5月31日(日本時間6月1日)に行なわれたワシントン・ウィザーズ対フィラデルフィア・76ersの試合で、コートに侵入したあるファンがセキュリティガードにタックルされ制止される場面があった。パンデミック後、会場にファンが戻ってから起きているいくつかの問題行動のひとつだ。
ウィザーズのセンター、ロビン・ロペスは「人々がこの1年間こもりきりだったことの影響が見られるな」話す。
「自分たちが何をやっても良いんだと思い込んでいるふしがある」。
ウィザーズが122-114で勝利したイースタン・カンファレンス・ファーストラウンドの第4戦の第3クォーター、両チームがウィザーズ側のコートを攻めている最中、コート上に乱入した男がダンクを試みる振りをするかのように飛び跳ね、試合は一時停止された。
76ersのセンター、ドワイト・ハワードの横で、セキュリティガードが男を取り押さえた。
男はコートから強制退場させられ、試合はすぐに再開した。ウィザーズの親会社であるモニュメンタル・スポーツ&エンターテインメントは、同男性はアリーナから出入り禁止となり、告訴の追求も進められているとツイッターに投稿している。
During this evening's game, a fan was apprehended by Capital One Arena Special Police after attempting to breach the court. He will be banned from the arena and charges are being pursued with DC MPD.
— Monumental Sports & Entertainment (@MSE) June 1, 2021
ウィザーズのフォワード、八村塁は「彼が何をしようとしていたのかはわかりません」と述べている。
「(会場に)帰って来れたことに興奮しすぎているのかもしれません。しかし我々選手たちへのリスペクトを欠いてはいけません。今は何をやっても良いと思い込んでいる」。
シーズン開幕時は無観客で行なっていたウィザーズだが、この試合では収容人数の約50%である1万665人が来場していた。
ウィザーズのオールスター、ブラッドリー・ビールは「ここ1週間ほどで起きている様々なこと、ファンがああいうことをすべきではないことはみんなわかっていると思う」とコメントした。
「試合中にあんなことが起きてはならない。会場でしっかり楽しめないのなら、家でテレビを見ていれば良い。誰もケガをしなくて良かったよ」。
フィラデルフィアで開催された同シリーズ第2戦では、負傷したウィザーズのガードであるラッセル・ウェストブルックがロッカールームに戻る際にポップコーンをかけられる事態も発生していた。
76ersのドック・リバース・ヘッドコーチは「ファンの間で一体何が起きているのか理解できない」と語った。
「より安全な環境を作らなければならない」。
5月30日(同31日)に行なわれたボストン・セルティックスとブルックリン・ネッツの試合後には、アービングがコートから退場しようとした際、観客から投げられた水のボトルが当たりそうになる問題が起きた。
さらにニューヨーク・ニックス対アトランタ・ホークスではサイドラインからパスを入れようとするトレイ・ヤングに唾を吐きかけたファンがいる。
そしてグリズリーズのガード、ジャ・モラントの家族に対する誹謗中傷を浴びせ続けたファン3名がユタで出入り禁止処分を受けている。
ウィザーズのスコット・ブルックスHCは「NBAには素晴らしいファンがたくさんいる」と語る。
「私はフィラデルフィアでプレイしていたことがある。素晴らしいファンがいる。しかし1人の愚か者がポップコーンを投げた。ボストンにも素晴らしいファンがいる。しかし1人の愚か者がボトルを投げた。ニューヨークにも素晴らしいファンがいる。1人の愚か者が選手に唾を吐きかけた。このチームにも素晴らしいファンがいる。1人の愚か者がコートに侵入した」。
「許されることではない。もう辟易している。改善を求めるよ」。
原文:Fan runs on to court during Game 4 of 76ers-Wizards by NBA.com