ブロニー・ジェームズのドラフト予想:父レブロンとの共演注目の加入先候補は?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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NBAドラフトコンバインで力強いパフォーマンスを披露し、ブロニー・ジェームズはNBAドラフト2024にとどまるために、残りの大学での資格をあきらめるようだ。

ブロニーを巡る話題の大半は、父レブロンがどのチームで息子と一緒になるかということだろう。直近ではフェニックス・サンズの話題もあった。一方で、ブロニーのスキルセットから、どのチームが最も理にかなうのかはあまり騒がれていない。

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ここでは、ブロニーが活躍できる可能性のあるチーム、いずれ貢献するための最大のチャンスとなり得るチームをまとめる。

ブロニー・ジェームズのスカウティングリポート

ブロニーにはNBA選手になる上で多くのアドバンテージがあった。だが、そのスキルは確かなものであり、正真正銘の若手有望株だ。身体能力が高く、高校時代はショットも良かった。決定的なパスを出せる、フィーリングの良い選手だ。

ブロニーの名刺代わりとなるのは、ディフェンダーとしての力だろう。6フィート7インチ(約201センチ)のウィングスパンで、これはオールディフェンシブチーム選出2回のエイブリー・ブラッドリーと同じ数字だ。それらを生かしてボールに対して堅実で、スクリーンをかいくぐるのがうまく、何より大事なことに、守備への意識が高い。

ほかの有望株がスーパースターたちと自分を比較する一方で、ブロニーはドリュー・ホリデーの名前をあげた。見習いたい選手には、デイビオン・ミッチェルとデリック・ホワイトをあげている。3人とも素晴らしいディフェンダーたちだ。チームの攻撃の中心ではない。ブロニーは自分の役割が何になるかを分かっている。それは成功する上で重要となるだろう。

かつて、アレックス・カルーソはポッドキャスト『The Old Man and the Three』で、JJ・レディックに「Gリーグで選手たちが行き詰まる大きな理由は、自分たちが目指すポジションを理解していないからだ」と話している。

「仕事の面接に行き、自分が会社のCFOになるものと思っていたが、会社が求めていたのはトイレ清掃員だったというようにね」

カルーソは2016年のドラフト指名外だったが、守備に取り組むことで素晴らしいキャリアを築いてきた。ブロニーもNBAで成功するために同じことをしなければならない。

では、守備を第一とし、攻撃ではボールを動かし、3ポイントショットを放つのが役割となるガードとして、ブロニーはどのチームで活躍できるだろうか。最も理にかなう加入先は、以下のチームだ。

Bronny James, LeBron James
(Getty Images)

ブロニー・ジェームズの加入先候補

ロサンゼルス・レイカーズ

もちろん父親のことを筆頭とする様々な理由から、最も可能性が高い加入先がレイカーズなのは変わらない。レイカーズには、ブロニーが予想されている順位に近い全体55位の指名権がある。

レイカーズでのフィットは理にかなっている。昨季、西地区決勝まで勝ち進んだチームにデニス・シュルーダーがもたらしていた、相手の攻撃の起点を守る力はなくなった。ディアンジェロ・ラッセルを残すのであれば、プレイオフでは引き続き標的とされるだろう。

ブロニーは良いペースチェンジととなり、フロアを広げて、チームにとってもっと良い選択肢となるかもしれない。

フェニックス・サンズ

サンズが今季のプレイオフでファーストラウンド敗退に終わったのは、ベンチの層の薄さからだ。サンズはセカンドエプロン(※エプロンは例外条項などの制限を決定する基準額)を上回る見込みで、新選手と契約するにはミニマム契約やドラフト指名しかない。

今季のサンズは守備がリーグ13位と平凡だった。3P試投も25位だ。ブラッドリー・ビールのトレードの一環で加入したジョーダン・グッドウィンは、2番手となるプレイメークや守備での貢献が期待されていた。だが、波に乗ることがなく、シーズン半ばにトレードされている。ブロニーはそのタイプの選手としてもっと良い答えとなるかもしれない。

両者の間に関心はある。サンズはレイカーズ以外で唯一、ブロニーがワークアウトに同意したと言われているチームだ。指名権は1巡目の全体22位のみ。ブロニーにとって手の届く範囲だろう。また、2巡目下位の指名権をトレードする選択肢もある。

マイアミ・ヒート

ヒートの厳格なやり方は、どの選手にも合うものではない。ヒートで成功するためには、タフで強い気質の選手でなければならないのだ。ブロニーがすでにこれまで耐えてきた批判のことを考えれば、ヒートの選手らしい気質の強さを持つことは明らかだろう。

選手育成に関してヒート以上のチームはない。数え切れないほどのダイヤモンドの原石を磨いてきた。エリック・スポールストラ・ヘッドコーチは常に選手のベストを引き出す方法を見つけ出す。

ブロニーはタイラー・ヒーローやダンカン・ロビンソンのような、自分よりも優れたスコアラーたちと一緒にうまくプレイできるだろう。守備でより厳しい仕事を請け負うことで、彼らの弱点をカバーできる。相手の攻撃の起点を守るブロニーの力は、バム・アデバヨと極めて相性が良いはずだ。

ヒートはドラフトで全体43位指名権を持つ。そこでブロニーを指名できるかもしれない。

ダラス・マーベリックス

マーベリックスはNBAドラフト2024の最下位となる全体58位の指名権を持つ。彼らはルカ・ドンチッチを中心に、守備と3Pが優れた選手を見つけて素晴らしいチームを築いてきた。ブロニーのスキルセットにはうまくフィットすると思われる。

マーベリックスにはすでにブロニーと似たタイプの選手がいる。2020年に指名したジョシュ・グリーンだ。ルーキーシーズンは3P成功率16.0%とひどかったが、ここ3シーズンで38.7%に向上している。チーム内のローテーションで良い位置を手にしてきている。

ジェイソン・キッドHCも優れた指揮官として評価されるようになった。ミルウォーキー・バックスではウィングスパンが同じマイケル・カーター・ウィリアムズというガードを指導し、守備のスペシャリストにした。ウィングスパンを生かした非常にアグレッシブなカバーで多くのスティールを記録したのだ。ブロニーに対しても同じことができるかもしれない。

原文:Bronny James NBA Draft projection: Lakers, Suns, Mavericks lead best landing spots for LeBron's son in 2024(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。