リラードとヤニスのコンビでナゲッツの作戦を狙うバックス

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

リラードとヤニスのコンビでナゲッツの作戦を狙うバックス image

昨季優勝したデンバー・ナゲッツは、ほかのどのチームよりもひとつ図抜けていた。彼らが取り入れたスリーメンアクションに、どのチームも応じることができなかった。

最も破壊的だったひとつが、普段はジャマール・マレー、ニコラ・ヨキッチ、アーロン・ゴードンで仕掛けた「Rip DHO」だ。ゴードンがロブからダンクに跳んだり、マレーがヨキッチのハンドオフからワイドオープンで3ポイントショットを打つのは、「Rip DHO」の結果だった。

[AD] 楽天モバイル『Rakuten最強プラン』でNBA全試合見放題! 詳細&申し込みはこちらから

DNVR』のアダム・マレス記者は、このプレイやその背景、効果的である理由などを解説している。

基本的に、「Rip DHO」はリップスクリーン、ないしバックスクリーンをかけてからの、ドリブルからのハンドオフだ。マレーはプレイオフを通じ、バックスクリーンとハンドオフの組み合わせを生かして相手チームを痛めつけた。

これがナゲッツで大きく機能し、NBAの各チームは注目しているようだ。トロント・ラプターズ、ロサンゼルス・レイカーズ、ミルウォーキー・バックスなど、プレシーズンを通じて多くのチームが取り入れてきた。

[AD] スポーツ観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

「Rip DHO」がうまく機能するのは、ロブで脅威となる身体能力に優れた選手と、破壊的な3Pシューターが組んだ場合だ。バックスにはそのための完璧な人材がそろっている。ヤニス・アデトクンボとデイミアン・リラードだ。エイドリアン・グリフィン新ヘッドコーチは、プレシーズン初戦で2回、ホーンズフォーメーションから試しており、導入していることをうかがわせた。

10月15日(日本時間16日)のロサンゼルス・レイカーズ戦では、リラードがプレシーズンデビューを飾った。そしてグリフィンHCは再び「Rip DHO」を2回試している。タイムアウト後とフリースロー後に1回ずつだ。

バックスはリラードとブルック・ロペスをエルボーに置くホーンズフォーメーションからの「Rip DHO」でリラードを生かしたいようだ。リラードがエルボーでアデトクンボにリップスクリーンをかけ、アデトクンボがバスケットにカッティングできるようにするのがファーストオプションとなる。

[AD] U-NEXTでSPOTV NOWをお得に視聴!

このシンプルなアクションは、守備側に多くのストレスをもたらす。リラードにうまくスクリーンをかけられれば、守るディアンジェロ・ラッセルがパスに対抗しようと下がらなければならない。ラッセルがそれをできなかったため、レイカーズはアデトクンボにフリーでダンクを叩きこまれた。

一方で、アデトクンボへのパスを封じるためにリラードを守る選手が下がると、今度は2つ目のオプションへのスペースが生まれる。ロペスとの連係でハンドオフからリラードが出てくるのだ。レイカーズ戦でのバックスは、2回目に試みた際にこのオプションを使っている。

タイミングの悪さもあり(まだプレシーズンだ)、リラードはボールを失ってしまった。現時点ではぎこちなく見える。だが、練習を重ねれば守ることが不可能になるはずだ。ディフェンダーがリラードから離れなければ、アデトクンボがロブパスを受けられる。ディフェンダーがアデトクンボにヘルプにいけば、リラードが3Pを狙うスペースを手にする。そして相手チームはスイッチすることができないだろう。アデトクンボがポストアップし、より小さいガードを圧倒するからだ。

タイミングや練習を積んできたこともあって、ナゲッツはこのプレイで勝利を収めた。バックスはまだそこまで達していない。だが、彼らの作戦のひとつとなっている。今後、多く見られるかもしれない。

原文:How Damian Lillard and Giannis Antetokounmpo are taking a page out of the NBA Champion Nuggets' playbook(抄訳)

[AD] AmazonでNBAグッズをチェック!

Stephen Noh

Stephen Noh Photo

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。