スポーツには、興奮し、感情的になり、夢ではないかと自分をつねることを同時にやるような夜がたまにある。10月31日(日本時間11月1日)のターゲット・センターは、まさにそんな夜だった。
デリック・ローズが昨シーズンにミネソタ・ティンバーウルブズと契約したとき、私たちは彼がベンチの一番端っこに座ることになるだろうと考えていた。
しかし、ヒューストン・ロケッツとのプレイオフシリーズで彼はチームのベストプレイヤーになっていたのだ。
このオフシーズンにウルブズがローズと再び1年契約を結んだとき、私たちは彼が良いベンチ要員になるだろうと考えていた。平均6~8得点を記録するような、トム・シボドーHCのシステムをよく知っている選手として。
しかし、ローズは31日のユタ・ジャズ戦で、自身のキャリア最多となる50得点を記録した。50点。50得点だ。25x2である。
ローズがこの夜に成し遂げたことは信じられないことだった。ローズがキャリアを通して経験してきた数々のケガのことを考えると、不可能だと考えていた人も少なくない。昨シーズン、クリーブランド・キャバリアーズからジャズにトレードされた時点で、彼のキャリアは終わったと思っていた人も多い。ジャズはすぐさま彼をウェイブ(解雇)したのだ。
そのジャズを相手に、ウルブズを128-125の勝利へと導いたこの夜、ローズは少しばかり復讐できたと言ってもいいだろう。
この試合でローズは50得点、6アシスト、4リバウンド、2スティール、そして勝利をもぎ取るブロックショットを記録した。7本中4本の3ポイントショット成功を含む31本中19本のフィールドゴールを決め、フリースローは11本中8本決めた。
Highlights from @drose's FIFTY-POINT night ⬇️ pic.twitter.com/x060Vbl3oM
— Timberwolves (@Timberwolves) 2018年11月1日
7年前にローズの全盛期を見たことがある人たちは、いろいろな思い出をよみがえらせたことだろう。トップで相手ディフェンダーを抜き去って勢いに乗った彼が、どれだけ怖い存在なのかを思い出しただろう。センターにブロックされそうになっても、うまくかわし続けていたことを思い出しただろう。
ローズがどれほど上手かったのかを話でしか聞いたことがない若いNBAファンにとって、その話は今後も大きくなり続け、しばらくは聞き続けることになるだろう。
この夜、コートを去るローズは手を挙げていた。あれはファンの声援に応えていたのだろうか? 息子と娘への合図? 自分を疑っていた批評家に対するもの? それとも、ジムで過ごした何千時間、血と汗と涙を流し続け、この瞬間に戻ってこようと努力してきた自分へだろうか?
その全てだ。
この瞬間が自分にとって何を意味するのか問われたローズは「全てだ」と答えた。
「本当に努力し続けた。これはフランチャイズのため、チーム組織のため、ファンのためにやった」。
「心を込めてプレーしたんだ」。
当初、私はウルブズが昔のユニフォームを着るなかでローズが昔ながらのパフォーマンスを見せてくれた、と書くつもりだった。
記事の下書きには「かつてMVPだった自分ではなく、勝てるチームの貢献者として、爆発力のあるプレーをするために帰ってきた」と書いていた。
どちらもフェアではないのかもしれない。もしローズが今シーズンやっているように、全盛期の頃のようなプレーを連発するのであれば、それを昔ながらのパフォーマンスと呼ぶのは正確ではない。
第4クォーター終盤、ウルブズのファンはローズに「MVP」チャントを浴びせていた。シボドーHCは、ローズが健康ならばリーグ屈指の選手であると先週発言している。このコメントを笑い飛ばす人もいたかもしれないが、シボドーHCは正しかったということがこの夜証明された。
デリック・ローズが帰ってきた。そしていなくなる様子はなさそうだ。
原文:Derrick Rose is Back and is Here to Stay by Kyle Ratke/Timberwolves.com
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