チャールズ・バークリーがブルズのファンを批判 なぜクラウスにブーイング?

Gilbert McGregor

坂東実藍 Miran Bando

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チャールズ・バークリーが、イリノイ州シカゴのユナイテッド・センターで起きた醜い出来事に憤慨した。

シカゴ・ブルズは1月12日(日本時間13日)、球団初のリング・オブ・オナーとして、1995-1996シーズンの優勝チームをたたえた。そのハーフタイム中のセレモニーで、かつてブルズのエグゼクティブだったジェリー・クラウスの未亡人であるセルマ夫人にブーイングが浴びせられたのだ。セルマ夫人は亡き夫の代理として出席していた。

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明らかにセルマ夫人を悲しませたブーイングを、多くの人はソーシャルメディアですぐに批判した。15日(同16日)の『TNT』の『Inside the NBA』で、バークリーも言及している。

バークリーは「細心の注意を払いたい。シカゴは私が大好きな街だからだ。しかし、先日シカゴで起きたのは恥ずべきことだった」と話した。

「夫人をあのように泣かせたんだ。本当に多くの点で間違えていた。マイケル(ジョーダン)やスコッティー(ピッペン)、デニス(ロッドマン)が出席しなかったのは間違っていた。シカゴ・ブルズのレガシィ(遺産)を完全に汚したのだ」

ロッドマンは悪天候のためにセレモニーに出席できなかった。ジョーダンとピッペンの欠席については、明確に説明されていない。

当時最も重要だった3選手の誰も出席しなかったことに、バークリーは異論を唱えた。

バークリーは「彼らは常に素晴らしい球団だったが、あのようになった。6回優勝した選手や、デニス、スコッティーなど、球団の最も偉大な選手たちがいなかったんだ。そもそもなぜ100人もリング・オブ・オナーなのか分からないし、バカげている。だが、あのファンたちがクラウス夫人にしたことは、クールじゃなかった。関係者全員が彼女に謝罪しなければならない」と述べている。

「ジェリー・クラウスのことが好きだろうが、そうでなかろうが、その人物は亡くなっているんだ。安らかに眠らせるべきだ。その夫人を泣かせるなんて、まったくもってふざけている。彼女を泣かせるなんて、間違っているよ。見ていて心が傷ついた」

ブルズCEOのマイケル・ラインズドルフは、すぐに声明を出し、「(クラウスの)レガシィはたたえられ、尊重されるべきです」と述べた。

この日の対戦相手だったゴールデンステイト・ウォリアーズの指揮官で、1996年のブルズ優勝メンバーの一員としてリング・オブ・オナー入りしたスティーブ・カーは、ブーイングを「まったくもって恥ずべきことだ」と批判。クラウス・ファミリーを想って落胆と悲しみを表した。

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なぜブルズのファンはジェリー・クラウスにブーイングした?

多くのブルズファンは、最後に優勝した1997-1998シーズン後にチームが解体された理由がクラウスにあると見ている。

1990年代のブルズを描いた全10話のドキュメンタリー『The Last Dance』で、クラウスは優勝が選手とコーチだけでなく、球団やフロントオフィスの成果でもあると考える悪役として描かれた。

作者マーク・バンシルは第1話でクラウスについて、「彼は常にアンダードッグで、自分の中の信用が必要だったところをコントロールできなかった」と話している。

クラウスは当時のフィル・ジャクソンHCが1997-98シーズン後に続投を許さなかったとも非難された。ジョーダンがジャクソン以外の指揮官の下でプレイしたくないと公言しており、ブルズ王朝崩壊を大きくうながした選択になったと見られている。

クラウスが根拠としたのは、高年齢化したロスターの改革だったが、選手たちから力を奪う不要な選択だったと見られている。1998年の優勝後、ジョーダンは引退。ピッペン、ロッドマン、ロン・ハーパーなど、多くが他チームに移籍した。1年後、ジャクソンはロサンゼルス・レイカーズのヘッドコーチとなり、最初の3シーズンで3連覇を成し遂げている。

ロックアウトがあった1998-1999シーズンから、エグゼクティブとしてクラウスのラストシーズンとなった2002-2003シーズンまで、ブルズは96勝282敗という成績だった。

原文:Charles Barkley rips Bulls fans for booing Jerry Krause during Ring of Honor ceremony(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Gilbert McGregor

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Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。