【プレイイン・トーナメント展望】 ブルズ対ホークス

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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シカゴ・ブルズとアトランタ・ホークスが、イースタン・カンファレンスで初めて9位と10位になったのは、1月15日(日本時間16日)のことだ。驚くことに、彼らはそれから順位が変動していない。

4月17日(同18日)、どちらかはシーズンを終える。プレイイン・トーナメントで対戦するからだ。「トレイ・イン・ゲーム」と言ってもいい。トレイ・ヤングにとって3シーズン連続のプレイイン・トーナメントになるからだ。オールスター選出3回の彼は、プレイイン・トーナメントでこれまで3試合すべてに勝っている。2022年は2勝して第8シードを獲得。昨季は第7シードを手にした。

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レギュラーシーズンのシリーズは接戦だった。ブルズが2勝1敗と上回ったが、得失点差はプラス3点にとどまっている。

『スポーティングニュース』が、ブルズとホークスの必勝の一戦を展望した。

ブルズ対ホークスの予想

予想:ブルズ勝利

今季のホークスはロードで芳しくなかった。ただ、ブルズはホームコートアドバンテージをあまり生かせていない。ユナイテッド・センターでは今季20勝21敗だ。

ホークスはジェイレン・ジョンソンの不在が痛い。年間最優秀躍進選手賞の候補だった選手だ。彼の万能性は攻撃面でホークスに多くの独自性を解き放たせる。

ブルズは秘密兵器、アレックス・カルーソの出場時間を増やすだろう。彼がコートにいる時のブルズはまったく異なるチームとなる。ただ、レギュラーシーズンでは平均出場29分未満だった。

また、ブルズのほうがやや健康で、この一戦に向けてスケールアップできる。理論上は拮抗している両チームだが、ここではブルズ有利としよう。

ブルズ対ホークスの注目マッチアップ・戦略

ホークスはデマー・デローザンをいかに抑えるか?

デローザンはブルズのベストプレイヤーだ。攻撃面ですべてのエンジンとなる。十分に称賛されていない選手だ。34歳という年齢ながら出場時間でリーグをけん引し、効率よく平均23.9得点をあげている。リーグ有数のアイソレーションプレイヤーであることは変わらない。

ホークスはデローザンのストッパーにサディック・ベイを起用していた。彼が離脱してからは、主にディアンドレ・ハンターが担当している。ウェスリー・マシューズもデローザンを相手に素晴らしい仕事をしてきたが、今季はローテーションの主力となっていない。

デローザンのピック&ロール対策として、レギュラーシーズンでホークスが採用した戦略は、クリント・カペラの位置を下げ、デローザンのリムへのドライブ能力を奪うことだった。ピック&ポップでニコラ・ブーチェビッチを実質的に無視し、センターがデローザンを抑えるようにしたのである。だがそれでも、デローザンにやられていた。

まず、ホークスは何よりもデローザンのポンプフェイクに対応しなければならない。ブーチェビッチを無視するのは良い戦略だ。今季のブーチェビッチはリーグで最も効率の良くないスコアラーのひとりだった。

最も重要なのは、ホークスが早い段階で仕事をこなす必要があるという点だ。デローザンがスポットに入ったら、ホークスは負ける。2022年のプレイオフでブルズとミルウォーキー・バックスが対戦した時に、マシューズはデローザンが望むよりもバスケットから遠い位置でボールを持たせていた。それを再びやる必要がある。

ブルズはトレイ・ヤングをいかに抑えるか?

今季のブルズはヤングを相手にかなり良い仕事をしている。1試合併記20.0得点に抑えてきた。フィールドゴール成功率は29.0%、3ポイントショット成功率は22.7%だ。

それは目新しいことではない。過去2シーズンも、このブルズの主軸はヤングをFG成功率40%未満に抑えていた。アヨ・ドスンムとカルーソがプレッシャーをかけ、見事に苦しめたのである。

ただ、今季のヤングはブルズ相手に得点の脅威でなかったが、平均13.5アシストと素晴らしいファシリテーターだった。

ブルズはヤングに対してセンターを上げることで、彼の得点を抑えた。それによってヤングのプルアップジャンパーを奪い、スクリーンでガード陣がリカバーできるようにしたのだ。その代償として、ヤングのチームメイトにアドバンテージを与えることになった。

ブルズはいかにしてホークスに勝つか

ブルズは見ていて混乱するチームだ。最高のチームを倒すこともできれば、ワーストチームに負けることもある。

コービー・ホワイトはややスランプ中だが、ブルズには彼のビッグパフォーマンスが必要となる。ホークスはデローザンを止めることに注力するはずだからだ。それはつまり、デローザンに対する守備を増やし、ホワイトのようなほかの選手に攻撃させることを意味する。また、ロールプレイヤーたちはオープンな3Pを決めなければならない。

ブルズはスクリーンのところでボールをコントロールする必要がある。ボールに向かわず、ハンドラーに一定の重圧をかけないと、切り裂かれてしまう。ドスンムとカルーソはファウルトラブルに注意し、長くプレイできるようにならなければならない。

もしも接戦となった場合、ブルズは最優秀クラッチ選手賞の候補であるデローザンを擁していることが有利となる。終盤ではすべてのポゼッションでデローザンに託すだろう。

ホークスはいかにしてブルズに勝つか

ブルズの守備はホークスが得意とする点で非常にもろい。3Pを許すのだ。リーグ最多を記録している。一方、ホークスは3Pがリーグで6番目に多い。

ホークスがうまく3Pを決めれば勝つ、と言えばあまりに単純だ。しかし、そのとおりなのである。ホークスは多くの3Pを打つはずだ。継続的なドライブでブルズの守備を困惑させ続けられれば、良いかたちでショットを打てるだろう。

ヤング不在ながら勝利した試合で、ホークスはブルズよりも12本多くの3Pを沈めた。ブルズの3P試投はリーグ26位。この点では大きなアドバンテージがホークスにある。

ホークスがオープンな3Pを決められれば、彼らがこの一戦をものにするはずだ。

原文:Bulls vs. Hawks prediction, odds, injury report, TV channel, key matchups for 2024 NBA Play-In Tournament game(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。