なぜレブロンの息子ブロニー・ジェームズはNBAドラフト2024の予想から外れた?

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坂東実藍 Miran Bando

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レブロン・ジェームズの息子ブロニーが4月5日(日本時間6日)、NBAドラフト2024へのエントリーとトランスファーポータル入り(転校意思)を表明した。

これにより、ブロニーに当てられるスポットライトはさらに輝きを増す。ことしのドラフトで指名されるかが話題となるからだ。

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父レブロンは2月、『ESPN』のNBAモックドラフトでブロニーが2024年ではなく2025年に指名されると予想されたことにX(旧ツイッター)で反応していた。

レブロン・ジェームズは「みんな頼むから、とにかく子どもらしく、大学バスケットボールを楽しませてやってくれ」と投稿した。その後、投稿は削除されている。

レブロンはNBAの舞台で息子と一緒にプレイしたいという希望を公にしてきた。39歳という年齢ながらなおオールスター級のパフォーマンスを見せているレブロンの時代はまだ終わっていない。だが、2024-2025シーズンのプレイヤーオプションを破棄すればオフシーズンに無制限フリーエージェントになれるという現在の契約から、息子がプロに転向すれば一緒になることもあり得る。

唯一の問題は、USCでのブロニーの1年生シーズンが、その道に向かうかを明確にしなかったということだ。

ブロニー・ジェームズのスタッツ

19歳のブロニーは昨年夏、ワークアウト中に心停止状態となり、4か月の中断を余儀なくされた。復帰後も、最初の4試合で出場時間制限があった。

調子を取り戻してからも、ブロニーとUSCにとっては荒れたシーズンとなった。チームは通算15勝18敗。Pac-12・カンファレンスで8勝12敗と9位の成績だ。

ブロニーは自分の力を示すために望んでいたほどの機会を得られなかった。シーズンの大半でベンチスタートになり、スーパーシニアのブギー・エリスや、2023年の高校ナンバーワンだったアイザイア・コリアーの後塵を拝している。両選手がケガで欠場した時も、ブロニーはより大事な役割で輝くチャンスを生かすことができなかった。

ブロニーはボールハンドラーとしてプレイをつくるだけの自由がなく、3&D(3ポイントショットと守備)タイプの選手となった。ショットも芳しくなく、ショットクリエイトのスキルも示せていない。プレイタイムも不安定で、今季は本当にリズムをつかむことがなかった感じだ。

ブロニーが二桁得点をあげたのは、25試合のうち3試合のみ。5アシスト超は4試合、複数スティールが5試合だ。複数の3P成功を記録したのは3試合だけで、いずれも2本までにとどまっている。

ブロニーのスタッツは以下のとおりだ。

ブロニー・ジェームズのUSCでのスタッツ
  2023-24
出場試合 25(先発6)
平均出場時間 19.3
フィールドゴール成功率 36.6
3ポイントショット成功率 26.7
フリースロー成功率 67.6
平均得点 4.8
平均リバウンド 2.8
平均アシスト 2.1
平均スティール 0.8
平均ブロック 0.2

ブロニー・ジェームズのドラフト展望

  • NBAドラフト2024:2巡目指名
  • NBAドラフト2025:1巡目指名

1試合平均4.8得点で、大学生活1年でNBA入りするだけの力を見せていないとはいえ、ブロニーがNBAドラフト2024に残った場合、2巡目で指名するチームがあっても、驚くことはないだろう。

FAになった場合にレブロンを獲得するチャンスが高まるからだけではない(もちろんそれもひとつの要因だが)。完全なるタレントが不在のドラフトだけに、史上最高選手の息子を獲得し、奇妙な大学での1シーズンを経てポテンシャルを完全に解き放つことに期待するチームもあり得る。

ただ、裏を返せば、大学での2年目シーズンに臨むほうがより論理的な選択肢ということでもある。トランスファーポータル入りしたことで、自分のポテンシャルに最大限にフィットする可能な限り最高のロスターと指導陣を求めることができる。

また、昨年は心臓の問題があったが、今季はプレシーズンをフルに活用してトレーニングできる。ドラフト前のプロセスでNBAのスカウト陣から得た評価もそこで生かすことが可能だ。

原文:Bronny James mock draft: Why NBA experts project LeBron James' son won't be picked in 2024(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Kyle Irving

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You read that wrong – not Kyrie Irving. From Boston, graduated from the University of New Hampshire. Sixth season as a content producer for NBA.com's Global editions. Covering the NBA Draft has become his annual "dream come true" moment on the job. Irving has a soft spot for pass-first point guards, with Rajon Rondo and Steve Nash being two of his favorite players of all time.

坂東実藍 Miran Bando

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。