キャリア初のNBAファイナル進出、16年目のクリス・ポールがシューズに書き込んだメッセージ

大西玲央 Reo Onishi

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NBA入りして16年、36歳のベテラン・ポイントガードがようやくNBAファイナルへの切符を手に入れた。

ウェスタン・カンファレンス・ファイナル第6戦で、フェニックス・サンズはロサンゼルス・クリッパーズに130-103で勝利し、1993年以来28年ぶりとなるNBAファイナル進出を決めた。

その立役者が、キャリア5チーム目のサンズでプレイしているクリス・ポールだ。41得点、8アシスト、0ターンオーバーという圧倒的なパフォーマンスを見せた司令塔に対して、チームメイトのデビン・ブッカーは「彼はリーグ史上最も優れたポイントガードのひとりだ」と称賛した。

「みんなそれは知っているし、もしかしたら史上最高かもしれない。16年。僕はまだ24歳。僕が8歳の頃から彼は活躍している。小さな頃から彼のプレイに憧れて育ってきたんだ」。

【動画】クリス・ポール 41得点&0ターンオーバー

第3クォーターに7点差まで詰め寄られたサンズだったが、ポールはそこからサンズの16得点中14点を叩き出す活躍で、チームを牽引した。

ポールはその時の気持ちを「負けてはいけない。負けてはいけないというミッションを持ってプレイしていた」と語った。

「とても感情的だった。ケガなんかもあって、昨日も手首のMRIを受けていた。16年間、手術、ハードワーク、敗戦、痛い敗戦、多くを経験してきた。とにかく今日を楽しむよ」。

しかし、まだ仕事は終わっていない。キャリアを通して、プレイオフではケガに悩まされ、あと一歩というところで敗退を繰り返してきたポールが、ついにNBAファイナルの舞台に到達した。

その舞台に立つポールのシューズに、彼は毎試合あるフレーズを書き込んでいるのだ。

「Can't give up now」(ここで諦めてはいけない)。

Chris Paul


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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。