昨今、プロアスリートにとって、所属チームとの大型契約はあまり意味を成さないのかもしれない。
年々エンドースメント契約の契約金が増えつつある今、1年500万ドル(約5億5000万円)以上の条件が上乗せされる条件を提示できたとしても、スーパースターの流出を抑止する効果は十分とは言えない。なぜなら、アスリートたちが求めるものは優勝にほかならないからだ。
今オフに無制限フリーエージェントになることが濃厚のクリス・ポールもまた、優勝を達成できる環境を欲している。現時点でポールが求める最適な環境は、サンアントニオ・スパーズだろう。
『ESPN』は、匿名のリーグ関係者からの話として、ポールが優勝の可能性を求め、スパーズへの移籍を真剣に検討していると伝えた。
『ESPN』のマーク・スタインによれば、ポールはグレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチ、2017年のシーズンMVPファイナリストに選出されたカワイ・レナードとのプレイに関心を示しているという。スタインは、スパーズとポールが相思相愛の関係性にあるとも見ている。
スパーズは、これまで大物FA選手の獲得を見送り、ドラフトで指名した若手を軸にチームを作ってきた。だが、2015年にラマーカス・オルドリッジを獲得し、2016年にはケビン・デュラントの獲得を狙うなど、球団の方針にも変化が見られつつある。もしチーム力を高められると判断すれば、大物FA選手の獲得に打って出るだろう。
ポールならば、チーム力を高められる。2005年のドラフト全体4位でニューオーリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)から指名されると、1年目から活躍し、チームも前年の18勝から20勝上乗せして38勝を記録。2011年にポールをトレードで獲得したロサンゼルス・クリッパーズは、2011-12シーズン、前年の32勝から40勝(同年のレギュラーシーズンはロックアウトにより66試合に短縮)に年間勝利数を増やした。
ポールならば、間違いなくスパーズの力をさらに高められる。そして、エンドースメント契約により得られる金額を考えれば、クリッパーズが『スーパーマックス契約』を提示したとしても、ポールの慰留は難しいかもしれない。
原文:Chris Paul eyeing Spurs as potential landing spot by Thomas Lott/Sporting News