[杉浦大介コラム第77回]2017-18シーズン前半戦アウォード:(2)新人王

杉浦大介 Daisuke Sugiura

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全30チームがすでに50戦近くを消化した2017-18シーズンはすでに後半戦に入っている。今回は前半戦を振り返り、MVP、新人王、最優秀守備選手、シックスマン賞、MIP(最優秀躍進選手)を独自に選び、ここまでを振り返っていきたい。多くの印象的な瞬間が生まれている前半戦で、最も輝いたのは誰だったのか? ※データはすべて1月30日のゲーム終了時点。

前半戦 新人王

ベン・シモンズ
フィラデルフィア・76ers
平均16.6得点、7.9リバウンド、7.3アシスト

全ルーキーの中でトップの平均19.3得点をあげてきたドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ)は確かに素晴らしく、他のシーズンであれば新人王の最有力候補だったろう。しかし、今季は“歴史的”とも形容される活躍を続けているルーキーがいる。若きタレント集団、76ersを統率する大型ポイントガードとして定着したシモンズだ。

前半戦でのシモンズは出場時間、平均得点、アシスト、リバウンド、スティール、ブロックのすべてでルーキーの中ではトップラクスの数字をマークしている。シモンズの成績に並ぶ21歳以下の選手は、1981年のマジック・ジョンソンまで遡らなければならない。ジャンプシュートが弱点だが、それはつまり伸びしろが残っているということでもある。オーストラリア出身の怪童は、スケール豊かなプレイで今後しばらくNBAファンを歓喜させてくれそうだ。

シモンズ、ミッチェル以外では、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)の安定感、ラウリ・マルッカネン(シカゴ・ブルズ)のシュート力、カイル・クーズマ(ロサンゼルス・レイカーズ)の得点力も忘れるべきではない。

ほかにも話題性ではナンバーワンのロンゾ・ボール(レイカーズ)、王者ウォリアーズのローテーションに入ったジョーダン・ベルなど、今季のルーキーは極めて層が厚い。ルーキーの大豊作シーズンとして記憶されていく可能性を感じさせている。

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文:杉浦大介  Twitter: @daisukesugiura

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東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。