ブロニー・ジェームズはNBAドラフトで指名されるのか? モックドラフト(予想)の現状

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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レブロン・ジェームズの息子ブロニーが4月5日(日本時間6日)、NBAドラフト2024へのエントリーとトランスファーポータル入り(転校意思)を表明した。

ドラフト挑戦を表明したからといって、ドラフトで指名されるという意味ではない。選択肢を試しているだけという可能性もある(そしてその可能性は高い)。表明することでワークアウトを行い、来季に向けて取り組むべきことについてNBA関係者からの評価を受け、大学に戻ることができる。

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一方で、ブロニーがドラフトに残ることを決めた場合、どれくらいの順位で指名されるかは興味深い問題となるだろう。ここではそれをまとめていく。

ブロニー・ジェームズの株はNBAドラフト2024予想で急落

開幕前、ブロニーは大半のモックドラフト(予想)で1巡目指名の有望株だった。

その展望に変化があったのは、夏のワークアウト中に心停止に見舞われてからだ。これにより4か月を逃すことになった。大きく出遅れたことも、平均19.3分間出場の4.8得点、2.8リバウンド、2.1アシストという数字にとどまった一因だ。ショットはフィールドゴール成功率36.6%、3ポイントショット成功率26.7%、フリースロー成功率67.6%だった。

これらの数字が、NBAドラフトでの指名が見込まれる選手の典型でないことは明らかだ。大学レベルでも今季のブロニーは良くなかった。おそらくドラフトに入らないという見込みから、大半のモックドラフトで指名予想から完全に外れている。

ただそれは、ブロニーが魅力的な有望株と見なされていないという意味ではない。2025年のドラフト予想にはすでに名前が出ている。『ESPN』では2025年の39位指名と予想された。

ブロニー・ジェームズはドラフトで指名されるのか?

ブロニーがドラフトで指名されるかは、父親レブロンが以前に示したように親子セットの獲得になると各チームが信じるかどうかによるところが大きい。

レブロンは2022年に『The Athletic』で「ラストイヤーは息子とプレイする」と話していた。

「ブロニーがどこにいようと、それが自分のいる場所だ。息子と一緒に1年を過ごすために必要なことは何でもする。そこで大切なのはお金じゃない」

だが最近、レブロンはその考えを少し改めた。将来について決断するときは、「ブロニーはブロニー自身」だと報道陣に述べている。

ロサンゼルス・レイカーズの指名権は55位。レブロンが本気でブロニーと一緒になるつもりなら、レイカーズがこの順位で指名するのは理にかなっている。

もしもブロニーの名字が違うもので、レブロンとの関係がなく、自分自身の功績だけに基づいてドラフトに臨むとしたら、おそらくは2巡目の下位指名だろう。あるいは指名外になる可能性が高い。

高校では優れた身体能力とショット力を示した。だがシンプルに、その生産性とポテンシャルはことしのドラフトに臨むほかの選手たちと比較にならない。

大学キャリアは冴えなかったが優れたプロになったNBA選手たちもいる。例えば、UCLAでの1年目に平均3.4得点だったラッセル・ウェストブルックだ。彼はもう1年待ってからドラフトに臨み、全体4位で指名された。おそらくこれが、ブロニーが選ぶべき道だろう。

1年目シーズンの出来が良くなかったからといって、将来的なNBA入りが閉ざされるわけではない。ただ、そのためにはもっと多くを示す必要がある。これからドラフトまでのワークアウトで本当に驚かせることができれば、もっと良い順位で指名される可能性は増すかもしれない。だが、現状ではせいぜい、ドラフトの最後の最後に指名されるかどうかだ。

ブロニーはドラフト指名外からフリーエージェントになる可能性も?

どのチームが狙ったとしても、ブロニー本人は2巡目終盤で指名されるより、指名外となるほうを望む可能性が高い。

2巡目終盤で指名されるほどの選手は、指名外のほうを望むことが多い。自分で運命を選ぶことができるからだ。直近の例がレイカーズのオースティン・リーブスである。ブロニーも同じ道を追うかもしれない。

レブロンは息子とプレイしたいと強く望んでいる。指名外なら、レイカーズは55位指名権を違う有望株に使いつつ、それを実現させることが可能となるだろう。

2巡目終盤での指名をチームに思いとどまらせるには、非常に力強いエージェントが必要だ。ジェームズ親子のどちらも担当する『Klutch Sports』が、そういったエージェントなのは確かだろう。リッチ・ポールCEOは、ESPNのジェレミー・ウー記者のインタビューでそれをほのめかしている。

「若手がロッタリー指名となるより、適切なチームで正しく成長できる状況にするほうを重視する」

ブロニーが次のレベルで成功するためには、うまくフィットする必要がある。南カリフォルニア大学と違い、ボールを持った時の練習で成長させることに投資するチームでなければならない。やるべきことがたくさんあるのは明らかだ。

彼の長期的な成功にとって重要となるのは、自分の運命をコントロールし、選手育成に優れた場所に行くことだ。

原文:Will Bronny James get drafted? Making sense of NBA mock draft projections after disappointing 2024 season(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。