ボストン・セルティックスのブラッド・スティーブンズ・ヘッドコーチは、審判団への不満を口にしなかった。パニックになることもなく、言い訳もしなかった。
セルティックスは5月21日(日本時間22日)、クイックン・ローンズ・アリーナで行なわれたプレイオフ・カンファレンス・ファイナル第4戦で、クリーブランド・キャバリアーズに102-111で敗れた。
スティーブンズHCは「本当に良いチームで、我々にも勢いはあった」と述べつつ、2つの致命的な3分間が痛かったと振り返っている。
「それらのクォーター終盤に、以前のような勢いを出せなかった」。
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スティーブンズHCの見解は正しい。キャバリアーズは鍵となった時間帯に16-5と引き離しているのだ。それらが違いとなり、キャバリアーズはシリーズを2勝2敗のタイへと戻し、TDガーデンで23日(同24日)に行なわれる第5戦に向かうこととなった。
セルティックスにとって朗報は、今季のプレイオフはホームで9戦全勝しており、さらにホームコートアドバンテージも手にしているということ。良くない知らせは、ロードで1勝6敗を喫しており、25日(同26日)の第6戦でクイックン・ローンズ・アリーナに戻ってこなければいけない点だ。セルティックスは残り3試合でレブロン・ジェームズ率いるキャバリアーズに2勝しなければいけない。
セルティックスはロードで勝たなければいけないわけではない。だが、この連勝で力を取り戻したキャバリアーズを相手に、何かがうまくいかなければ、(第6戦で)ボストン以外での勝利が必要となるかもしれないのだ。ジェームズは第4戦で44得点を記録しており、40点超えは今季のプレイオフで6回目となる。
ここ2試合のセルティックスは、第1クォーターで苦戦してきた。86-116で敗れた第3戦は15点差をつけられ、第4戦も18-34と16点のビハインドを背負っている。一方、ジェームズは第1Qだけで11得点をマークした。ケビン・ラブのタッチダウンパスからのレイアップもその一つだ。
LeBron plays receiver and lays it up & in! 🔥🔥
— NBA (@NBA) 2018年5月22日
9 PTS, 4-4 shooting for LBJ on @ESPNNBA #WhateverItTakes 23 | #CUsRise 15 pic.twitter.com/P4viNavtTh
対するセルティックスは、第1Qのフィールドゴール成功率が26.9%。マーカス・モリスはファウルを3つも犯した。第3戦でスティーブンズHCが指摘した連携の問題も再び顔をのぞかせ、前半は5人のスターターがFG37本中14本成功(成功率37.8%)にとどまっている。
スティーブンズHCは「後半はかなりよく守れるようになった」と述べた。
「スターター全員がプレイし、守備でもっとやらなければ。前半の我々はそうでなかった」。
反対に、キャバリアーズはロールプレイヤーたちが再び活躍。カイル・コーバーは前半12分間のプレイだけで14得点を記録し、トリスタン・トンプソンもアル・ホーフォードをマークしながら13得点、12リバウンドをマークしている。キャバリアーズのFG成功率は50.6%にのぼった。
セルティックスは挽回しようとするたびに、ジェームズに突き放された。
●第2Qにジェイレン・ブラウンがチーム5本目の3ポイントショットを決め、点差を一桁にしたが、ジェームズの連続得点で46-59と押し戻され、15点のビハインドを背負って前半を終えた。
●第3Q残り9分11秒にも9点差まで迫ったが、再びジェームズに連続得点を許した。残り7分40秒にラブが5つ目のファウルを犯したが、1分と経たないうちにセルティックスもモリスが5つ目のファウル。両軍合計17のファウルを記録したこの第3Qを終え、セルティックスは13点差をつけられていた。
●第4Qに15点ビハインドから連続8得点で7点差まで詰め寄ったが、残り6分25秒にラブの得点を許すと、さらにジェームズのレイアップで89-100と再び二桁点差に引き離された。
LeBron James strides for two in transition!
— NBA (@NBA) 2018年5月22日
37 for The King midway through Q4 on @ESPNNBA #WhateverItTakes 100 | #CUsRise 89 pic.twitter.com/AY9WCbi3wG
セルティックスはそれらのチャンスを逸し、3年連続イースタン・カンファレンス王者との“ショートシリーズ”に直面することとなった。ただ、キャバリアーズの緊張も小さくはないだろう。23日の第5戦でセルティックスが勝てば、第6戦はフリーエージェントとなるジェームズにとってキャバリアーズでのラストゲームとなるかもしれないのだ。
だが、もしも第5戦で勝てば、キャバリアーズはNBAファイナルへの切符をかけて第6戦を戦うことになる。それはキャバリアーズに新たな活力を与えることだろう。そして、セルティックスにとっては最も恐ろしい事態となる。セルティックスはどこかで突き抜けなければいけない。特に、第4Q最後の3分間になればなおさらだ。
スティーブンズHCは「3試合で2勝したチームがNBAファイナルに進む」と述べた。
「これ以上はないだろう。結局のところ、この勝負がタフなものにならないと誰か思っていただろうか。タフな戦いになるのさ」。
原文: Celtics' mistakes give Cavs new life, leaving Boston in precarious position by Sporting News(抄訳)