デマー・デローザンのトレード候補:レイカーズ、76ers、ニックスなど

Scott Rafferty

坂東実藍 Miran Bando

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シカゴ・ブルズはやや解体に向かっているのかもしれない。

11月半ば、『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は、ザック・ラビーンとブルズがトレードに「前向きな姿勢を強めている」と報じた。さらに、契約最終シーズンに突入し、延長交渉において球団と「近くない」とされるデマー・デローザンを巡る疑問も浮上している。

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シャラニア記者によれば、デローザンはブルズがどのような方向に進むかを見極めたいという。シカゴにおけるデローザンの将来は不透明と言われる。

2023-2024シーズンのデローザンは、浮き沈みのあるスタートになった。だが、ここ2シーズン連続でオールスターに選ばれている選手だ。2021-2022シーズンに自己最多の平均27.9得点、5.2リバウンド、4.9アシストを記録し、オールNBAセカンドチームに選出された。

ブルズがデローザンのトレードを模索するなら、関心を寄せるのはどのチームだろうか?

デマー・デローザンのトレード先候補

ロサンゼルス・レイカーズ

デローザンは2021年に自分がレイカーズの一員になると考えた。だが、レイカーズはラッセル・ウェストブルックをトレードで獲得。デローザンはブルズに加わることになった。

デローザンはラビーンのように、レイカーズにとっていくつかの条件を満たす選手だろう。2023-24シーズン序盤のレイカーズは攻撃がリーグ平均に満たず、38歳のレブロン・ジェームズに頼りすぎている。デローザンはラビーンのような3ポイントシューターではないが、パサーとしてはより優れており、強力なスコアラーであることも変わらない。

レイカーズにとっては、ラビーンよりもデローザンのほうがトレードしやすいかもしれない。デローザンはラビーンより6歳年上で、オフシーズンに無制限フリーエージェントとなる。ラビーンよりも年俸が約1200万ドル(約18億1200万円/1ドル=151円換算)少ない。ディアンジェロ・ラッセルと、八村塁かゲイブ・ビンセントのどちらかで、デローザンのサラリーに至る。

ひとつ障害となるのは、ラッセル、八村、ビンセントの契約にそれぞれ制限があることだ。レイカーズが2029年か2030年のドラフト1巡目指名権を差し出すなど、ドラフト指名権を含めた取引に両球団が関心を寄せるとしたら、1月15日(日本時間16日)まで取引を成立させることができない。

フィラデルフィア・76ers

ジェームズ・ハーデンをトレードしたことで、76ersは大きな動きに向かっている。デローザンを獲得するとなれば、興味深い補強だろう。最高級のスコアラーをタイリース・マクシーとジョエル・エンビードに組ませることになる。

76ersは来シーズンも契約下にある選手が3人だけだ。デローザンのトレードに動いても、キャップスペースという点で痛手にならない。デローザンはオフシーズンに無制限FAとなるからだ。例えば、76ersがオフシーズンにFAとなるマーカス・モリスとニコラ・バトゥームをトレードさせるかもしれない。ブルズにとっては、どれだけのドラフト指名権を含められるかだろう。

トレードでデローザンを獲得すれば、76ersは数か月をかけ、ボストン・セルティックスが有利と見られるイースタン・カンファレンスで難関を突破する役に立つかを見極められる。もしも役立つなら、オフシーズンに再契約を結んで戻すことが可能だ。役立たないなら、FAで別の選手を狙える。

76ersが獲得したのが最近なため、モリスとバトゥームは12月30日(同31日)までトレードできない。ロバート・コビントン、ケニオン・マーティンJr.についても同じ制限がある。

 

DeMar DeRozan and Zach LaVine
(NBAE via Getty Images)

マイアミ・ヒート

マックス・ストゥルースがクリーブランド・キャバリアーズ、ビンセントがレイカーズと契約し、ヒートはオフシーズンに一定の力を失った。理想は、より優れたシューターをジミー・バトラーやバム・アデバヨと組ませることだろう。だが、デローザンは攻撃面で彼らに活力をもたらせる。

ヒートがデローザンのトレードを成立させる方法はいくつかある。タイラー・ヒーローとデローザンはサラリーがほぼ同額で、最もクリーンな選択肢だ。もちろん、これはリスキーでもある。ヒーローを手放すとすれば、ヒートはオフシーズンに去るかもしれない選手と引き換えに、2026-2027シーズンまでの契約を結んでいるチーム2位のスコアラーを失うこととなるのだ。そのため、カイル・ラウリーかダンカン・ロビンソンを中心とする条件に向かうかもしれない。

現在、ヒートは2028年、2030年と2つのドラフト1巡目指名権を使える。

トロント・ラプターズ

トロントでのデローザンの日々は、最高の終わりではなかった。だが、もう6年だ。ラプターズを退団してから、ヘッドコーチも2回代わっている。

確かに、ラプターズは我慢し、再び未来のスター候補と思われているスコッティ・バーンズを中心とした再建に集中すべきとの声もあるだろう。だが、彼らが今季もっと競っていきたいと願うなら、デローザンはハーフコートで苦しみ続けるラプターズの攻撃の助けとなるかもしれない。

複雑なのは、デローザンの年齢やFAになる状況を考え、彼のためにラプターズがパスカル・シアカムかOG・アヌノビーのどちらかを手放すのは想像しがたいということだ。その場合、おそらくラプターズはギャリー・トレントJr.とドラフト指名権を中心としたオファーを目指すだろう。

ラプターズはすでにシアカム、アヌノビー、バーンズと、かぶっているところが多い。デローザンを加えることは、その問題をさらに複雑にさせるだけかもしれない。

ニューヨーク・ニックス

ニックスの名をあげるべきなのは、76ersと同じように、デローザンのようなスター選手を狙うだけの手段があり、イーストの状況が不確実であることを生かそうとする可能性があるからだ。

ニックスにはRJ・バレット、イマニュエル・クイックリー、クエンティン・グライムズと、ブルズが関心を寄せるかもしれない若手選手たちがいる。彼らを手放さないなら、ニックスは今季1880万ドル(約28億3880万円)のエバン・フォーニエを中心に、多くのドラフト指名権を含めた条件を提示するかもしれない。

デローザンとジェイレン・ブランソン、ジュリアス・ランドルは、それぞれボールを持った時がベストな選手たちだ。デローザンとランドルはあまりスペーシングをもたらさない。最も適した組み合わせではないだろう。だが、ニックスにかなりの火力を与えるはずだ。

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デマー・デローザンの契約状況

デローザンは2021年にブルズと3年8190万ドル(約123億6690万円)の契約を結んだ。今季は2860万ドル(約43億1860万円)。オフシーズンに無制限FAとなる。

シーズン サラリー
2023-24 $28,600,000
2024-25 無制限フリーエージェント

原文:DeMar DeRozan trade destinations: Lakers, 76ers, Knicks among top landing spots for Bulls star(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Scott Rafferty

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Scott Rafferty is an experienced NBA journalist who first started writing for The Sporting News in 2017. There are few things he appreciates more than a Nikola Jokic no-look pass, Klay Thompson heat check or Giannis Antetokounmpo eurostep. He's a member of the NBA Global team.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。