なぜデリック・ローズは引退したのか NBA選手の反応や殿堂入りの可能性は?

Dan Treacy

坂東実藍 Miran Bando

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マイケル・ジョーダン以降にシカゴを最も沸かせたブルズの選手が、バスケットボールから去る。

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9月26日、デリック・ローズが引退を発表した。NBA史上最年少でのMVP受賞を果たしながら、ケガに悩まされた16年のキャリアに終止符を打っている。

ローズはここ5シーズンを異なる5チームで過ごした。だが、短いながらもダイナミックだったキャリア初期の活躍で、シカゴで愛される存在なのは変わらない。

ここでは、ローズのキャリアや引退という決断についてまとめる。

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なぜデリック・ローズは引退した?

ローズは『The Athletic』で、「バスケットボールを超えた自分を世界に示すため」に引退すると述べた。

全盛期に見事な選手だったローズだが、2012年にひざの前十字じん帯を断裂したのを皮切りに、様々なケガに悩まされ、キャリア晩年は引退が大きく騒がれるようになった。NBAでの将来を検討するためにクリーブランド・キャバリアーズを離れた2017年には、早くも引退の憶測があった。

現役続行を決断したローズは、翌シーズンにミネソタ・ティンバーウルブズで奮闘する。だが、ここ数年は出場時間が減り、メンフィス・グリズリーズで過ごした2023-2024シーズンも大半をケガで欠場。24日(日本時間25日)にはグリズリーズからウェイブ(保有権放棄)されていた。

ローズはThe Athleticで「良し悪しにかかわらず、誰しも人生に『もし』という物語があるものだ」と話している。

「可能だとしても、自分の人生を変えることはしない。本当の喜びを見つける役に立ったからだ」

ひざの前十字じん帯断裂以降、ケガに苦しみながらも、ローズは16年にわたってキャリアを続け、まだ高いレベルで得点できると何度も証明した。全盛期は、誰よりも優れていた選手だ。2010-2011シーズンには、22歳で平均25.0得点、7.7アシストを記録し、最年少MVPに輝いた。

デリック・ローズの殿堂入りの可能性

殿堂入りの資格を得ているNBAのMVPを受賞した選手は、いずれも殿堂入りしている。だが、ローズのケースはかなり特殊だ。

スタッツという点では及ばない。通算1万3000得点未満は、通常であれば殿堂入りには不十分だ。通算平均17.4得点、5.2アシストという数字も、守備での卓越した記録を残したり、複数回優勝を達成していない限り、殿堂入りに値しない傾向にある。

ただ、近年は大きな議論の余地がある殿堂入りもあった。元サンアントニオ・スパーズのマヌ・ジノビリは、平均13.3得点ながら殿堂入りしている。ただ、彼はNBA優勝4回で、アルゼンチン代表でもオリンピックの金メダルを獲得した。また、出場試合数もローズより300試合以上多い。

全盛期のローズは素晴らしかった。だが、オールスターにふさわしかったのは3シーズンにとどまっている。MVPを受賞するための活躍を考えれば、元MVP受賞者が殿堂入りしないのは想像しがたい。だが、ローズの場合、投票者は試されることになるだろう。

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デリック・ローズのスタッツ

平均

試合数723
得点17.4
リバウンド3.2
アシスト5.2
スティール0.7
ブロック0.3
フィールドゴール成功率45.6%
3ポイントショット成功率31.6%

合計

試合数723
得点12,573
リバウンド2,324
アシスト3,770
スティール536
ブロック242

デリック・ローズの引退へのリアクション

かつてのチームメイトや対戦相手たちは、元MVPのローズをまだ愛している。引退発表後、多くが反応した。チームメイトだったこともあり、頻繁に対戦もしたひとり、レブロン・ジェームズは、ローズが「永遠に不滅」だと表現している。

そのほか、トレイ・ヤングやドワイト・ハワードなど、様々なリアクションがあった。

トレイ・ヤング

「ローズは永遠にレジェンド」


ドワイト・ハワード

「ローズの素晴らしいキャリアを祝福したい。みんな気づかないが、NBA選手の平均キャリアは4.5年だ。様々なケガがありながら15シーズンもプレイしたのは、どれだけのファイターだったかを示している。引退後を楽しんでくれ。もしもコートが恋しくなったら知らせてほしい。私のリーグで1試合か2試合プレイしてくれ」


パトリック・ベバリー


ジャレン・ジャクソンJr.

原文:Why did Derrick Rose retire? Former Bulls star walks away after MVP career stunted by injuries(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Dan Treacy is a content producer for Sporting News, joining in 2022 after graduating from Boston University. He founded @allsportsnews on Instagram in 2012 and has written for Lineups and Yardbarker.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。