デイミアン・リラードの移籍先候補となるチームが、より明らかになってきている。
リラードがポートランド・トレイルブレイザーズからのトレードを要求してから、約3か月になる。最初に噂されたのが、マイアミ・ヒートとブルックリン・ネッツだ。リラードが望んでいるのは明らかにヒートと言われる。だが、2023-2024シーズン開幕が近づいてくる中で、トロント・ラプターズとシカゴ・ブルズも候補にあがった。
ラプターズはリラードに対して「純粋な」関心を抱いていると言われる(ただ、その想いは一方通行のようだ)。一方で、ブルズも別の移籍先候補として見られている。
これらの中で、リラードに最も合うのはどのチームだろうか?
デイミアン・リラードのトレード先ランキング
4. シカゴ・ブルズ
『Yahoo Sports』のジェイク・フィッシャー記者によると、リラードの移籍先候補としてリーグ関係者で話題となったのがブルズだ。
ただ、同記者はブルズがブレイザーズにとって自然なトレード相手にならないとも報じた。ブルズはザック・ラビーンのトレードの可能性を模索していると言われるが、ブレイザーズはラビーン獲得に「熱心ではない様子」という。そのため、ブルズがリラードを獲得するには、ブレイザーズにとってもっと魅力的な条件を提示すべく、ラビーンをどこかにトレードする必要があるかもしれない。
また、たとえブルズがリラードを獲得できても、フィットするかは分からない。リラード、デマー・デローザン、ニコラ・ブーチェビッチという組み合わせは、攻撃面で才能ある主軸となるだろう。だが、彼らはそれぞれ守備で限界がある。それはアレックス・カルーソやパトリック・ウィリアムズといった選手たちの守備における負担をさらに増すこととなるだろう。もちろん、リラード獲得のためにカルーソかウィリアムズを手放す必要がないことも前提となる。
ブルズはすでに直近での勝利が求められる、大きなプレッシャーにさらされているベテランのチームだ。リラードが加われば向上させられるだろうが、おそらくはミルウォーキー・バックスやボストン・セルティックス、フィラデルフィア・76ersとイースタン・カンファレンスのトップを争うほどには至らない。
3. ブルックリン・ネッツ
トレード要求のニュースが出回ってから、ヒートと並んで有力候補とされてきたのがネッツだ。
ネッツが候補先になるのは、大きな驚きではなかった。市場の大きさだけではない。現在のネッツは、昨季のトレード以降に27試合出場で平均26.1得点を記録しているミケル・ブリッジズを擁しているからだ。
オフシーズン当初、リラードは『Showtime』の『The Last Stand』で、ブリッジズとの関係から、ネッツが「明らかな」移籍先候補になると話していた。また、ネッツのロスターを「有能」とも評している。
だが、リラードのトレードに向け、ネッツには障害もある。リラードのサラリーにマッチするための最も簡単な方法は、ベン・シモンズを中心とした取引を行うことだ。だが、シモンズはキャリア最悪のシーズンを終えたところで、中心に据えることができないだろう。スペンサー・ディンウィディーやキャメロン・ジョンソンの放出でリラードの数字に至るだろうが、後者は直近で結んだ延長契約のため、12月15日(日本時間16日)までトレードできない。
ネッツがリラードをトレードで獲得しつつ、東地区で活躍できるほどのチームを保つこともあるかもしれない。だが、ブレイザーズがシモンズに関心を寄せず、例えばディンウィディーやドリアン・フィニー・スミス、ニック・クラクストンなどのローテーションプレイヤーたちを求めるようであれば、踏み切る価値はないかもしれない。
2. トロント・ラプターズ
ラプターズはトレードでリラードを獲得する場合、大きなリスクを背負うことになる。だが、興味深い移籍先であることは否定できない。
フリーエージェントでフレッド・バンブリートが退団したラプターズが、ポイントガードを必要としていることは明らかだ。守備はバンブリートがはるかに優れている。だが、リラードは攻撃でNBA優秀の選手だ。昨季は自己最多の平均32.2得点をあげ、7.3アシストを記録した。
ラプターズがリラードとパスカル・シアカムを組ませる計画なら、東地区で有数の攻撃力を持ったコンビとなるだろう。
『スポーティングニュース』のステフ・ノウ記者が先日指摘したように、キャリアを通じてリラードの最大の問題だったのは、チームの守備が悪かったことだ。仮にリラード獲得のためにOG・アヌノビーやスコッティ・バーンズを手放さなければならなかったとしても、シアカムを筆頭にプレシャス・アチューワ、クリス・ブーシェイ、ジェイレン・マクダニエルズ、オットー・ポーターJr.と、ラプターズはリラードの周囲に多才なディフェンダーたちをそろえることができる。
同記者は「ラプターズはリラードの守備の弱点を隠すのにうまく合うチームだ。そしてリラードはラプターズの攻撃の問題を解決するのに非常に合う選手だ」と指摘した。
「リラードの攻撃での創造性やショット力は、まさにラプターズが強く改善を必要としている2つだ」
獲得してもイースタン・カンファレンスのトップに立てるほどのチームにはならないかもしれない。その点でラプターズはブルズと似た問題に直面する。だが、リラードの移籍先候補で2位だけに、カワイ・レナードを獲得した時のように、マサイ・ウジリとボビー・ウェブスターが狙うかもしれない。
1. マイアミ・ヒート
ほかに1位があるだろうか。
デンバー・ナゲッツに及ばなかったが、昨季のヒートはNBAファイナルにたどり着いた。その後、ゲイブ・ビンセント、マックス・ストゥルースと2人のスターターが退団。だが、リラードがジミー・バトラーやバム・アデバヨとコンビを組めば、再び東地区を勝ち抜くだけの力となる。
リラードは攻撃でバトラーやアデバヨとすんなりフィットするだろう。優れたシューターで、バトラーを生かしてプレイできる。また、リラードのプレイメーク能力は、昨季ファイナルのようなプレイをつくる上でのバトラーの負担を軽減させられるはずだ。
一方、守備ではリラードの弱点をバトラーとアデバヨがカバーできるだろう。バトラーは最も多才かつ破壊力あるウイングディフェンダーのひとり。アデバヨは年間最優秀守備選手賞候補の常連だ。
エリック・スポールストラ・ヘッドコーチが指揮を執るヒートは、リラードの移籍先候補として完璧に合うチームだ。