NBAファイナル第1戦でウォリアーズを完璧に抑えたラプターズの守備

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トロント・ラプターズは118-109で勝利したNBAファイナル第1戦で、ゴールデンステイト・ウォリアーズを効果的に守備した。ディフェンスはほぼ完璧だった。

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ウォリアーズのスティーブ・カー・ヘッドコーチは「彼らの守備は見事だった。我々の夜ではなかった」と話している。

「彼らは勝利に値した。倒したければ、我々はもっと良いプレイをしなければならない」。

ウォリアーズはカワイ・レナードにボールをあきらめさせ、チームメイトたちにチャンスを委ねさせた。だが、マルク・ガソル(20得点)がオープンショットを決め、何よりもパスカル・シアカムがフィールドゴール17本中14本成功の32得点とレナードの役割を担い、ウォリアーズは痛い目を見た。

ガソルは「ポートランド・トレイルブレイザーズとのシリーズを見て、ウォリアーズはデイミアン・リラードやCJ・マッカラムにも同じことをしていた。だから、カワイに仕掛ける可能性はあると思っていたんだ」と明かす。

だが、ポストシーズンの大半で苦しんだガソルが、このままアグレッシブで効果的にいられるだろうか。そして、シアカムはドレイモンド・グリーンを相手に同じような成功を収め続けられるだろうか。

一方で、結果を左右し得るのは、ウォリアーズを抑え、特にステフィン・カリーとクレイ・トンプソンにダメージを与えさせないラプターズの能力だ。彼らが攻撃のエンジンであることを、ラプターズは十二分に分かっている。

デュラント不在時の得点力の問題は、ヒューストン・ロケッツとのシリーズ最終戦や、ブレイザーズとのシリーズでウォリアーズを苦しめなかった。だが、ロケッツやブレイザーズには、ラプターズと同等の耐性がなかった。そしてそれこそが、大きな違いとなり得る。

カーHCは「彼らは非常に多才だ」と、ラプターズを称賛した。

「彼らは我々のチームみたいなところが多いと思う。スイッチができ、異なるポジションで守れる。だから、本当に良い仕事をしたよ」。

ウェスタン・カンファレンス・ファイナルで、ウォリアーズは17点や18点のビハインドから逆転勝利を飾っている。だが、ラプターズはウォリアーズに挽回させなかった。決して守備を緩めることなく、相手チームの心をへし折るウォリアーズの猛攻の犠牲になることもなかった。

ラプターズのニック・ナースHCは「試合を通じて守備を続けなければいけない」と話している。

「本当にハードにトライしているときでも、彼らにはやられてしまうものなんだ」。

レナードはマンツーマンでアグレッシブにプレッシングをかけ、自分より大きくて速い選手も封じ込めることができる。だが、ラプターズで守備が見事なのは、レナードだけではない。2013年にNBAの最優秀守備選手に選ばれたガソルは、以降もその守備を忘れなかった。

シアカムは長くてしなるリーチを駆使し、2ブロックを記録した。主にカリーをマークするという大仕事を託されたフレッド・バンブリートも、MVP受賞2回のカリーに汗をかかせた。そしてダニー・グリーンもいる。

ラプターズはカリーとトンプソンに罠を仕掛けたが、結果として別の選手がオープンになったときも、素早く対応した。ウォリアーズにとって問題だったのは、ガソルやシアカムのような選手たちがいなかったことだ。

レナードがボールをあきらめなければいけないとき、もうラプターズは誰が立ち上がれるか分かっている。シアカムは最優秀躍進選手に選ばれるか、受賞に迫るだろう。得点を狙う選択肢として頼れる2番手になったシアカムが、第1戦で印象的だったのは、この大舞台におけるその冷静だ。

グリーンは「彼がリズムに乗らせないよう、僕がもっと良い仕事をしなければいけない」と述べた。

「それをやってみせる。それは僕次第だ」。

グリーンは「彼らをつかんできた。ビデオも見られる。自分たちがもっとうまくやれると分かっているよ。確かに僕らは負けた。でも、いくつか解決し、次の試合でよりうまくやれると思う」と話した。

だが、それはラプターズも同じだろう。

彼らにとって、第1戦は勝利必須ではなかった。だが、とても必要な勝利だった。カナダで初のNBAファイナルの試合であり、バスケットボールへの誇りに満ちた街で、国全体ないしそれに近い支えをもらって、満員御礼のアリーナでの一戦だった。

第1戦の勝利は自信につながった。第2戦に向けた勢いになり得る。

シリーズを制すことが可能だと心の底から感じられるようになるのに、2勝することが必要なのであれば、ラプターズはその道半ばにある。そしてそれは、守備から始まるのだ。

原文: 'Defense' or 'defence'? However you spell it, Raptors brought it by Shaun Powell /NBA.com​(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ