セルティックスを悩ませ続ける問題とは? なぜ大事な局面で及ばないのか

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

セルティックスを悩ませ続ける問題とは? なぜ大事な局面で及ばないのか image

ボストン・セルティックスがここ2シーズンのリーグで最も才能あるチームであることは間違いない。だが、彼らは最も大事な局面で及ばないことが続いている。

2022年のNBAファイナルでは、第6戦でゴールデンステイト・ウォリアーズに敗れた。2023年のイースタン・カンファレンス・ファイナルでは、第7戦でマイアミ・ヒートに沈められている。そして12月4日(日本時間5日)のインシーズン・トーナメント準々決勝では、再び有利と見られていたにもかかわらず、インディアナ・ペイサーズに屈した。

[AD] NBAがWOWOWに帰ってきた!毎週7試合ライブ配信、注目の5試合を実況・解説付きで生中継!

さらに懸念されるのが、これら3つの大事な舞台におけるセルティックスの負け方だ。どれも同じように、終盤に攻撃の問題を抱えた。

勝負を決める局面で、どこにセルティックスは問題を抱え続けているのだろうか。

なぜセルティックスは重要な局面で及ばないのか?

あまりに遅いオフェンス

インシーズン・トーナメント準々決勝で、ペイサーズとセルティックスはペースが対照的だった。

ゲームプランだったということもある。セルティックスのジョー・マズーラ・ヘッドコーチは、走り合ってペイサーズの思うつぼとなることを望まなかった。だが、ペイサーズが素早く得点しようとしたのに対し、セルティックスのやり方はあまりに体系的で、短時間でミスを犯す余地がほとんどなくなったのだ。

セルティックスは何度もゆっくりとボールを運び、ゆっくりとアクションを仕掛け、しっかりバスケットを見るまでに10~14秒だったのだ。

セルティックスは、リードを守ろうとする試合の終盤にこの受け身の戦略が多すぎる。さらに悪いことに、ペイサーズ戦では第4クォーターの大半で追いかける展開となり、挽回するためにスピードアップが必要だったのだ。なぜだか、ビッグゲームの最後の5分で、セルティックスは普通の攻撃をすることができないようだ。

[AD] 楽天モバイル『最強プラン』なら追加料金なしでNBA全試合見放題!

ジェイソン・テイタムのアイソレーション頻度

In addition to playing slowly, much of the late-game offense involved getting the ball to Jayson Tatum and letting him isolate. 

Tatum is a good one-on-one scorer and a tough shot-maker. He ranks in the 82nd percentile of isolation scorers, according to NBA Stats. But the Celtics have a ton of good offensive weapons. They can find better shots than these to close games:

最も責められるのは、マズーラHCだろう。だが、指揮官は様々なことを試している。残り5分にはアル・ホーフォードにダンクをするようサイドラインから指示した。その2分後には、攻撃が行き詰まっていることに気づいてタイムアウトを要求し、素早くジェイレン・ブラウンにダンクをさせている。しかし、すべてのプレイでタイムアウトを要求することはできない。

選手たちに任せると、彼らは再びテイタムに預けて任せるようになるのが通常だ。

ペイントへの仕掛け

セルティックスは以前から、ジャンプショットに落ち着くことが多すぎると批判されてきた。3ポイントショットが優れたチームだけに、その戦略が理にかなっているところもある。だが、ドライブからきれいなかたちをつくるよりも、コンテストされながらのプルアップジャンパーの3Pに落ち着くことが、試合終盤に多すぎるのだ。

NBA Stats』によると、セルティックスの1試合平均ドライブ回数はリーグ28位だ。『Cleaning the Glass』によれば、リムでのショット確率は23位となっている。重要な局面で持続可能な攻撃を増やすには、これらの数字を大きく高めなければならない。リーグ全体が3Pにシフトしているとはいえ、レイアップが最高のショットであることは不変だ。そしてセルティックスには、バスケットにアタックしにいけるだけの選手がそろっている。

セルティックスの希望の兆しは、クリスタプス・ポルジンギスがペイサーズ戦を欠場していたことだ。ポルジンギスがいれば、こういった重要な局面における問題で役立ち、終盤に異なる攻撃の武器をもたらせただろう。

ただ、大事な試合でポルジンギスが不在だったことじたいは懸念要素となる。セルティックスは大切な時にポルジンギスが健康であることを必要とするだろう。今季の大きな期待に応えるには、セルティックスを長年悩まされてきた悪い傾向を断ち切ることが必要となるはずだ。

原文:Why the Celtics keep falling short in the clutch: Jayson Tatum shot selection, slow offense remain issues(抄訳)
翻訳:坂東実藍

[AD] NBAがWOWOWに帰ってきた!毎週7試合ライブ配信、注目の5試合を実況・解説付きで生中継!

Stephen Noh

Stephen Noh Photo

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。