なぜバックスで1勝のリバースがNBAオールスターゲームのヘッドコーチに?

Jacob Camenker

坂東実藍 Miran Bando

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ドック・リバース・ヘッドコーチは2月3日(日本時間4日)、ミルウォーキー・バックスの指揮官として3試合目で初勝利をあげた。

ダラス・マーベリックスとの一戦で、バックスはヤニス・アデトクンボとデイミアン・リラードが2人で78得点。ルカ・ドンチッチに40得点を許したが、第4クォーターに36-25と突き放し、129-117で勝利している。

このバックスの勝利で、リバースHCはNBAオールスターゲーム2024でイースタン・カンファレンスのヘッドコーチを務めることに決まった。試合後に知らされた指揮官は、信じられなかったようだ。

リバースHCは「それはとんでもなく悪いことだね」と笑いながら話した。

「本当に悪いよ」

なぜドック・リバースがNBAオールスターゲームでイーストのヘッドコーチに?

リバースがオールスターで指揮を執ることになったのは、様々な理由が連なってのことだ。

まずはもちろん、リバースがバックスに招へいされたから。前任のエイドリアン・グリフィンが解任されてから24時間と経たないうちの就任だった。すぐに後任の有力候補にあがっていたため、驚きではなかった。

ただ、グリフィン解任は多くを驚かせた。1年目ながら、43試合で30勝13敗という成績を残していたからだ。だが、最終的にはMVP受賞2回のアデトクンボを含む選手たちとの明らかな溝で退陣することになった。

これにより、リバースへの扉が開かれた。ベテラン指揮官は、シーズン半ばでイースタン・カンファレンスの真の有力候補を引き継ぐことになったのである。

だが、オールスターゲームの指揮を執ることになったリバースは、グリフィンの仕事があったことを理解している。短期間とはいえバックスで一定の成果をあげたグリフィンに報いると約束した。

マーベリックス戦の試合後、リバースは「エイドリアンがある程度のお金を手にするのは確かだ」と話した。

「それとリングだね」

ただ、リバースがオールスターゲームの指揮官となったのは、グリフィンだけのおかげではない。古巣でもあるボストン・セルティックスにも感謝しなければならないのだ。セルティックスは2シーズン連続で東地区のトップでオールスターブレイクを迎えようとしている。

セルティックスが地区最高の成績を残しているので、本来ならジョー・マズーラHCがオールスターゲームでイーストを率いるはずだ。しかし、35歳のセルティックス指揮官は昨年のオールスターゲームでも采配を振るっている。そのため、2年連続でその名誉を手にすることができないのだ。

これにより、2月4日(同5日)時点で東地区の2位チームを率いる指揮官への扉が開かれた。そして、クリーブランド・キャバリアーズ、ニューヨーク・ニックスとの激しいい競争を制し、バックスがマーベリックス戦の勝利でその座を手にしたのである。

リバースHCは自分が幸運にもその栄誉を手にしたと分かっている。そして、NBAが望む場合のルール変更も提案した。

リバースHCは「こういったことは想定外だ」と話している。

「私以外の誰かがやるルールがあるべきだと思う。スタッフを送り出して、私は休暇に行くかもね」

原文:Why Doc Rivers is coaching the NBA All-Star Game, explained: League rule doesn't allow Joe Mazzulla the honor(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Jacob Camenker

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Jacob Camenker first joined The Sporting News as a fantasy football intern in 2018 after his graduation from UMass. He became a full-time employee with TSN in 2021 and now serves as a senior content producer with a particular focus on the NFL. Jacob worked at NBC Sports Boston as a content producer from 2019 to 2021. He is an avid fan of the NFL Draft and ranked 10th in FantasyPros’ Mock Draft Accuracy metric in both 2021 and 2022.

坂東実藍 Miran Bando

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。