クリス・ポールは間もなくワシントン・ウィザーズにトレードされる見込みだ。主に、フェニックス・サンズがウィザーズからブラッドリー・ビールを獲得する取引の一環として、サラリー調整の目的での放出となる。だが、トレードやバイアウトで、ポールはさらに違うチームに移籍するかもしれない。
『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が6月18日(日本時間19日)に報じたように、ビールのトレードが保留されている理由のひとつは、ポールのトレードに関心を抱く3チーム目を見つけようとしているからだ。
そのチームはどこになるのか。ESPNのブライアン・ウィンドホースト記者が19日(同20日)に『Get Up』で明かしたとこによれば、ロサンゼルスの2チームが候補にあがっているという。
ウィンドホースト記者は「サンズで新シーズンを迎えないのであれば、家族と一緒にロサンゼルスに行ってプレイしたいというのがポールの本音だと思う」と話した。
「最終的には、バイアウトだろうが別のトレードだろうが、ポールは近くフリーエージェントになり、ロサンゼルスという選択肢に集中することになると思う」
クリス・ポールの移籍先候補
ロサンゼルス・レイカーズ
レイカーズはポイントガードのポジションに空きがある。昨季はディアンジェロ・ラッセル、デニス・シュルーダーの2選手がトップ2だったが、両選手とも無制限FAだ。
ラッセルはトレードデッドライン(トレード期限)以降、ほとんどスターターを務めたが、プレイオフでは落胆させる出来だった。ウィザーズが関心を抱くなら、サイン&トレードで移籍するかもしれない。
ポールのサラリーにマッチするためのほかの方法として、マリーク・ビーズリーの1650万ドル(約23億1000万円/1ドル=142円換算)かモー・バンバの1030万ドル(約14億4200万円)の契約を保証することも考えられる。
最も可能性が高いのは、ビーズリー、バンバ、指名交換権や2巡目指名権といった小さなドラフト資産と引き換えにポールを獲得することだ。
ロサンゼルス・クリッパーズ
ラッセル・ウェストブルックはクリッパーズで非常に良いプレイをした。だが、彼はFAであり、クリッパーズは彼に提示できることが非常に限られている。バイアウトで加入したため、ベテランの最低額の120%までしか出せないのだ。このことが、トレードないしバイアウトによって、ポールがウェストブルックに代わる先発ポイントガードとなる可能性につながる。
ポールは過去に6シーズン在籍し、クリッパーズをすでによく知っている。そしてウィザーズのマイケル・ウィンガー新社長は、就任前にクリッパーズで働いていたため、球団とつながりがある。
クリッパーズはエリック・ゴードンの2100万ドル(約29億4000万円)のサラリーを保証し、ウィザーズに満了を迎える契約を与え、トレードでポールのサラリーに見合うように役立てることができる。マーカス・モリスとロバート・コビントンもその意味で有益な選手たちだ。ボーンズ・ハイランドは若手の有望株として関心を寄せられるかもしれない。
ゴードンとモリスかコビントンのどちらか、小さなドラフト資産かハイランドのような若手選手と引き換えにポールを獲得し、サラリーを調整するのが、可能性のある取引だろう。
クリス・ポールのバイアウトの可能性
ポールの契約は1580万ドル(約22億1200万円)の部分保証だけだった。サンズは1000万ドル(約14億2000万円)弱を加え、ポールのサラリー保証を2500万ドル(約35億円)とし、来季の3080万ドル(約43億1200万円)を完全に保証できる選択肢をウィザーズに与えた。
トレードできなければ、ウィザーズはポールが保証金額の一部を放棄することでバイアウトに合意する可能性がある。その場合はいくらかの節約になり、ポールにもメリットがあるだろう。ウェイバー期間を過ぎれば、サンズを除く好きなチームと好きな額で自由に契約できるからだ。
そこには、ベテラン最低額というオファーも含まれる。その場合、レイカーズやクリッパーズにとって、トレードでロスターを弱体化させることなく、サラリー負担を増やすことなく、ポールを獲得する素晴らしい手段となるだろう。
ウィザーズはポールをトレードし、より若い選手やドラフト2巡目指名権のような資産を一部取り戻すことのほうを望むだろう。だが、おそらくはバイアウトが最も可能性の高い道だ。いずれにしても、ポールが新シーズン開幕までにロサンゼルスないしその近郊に向かうことになる可能性は十分だ。
原文:Chris Paul landing spots: How Lakers, Clippers trades would work and buyout possibilities(抄訳)