レブロン・ジェームズの息子ブロニーが4月5日(日本時間6日)、NBAドラフト2024へのエントリーとトランスファーポータル入り(転校意思)を表明した。南カリフォルニア大学(USC)での1年目シーズンのスタッツを見る限りは、驚きかもしれない。
ボックススコアをひと目見ただけでも、ブロニーが苦しんだことは明白だ。ただ、その背景に情状酌量の余地がある普通ではない状況があったことも確かである。また、1年目のシーズンが良くなかったといって、それが終わりの前兆というわけでもない。
ここでは、ブロニーのスタッツからうかがえることをまとめた。
ブロニー・ジェームズのスタッツ
ブロニーは夏のワークアウト中に心停止に見舞われ、1年目のシーズンがすぐに予定外のものとなった。非常に深刻な出来事であり、最初の4か月を失うことになったのだ。
また、USCでの役割もさらにスタッツに響いた。ほかに多くの有望選手たちがいたのだ。平均19.3分間出場はチーム9番目の数字だった。先発出場は25試合のうち、わずか6試合にとどまっている。
高校時代のブロニーは、ボールを持ってつくり出すことができるところをうかがわせていた。理解度が高く、優れたディフェンダーでもあったのだ。ショット力でクローズアウトに対抗し、守備を崩して、チームメイトたちが素晴らしいショットを打てるようにお膳立てしていた。
それらすべてが、USCでは消えてしまった。ショットは完全に低調で、そのほかの特徴も崩れていったのだ。ボールを持ってプラスの感覚を生かすだけの多くの機会が与えられることもなかった。
シーズンを通じてのスタッツは以下のとおりだ。
試合 | 25 |
平均出場時間 | 19.3 |
フィールドゴール成功率 | 36.6 |
3ポイントショット成功率 | 26.7 |
フリースロー成功率 | 67.6 |
平均得点 | 4.8 |
平均リバウンド | 2.8 |
平均アシスト | 2.1 |
平均スティール | 0.8 |
平均ブロック | 0.2 |
ブロニー・ジェームズとNBA選手の比較
ブロニーのスタッツが、NBAの有望選手の典型的な数字でないことは明らかだ。例えば、チームメイトのアイザイア・コリアーを見てみよう。ロッタリー指名が予想される彼は、平均16.5得点をあげている。ブロニーは平均4.8得点だ。
だが、大学1年生のシーズンが良くなかったが、NBAで優れたガードになった選手たちは少なくない。以下のとおりだ。
選手 | FG成功率 | 3P成功率 | 平均得点 |
---|---|---|---|
ウェスリー・マシューズ | 38.9 | 43.8 | 9.0 |
ドリュー・ホリデー | 45.0 | 30.7 | 8.5 |
カイル・ラウリー | 42.1 | 22.7 | 7.5 |
ドノバン・ミッチェル | 44.2 | 25.0 | 7.4 |
クリス・ミドルトン | 52.3 | 32.4 | 7.2 |
テリー・ロジアー | 40.1 | 37.1 | 7.0 |
ブロニー・ジェームズ | 36.6 | 26.7 | 4.8 |
ラッセル・ウェストブルック | 45.7 | 40.9 | 3.4 |
ドリュー・ホリデーを除き、これらの選手たちに関して重要なのは、大学に少なくとももう1年残ったという点だ。それにより、彼らは弱点に取り組み、向上して、素晴らしいNBAキャリアを送っている。
直近の例をあげるなら、NBAドラフト2022でデンバー・ナゲッツ30位指名し、堅実なローテーションプレイヤーとなったペイトン・ワトソンだ。UCLAでの1年間で、彼は平均3.3得点、フィールドゴール成功率32.2%というスタッツだった。
ワトソンは6フィート8インチ(約203センチ)の身体能力が優れたウィングで、ブロニーは6フィート4インチ(約193センチ)のガードだ。同格の比較とはならない。それでも、1年目の出来よりもポテンシャルのほうが重要になり得ることを示している。
自分にコントロールできなかったことも一因となり、ブロニーが極めて難しいシーズンを過ごしたということに議論の余地はない。ドラフト挑戦とトランスファーポータル入りを表明し、これから彼はどこかでフレッシュなスタートを切ることになる。このような平凡な数字を続けるとは思えない、優れた有望選手なのだ。
まだブロニーを除くには早い。カイル・ラウリーやウェスリー・マシューズと同じ道をたどり、NBAの優れたチームで相手にとって厄介なディフェンダーやショットを決める選手となる可能性はある。
原文:Bronny James college stats: Why NBA is still a realistic goal after freshman year struggles at USC(抄訳)
翻訳:坂東実藍
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