プレイオフのまっただ中に、スーパースターの選手を予期せぬかたちで失い、適応して即興で対応しなければいけないのと、相手がしっかり準備していると知りながら、そのスーパースターをまったく起用できないかもしれないと2日間恐れるのと、どちらがマシなのだろうか。
ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは9月7日(日本時間8日)、捻った右足首の治療をひっきりなしに続けている。マイク・ブーデンホルザー・ヘッドコーチとチームは、6日(同7日)のマイアミ・ヒートとの第4戦で、アデトクンボがまったくプレイできないと考えていた。その観点からは、アデトクンボが第2クォーター途中まで11分間プレイし、19得点を記録したのは思いがけないボーナスだった。
8日(同9日)の第5戦でアデトクンボを起用できるかどうかは、試合が始まる数時間前、あるいは数分前まで分からない見込みだ。
ブーデンホルザーHCは「一般論として、試合中に選手が倒れる(ほうが悪い)だろうね」と述べた。
「この件が少し独特なのは、彼がプレイしない可能性もあったということだ。だから、試合開始からヤニスがプレイしなかった場合の考えや準備はあった」
「だが、完全に健康な選手が試合で予想外に負傷したら、即興で適応しなければならないことがある」。
バックスはオーバータイムの末に118-115で勝利し、スウィープでの敗退を免れた。
次は、今季の最優秀守備選手賞を受賞し、再びMVPを受賞すると思われる選手が、生き残りがかかる試合にいないと見込むかどうかだ。
ヒートのベテラン、アンドレ・イグダーラは「僕たちは彼がプレイすると思っている。準備を整えて、本来の彼でくるだろうとね」と話した。
「僕たちは彼がいても適応できるようにしなければいけない。そして、彼がいなければもっとうまく適応できるようでなければならない。
イグダーラは「彼らが単調な試合をしようとするはずがない」とも述べている。
「彼らは必死だ。そういうプレイをしてくるはずだよ」。
本人が準備できていると言っても、アデトクンボを起用するかどうかは簡単な決断にならない。
ブーデンホルザーHCは「選手の意見を聞かなければいけない時と、選手を守らなければいけない時とある」と話した。
バックスが来年や今後6年、10年と残しておきたいと願う選手に不利な影響を及ぼすのであれば、いずれにしても5試合か6試合で終わるかもしれないシリーズの第5戦でアデトクンボを起用するのは、下手な一手ということになる。
「すべてを考え、全部を評価した上で、我々は引き続き、ヤニスを守る決定を下していく。彼が健康を保ち、本当に長く健康なキャリアを送れるように、我々が彼を起用し、彼にできることを我々にもたらしていけるようにとどめておくためにね」。
原文:Bucks hope Giannis Antetokounmpo can play in Game 5, but won't know until hours before tip by Steve Aschburner/NBA.com(抄訳)