ブルース・ブラウンはラプターズから再びトレードもあるか 移籍先の候補は?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

ブルース・ブラウンはラプターズから再びトレードもあるか 移籍先の候補は? image

1月17日(日本時間18日)にパスカル・シアカムのトレードが報じられ、大半が注目したのは彼がインディアナ・ペイサーズにうまくフィットできるかどうかだった。だが、このトレードでトロント・ラプターズは引き換えに興味深い選手を獲得している。

この取引にブルース・ブラウンが含まれたのは、主にシアカムの年俸3790万ドル(約56億920万円/1ドル=148円換算)に合わせるために必要だったからだ。これから彼がどうなるかは分からない。ラプターズが今季の優勝を競っていないことは明らかだ。

[AD] NBA見るならWOWOW! 毎週7試合ライブ配信、注目の5試合を実況・解説付きで生中継!

もしもラプターズがブラウンを手放す場合、リーグ全体の関心を引くだろう。彼は複数の役割を担える何でも屋だ。プレイオフでの実績もある。昨季はベンチスタートから厳しい守備や3ポイントショット、一部のプレイメークをもたらし、デンバー・ナゲッツの優勝に貢献した。

ナゲッツは彼を戻したいと望んでいるだろうが、彼らにはそれを現実的にするだけの駒がない。

ここでは、ラプターズが直面している選択、そしてどんな可能性があるかをまとめる。

ブルース・ブラウンの契約内容

今季のブラウンの年俸は2200万ドル(約32億5600万円)だ。来季は2300万ドル(約34億400万円)のチームオプション。破棄された場合、ブラウンは無制限フリーエージェントとなる。

シーズン 年俸
2023-24 $22,000,000
2024-25 $23,000,000(チームオプション)

ブラウンは別のチームへのトレードが可能だ。しかし、今季中のトレードでラプターズのほかの選手と組み合わせること(合算)はできない。

ラプターズがブラウンを残す場合

ブラウンは非常に優れたロールプレイヤーであり、昨季のナゲッツでニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーを支えたように、スコッティー・バーンズの向上に役立つかもしれない。

ピンチの時はピック&ロールもできるが、ブラウンはボールを持たなくても効果的になれる選手だ。カッターとしても優れ、今季は3P成功率32.7%だが、ここ2シーズンでは37.1%を記録している。

ブラウンの真の価値はその万能性にある。ブルックリン・ネッツ時代にさかのぼれば、リードガードからスモールボールのセンターまで、すべてのポジションをこなしてきた。6フィート4インチ(約193センチ)で、強さとタフさを備えることから、複数のポジションで守ることができる。

現在のラプターズでブラウンはスムーズにフィットするだろう。プレイイン・トーナメント進出に貢献するかもしれない。だが、27歳という年齢で、早ければ今季終了後の夏にFAとなる。資産の土台を築き続けるほうが、ラプターズにとっては理にかなっているかもしれない。

Bruce Brown Jr. and Scottie Barnes
(Getty Images)

[AD] 楽天モバイル『最強プラン』なら追加料金なしでNBA全試合見放題!

ブルース・ブラウンの移籍先候補ランキング

4. ダラス・マーベリックス

マーベリックスは優勝を競う真の候補へと飛躍するのに、昨季からの守備の問題を解決できていない。『NBA Stats』によれば、守備はリーグで20位。ブラウンは昨季ドリアン・フィニー・スミスをトレードで放出して以降、マーベリックスに欠けている攻守両面で優れた選手だ。

マーベリックスにはトレードに使える2027年のドラフト1巡目指名権や複数の2巡目指名権がある。サラリーを合わせるのには、ティム・ハーダウェイJr.とマーキーフ・モリスを使えるだろう。2つの2巡目指名権で取引をまとめられるかもしれない。

3. フィラデルフィア・76ers

トレードデッドライン(トレード期限)でタレントを獲得することに関して、ダリル・モーリーはリーグで最もアグレッシブなゼネラルマネージャーだ。76ersはボストン・セルティックスやミルウォーキー・バックスのレベルになく、ブラウンがその差を埋めるための堅実なローテーションプレイヤーとなるかもしれない。

76ersにはさらなるビッグネームを狙いにいくだけの資産がある。だがおそらく、選択肢を残しておくために、もっと小さい動きに落ち着くだろう。彼らは夏にマックス契約の選手を獲得するための十分なキャップスペースをとどめておきたいと望んでいる。ブラウンはその目標を満たしつつ、チームを向上させられる選手だ。

取引するにしても、76ersが失うのは大きくないドラフト資産と契約満了を迎える選手だけだろう。マーカス・モリスSr.とフルカン・コルクマズ、いくつかの2巡目指名権ではないか。また、76ersにはケニオン・マーティンJr.やジェイデン・スプリンガーなど、ローテーションに含まれておらず、取引に組み込まれるかもしれない魅力的な若手有望株たちがいる。

2. オクラホマシティ・サンダー

サンダーには2024年の1巡目指名権3つと2巡目指名権など、最大37のドラフト指名権がある。

想定よりもうまくいっており、プレイオフでの躍進も狙えるだけに、新たなローテーションプレイヤーをロスターに加えるのは理にかなっているかもしれない。ブラウンはスクリナーとしても優れており、ピック&ロールのローラーや守備のスイッチという点で、サンダーガード陣の攻撃と守備の哲学にフィットする可能性がある。

サンダーはダービス・ベルターンスがローテーションに入っていない。身体能力が高いウスマン・ジェンや、ポイントガードのトレイ・マンのような若手有望株とともに、ベルターンスがサラリーを合わせるのに使われる可能性はあるだろう。取引のバランスをとるためのドラフト指名権に関しては、サンダーには多くの選択肢がある。

1. ニューヨーク・ニックス

『SNY』のイアン・ベグリー記者によると、ニックスにはブラウン獲得を望む声があるという。夏にFAだった時にも面談しているが、ペイサーズにビッグオファーで引き抜かれた。

ブラウンはトム・シボドー・ヘッドコーチが好むタイプだ。コーチが求めるあらゆる役割を担える、優れたディフェンダーである。2番手のボールハンドラーとして、そして守備でより厳しい相手を担当することで、ジェイレン・ブランソンの負担を軽減するのに役立つかもしれない。

『New York Post』のステファン・ボンディ記者によれば、ニックスはクエンティン・グライムズを放出しようとしている。ラプターズがかなり必要としているショット力をもたらせる優れた有望株だ。

また、ニックスはこの2年でローテーションから外れたエバン・フォーニエも放出しようとしている。来季は1890万ドル(約27億9720万円)のチームオプションという契約で、おそらくそのオプションは破棄されるだろう。サラリーに関しても、フォーニエとグライムズでブラウンと合わせられる。

OG・アヌノビーのトレードの一環でニックスが手にしたばかりの31位指名権など、トレードをまとめるうえでバランスをとるための指名権もある。あらゆるオプションの中で、最も理にかなう移籍先だ。

原文:Will the Raptors keep Bruce Brown Jr.? Ranking potential trade destinations, including Knicks, Thunder and 76ers(抄訳)
翻訳:坂東実藍

[AD] NBA見るならWOWOW! 毎週7試合ライブ配信、注目の5試合を実況・解説付きで生中継!

Stephen Noh

Stephen Noh Photo

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。