なぜセルティックスのファンはカイリー・アービングにブーイングするのか? マーベリックス加入前の過去

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坂東実藍 Miran Bando

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カイリー・アービングがボストン・セルティックスの本拠地TDガーデンでNBAファイナルの試合を戦うのは初めてのことだった。

6年前、多くの人は、それが実現する時のアービングはセルティックスの一員と想像していた。だが実際は、ダラス・マーベリックスの一員としてその舞台に立つこととなった。

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アービングはかつてセルティックスに在籍し、ブルックリン・ネッツを経て、現在はマーベリックス所属となっている。選手はダラスの地で居場所を見つけたようだ。だが、ボストンのファンは今でもアービングがセルティックスとうまくいかなかったことを恨んでいる。

以降、アービングがTDガーデンに戻るたびに、彼は一番の敵となった。NBAファイナル2024でもそれは同じだろう。

ここでは、セルティックスのファンがアービングにブーイングを浴びせる理由をまとめる。

なぜセルティックスのファンはカイリー・アービングにブーイングするのか?

セルティックスのファンがアービングにブーイングするのは、彼とチームとの長きにわたる確執からだ。

本格的に関係が悪化したのは、アービングにとってセルティックスでの最後となった2シーズン目だ。フリーエージェントになるところだったアービングは、プレシーズンのファンイベントで、長期の延長契約を結び、球団の要としてボストンに残りたいと言っていた。

当時、アービングはボストンのファンに「みんなが戻してくれるなら、僕はここで再契約を結ぶつもりだ」と述べている。

しかし、問題のあるシーズンスタートになり、アービングはトーンを変え出した。若いチームの浮き沈みあるパフォーマンスにフラストレーションを示し、ボストンに残りたいと言ったわずか3か月後にそれを撤回したのだ。

アービングは『NBC Sports Boston』で「結局のところ、自分のキャリアにとって最善のことをする」と話した。

「この8年、監督やほかの人など、みんなが僕に望むことをしようとしてきた。誰にも借りはない」

NBAプレイオフ2019のイースタン・カンファレンス・セミファイナルで、セルティックスはミルウォーキー・バックスにあわやスウィープ(4勝0敗)されるところだった。セルティックスの攻撃が不調だったこのシリーズで、アービングはフィールドゴール104本中37本成功にとどまっている。これがセルティックスでの最後となった。オフシーズンにネッツへ移籍したのだ。

セルティックスのファンは、アービングの心変わりをよく受け止めなかった。祖父の死を受け、地元により近いネッツに加わりたかったとアービングが説明しても、セルティックスのファンは2018-2019シーズンのセルティックスの不振についてアービングを非難したのだ。

アービングが退団してからも、両者は敵対し続けた。2021年のセルティックスとネッツのプレイオフでの対戦で、第4戦で勝利した試合後、アービングがセルティックスのロゴを踏みつけたのは有名だ。ボストンのファンはこれに納得しなかった。2022年のプレイオフシリーズ中に何度かアービングがファンに中指を立てたことも同様だ。

もちろん、セルティックスのファンにも非がないわけではない。2021年のネッツとセルティックスのシリーズ第4戦では、試合後にセルティックスのファンがアービングの頭に水のボトルを投げつけて逮捕された。アービングがセルティックスの一部ファンから「微妙な人種差別」の被害に遭ったとほのめかしたこともある。

それでも、セルティックスのファンとアービングの対立で最もポイントになったのが、残留希望を表明してからの移籍決断だろう。最近、アービングはセルティックスとの協力関係が失敗したことの責任を負ったが、ファンにとって最大のライバルのひとりであることは変わらない。

セルティックス戦のカイリー・アービングのスタッツ

アービングはブーイングされることを煩わしく思っている様子の時もあるが、パフォーマンスにはあまり影響させていない。2019年にセルティックスを離れてから18回対戦してきたが、平均23.6得点を記録している。

セルティックスを退団してからのアービングの対戦時の1試合平均スタッツは以下のとおりだ。

得点23.6
リバウンド5.8
アシスト4.6
スティール1.2
ブロック0.7
フィールドゴール成功率45.7
3ポイントショット成功率36.3

アービングのスタッツは堅実だが、戦績は18試合で7勝11敗。セルティックスのロゴを踏んで以降は、1勝10敗という成績だ。

※数字はNBAファイナル2024以前

原文:Why are Celtics fans booing Kyrie Irving? Explaining Mavericks star's checkered history in Boston(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Jacob Camenker first joined The Sporting News as a fantasy football intern in 2018 after his graduation from UMass. He became a full-time employee with TSN in 2021 and now serves as a senior content producer with a particular focus on the NFL. Jacob worked at NBC Sports Boston as a content producer from 2019 to 2021. He is an avid fan of the NFL Draft and ranked 10th in FantasyPros’ Mock Draft Accuracy metric in both 2021 and 2022.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。