今季実験を繰り返したタロン・ルーHCが明かすオーナーからの助言「失敗を恐れず新しいことを試せ」

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アメリカ国内のプロスポーツで、NBAよりレギュラーシーズンの結果があまり意味を成さない競技はない。NBAでは、毎シーズン全体の53%(30チーム中16チーム)がプレイオフに勝ち進むからだ。唯一NBAに近いのは、全体の52%(31チーム中16チーム)がプレイオフに勝ち上がるNHLしかない。

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その点を考慮し、クリーブランド・キャバリアーズのダン・ギルバート・オーナーは、タロン・ルー・ヘッドコーチに今季実験を行なう機会を与えた。端的に言うと、彼はキャブズが試合に負けても目をつぶり、イースタン・カンファレンス中位でプレイオフに進出しても構わないことをルーHCに伝えた。

ルーHCは『Cleveland Plain-Dealer』とのインタビューで「ダン・ギルバートからは、『新しいことを試せ』と言われた」と答えている。

「ビジネスの世界では新しいことにトライしないといけない。もし機能すれば天才と思われるし、もし失敗すれば、また何かを変えないといけない。変化を起こしてみて、それでチームがどういう反応を見せるかやってみないといけないと思った」。

ギルバートからの許しを得たルーHCは、ラインナップの変更に取りかかった。トリスタン・トンプソンをレギュラーシーズン序盤先発に起用し、オールスターブレイク以降あまり出場時間を与えなかったのには理由があったのだ。

ルーHCは、あえてジェド・オスマンの出場時間を増やし、2月のトレードデッドラインにユタ・ジャズから獲得したロドニー・フッドにも出場機会を与えた。それもこれも、レブロン・ジェームズと誰を組ませるのが機能するかを試したかったからだ。ギルバートは、試合に負けても心配しないようルーHCに伝えるため、こんなメールを送ったという。

「基本的に、我々は失敗を恐れているように思われるようだが、私は失敗を恐れるべきではないと思っている」。

オーナーの後押しもあり、キャブズは今シーズン異なる18選手を先発に起用。今季プレイオフに勝ち進んだ16チーム中、最低でも異なる15選手を先発に起用したのはボストン・セルティックスのみで、ミネソタ・ティバーウルブズは異なる9選手をスターターで使った。

ルーHCにとって、2017-18シーズンは実験と失敗の繰り返しだったが、カンファレンス・セミファイナルで今季リーグ2位の戦績を残したトロント・ラプターズをスウィープで下した今、ようやく機能する方法を見出せたようだ。

これはルーHCの努力の賜物と言えるが、ギルバートの力も大きい。レギュラーシーズン中盤にはジェームズに強い口調で意見を言われても、試合に負け続けても、ルーHCはキャブズの選手から尊敬され続けた。

ジェフ・グリーンは、ルーHCについて「彼は成功を収められるポジションに選手を導いている」と話している。

原文:Cavaliers owner Dan Gilbert let Tyronn Lue know it was OK to fail by Thomas Lott/Sporting News(抄訳)


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