ドマンタス・サボニスは足底筋膜炎の治療でロサンゼルスにいる。すぐにシーズン再開の地オーランドに戻り、チームメイトたちに再合流することはないようだ。それは、インディアナ・ペイサーズが近い将来に現有戦力でやり繰りしなければいけないことを意味する。つまり、いくつか変更があるということだ。
最も明白なのは、アーロン・ホリデーがサボニスに代わって先発ラインナップに入るということだ。そして、より小柄なラインナップに全員が適切に適応するということだ。マイルズ・ターナーは4番から5番に、T.J.・ウォーレンは3番から4番に、マルコム・ブログドンはポイントガードのままだが、もっとボールを持たない動きとなる。
今季のチームで唯一オールスターに出場した選手を失った影響を否定する者はいない。サボニスは大差をつけてチーム最高のリバウンダーだったし、わずかな差ではあるがチーム最多スコアラーで、攻撃の流れを円滑にする有能で協力的なパサーでもあった。7月27日(日本時間28日)、サボニス不在のチームへの影響を問われたネイト・マクミラン・ヘッドコーチの口から「なんてこった」と漏れたのが本音だ。
しかし、ペイサーズのスターターたちは26日(同27日)のダラス・マーベリックス戦で、試合の大半を通じてシャープだった。28日(同29日)のサンアントニオ・スパーズとの最後の練習試合、そして8月1日(同2日)のフィラデルフィア・76ersとのシーズン再開初戦に向け、それは希望の兆しだ。
ブログドンは「僕たちには、サボニスとは違うことをして補える選手たちがいる」と話した。
「彼の代わりとなるのが僕たちの目標じゃない。僕たちにそれはできない。でも、もっとシュートを打つことはできる。これからはもっとボールハンドラーがいて、ペネトレーションを増やせる。もう少しうまく、コートを広く使えるんだ。違う強みで戦うことができる」。
ペイサーズにはスモールボールで戦うしか選択肢がない。不在となる主力はサボニスだけではないからだ。マクミランHCによると、新人ゴガ・ビタゼはまだチーム練習合流まで2週間かかる。控えセンターを務めるのは、ジャカール・サンプソンとTJ・リーフとなる。
成功への最大の要因となるのが、ブログドンとビクター・オラディポのケミストリーだろう。チーム有数のバックコートのコンビネーションとなるポテンシャルは確かだ。ブログドンは3シーズン前のNBA新人王で、オラディポは2シーズン前のオールスター出場選手。ともに完成された選手だ。
2人が一緒に出場したのは、今季わずか10試合。ともに先発出場したのは7試合だ。最初の3試合でチームは敗れたが、その後の4試合は勝利した。初めてのデートから、カップルのようになっていった。マーベリックスとの練習試合でも相性の良さを見せ、ブログドンは17得点、7リバウンド、6アシスト、オラディポは16得点、7リバウンド、3アシストを記録している。
オーランドでシーズンが再開したら、ペイサーズにはこれらのすべてが必要となる。
マクミランHCは「フロア上の時間が鍵だ」と話した。
「それをスピードアップすることはできない」。
オーランドで練習が始まった時も、マクミランHCはそれを願っていた。だが、COVID-19(新型コロナウイルス)の検査で陽性となり、隔離から戻ってきたばかりのブログドンは、最初のいくつかの練習に参加できなかった。それでも、マクミランHCは練習試合で2人をできるだけ早く組ませている。短期集中コースだ。合コンのようなものである。
ブログドンは「(マーベリックス戦で)僕たちは大きく前進した」と話した。
「明日はさらに大きく前進できると思う。お互いのプレイを理解し、自信を深めていくだけだ」
「もっと早く一緒にプレイするほど、オラディポも良くなっていく。彼自身、素晴らしい選手だけど、同じテンポでプレイでき、早くボールを運べるポイントガードがいれば、ハーフコートで彼のためのプレイをデザインできる。彼がそのスピードと運動能力を生かし、ベストを発揮できるはずだ」。
原文:Backcourt Chemistry Key to Smaller Lineup by Mark Montieth/Pacers.com(抄訳)