシブリバウンドとひとりでセルティックス全体のほぼ2倍を記録)
  • セカンドチャンスからの得点:マーベリックスが16-2
  • ボックスアウト:マーベリックスが12-5

このプレイはマーベリックスが勝利した第4戦の重要なポイントの2つを表している。

  • マーベリックスはトランジションでボールを運び、ショットクロック残り21秒でセンターライン越え
  • ジョシュ・グリーンが明確な道筋を見つけ、オフェンシブリバウンドからフリーでプットバックダンク

セルティックスは第5戦でこういったプレイをさせないようにできるのか。それとも、マーベリックスは再びペイント内でのバトルで大差をつけられるだろうか。

原文:Finals Alteration: 3 potential adjustments before Game 5 of Celtics-Mavs(抄訳)
翻訳:坂東実藍

本サイトに掲載されているリンクから商品の購入やサービスの契約をされた場合、本サイトが収益を得ることがあります。

Brian Martin, NBA.com

Brian Martin, NBA.com Photo

NBA.com

坂東実藍 Miran Bando

坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。