快適な自宅や家族、友人といる安心から遠く離れることは、誰にとってもストレスになり得る。世界的なパンデミックとあればなおさらだ。
3月11日(日本時間12日)、NBAの2019-20シーズンが突然、衝撃的に停止となった時に、オクラホマシティ・サンダーはNBAや世界にCOVID-19(新型コロナウイルス)が現実かつ深刻であり、大型イベントの閉鎖が必要であることを伝える前線・中心にいた。
ユタ・ジャズとの試合で最初にボールに触れるはずだったのが、スティーブン・アダムズだ。だが、NBAがシーズンを長期間停止させると分かると、アダムズは大西洋と赤道を渡り、母国に帰った。
いつものように陽気に戻る前に、アダムズは「世界的な危機の時に家族のそばにいたいと望むのは、すべての人が最初に感じる本能だ」と話している。
「リラックスできたよ。農場でそこの仕事をし、少しの間、農夫みたいに少し日焼けした」。
アダムズはほとんどタウランガかウエリントンの郊外にある農場にいた。ソーシャルディスタンス措置や公衆の場における安全予防策が取られていた場所だ。ニュージーランドに帰国してから14日間は隔離が必要だった。
アダムズは「ニュージーランドには本当に優れた保健制度がある」と話した。
「だいたいニュージーランドの人間は規則に従順なんだ。全体的にニュージーランドの人たちはよくやった。僕たちはより小さな国だしね」。
アメリカやその他の国にいた選手たちがジムに行けなかったが、アダムズは多くのピックアップゲームで調子を保とうとすることができた。ただ、スクリーンやボックスアウト、フィジカルを使ったプレイが主となるアダムズが、流れを取り戻すにはしばらく時間が必要だろう。短いピックアップゲームを除けば、大半の仕事は家畜たちがいる農場の屋外でこなしていたのだ。
アダムズは「牛たちをボックスアウトしていたよ」と冗談を飛ばした。
オーランドに向かうまで、サンダーやその他のNBAチームは練習施設で距離を取ったワークアウトを続けている。オーランドに着いてからは、40勝24敗というレギュラーシーズンの記録につながったコート上での団結を築くことが大切だ。
アダムズは「ただ試合をしてプレイすることもできる。でも、チームとして団結し、正しいタイミングでプレイやカバーなどをするのはまったくの別物だ」と述べた。
「それは本当にコンディションとかじゃない。もっとチームのケミストリーとか、チームとしていかに団結してやっていけるかなんだ」。
アダムズは「それをすぐにできたチームが力強くやれるだろう。僕はウチのチームに期待している」と続けた。
「僕たちのチームはそういうところが比較的うまくやれてきた。団結を保ってね」。
停止前とまったく同じように戻るのは、「言うは易く行なうは難し」だ。試合が始まれば、動きやパス、コミュニケーション、試合中の規律などがすべて重要となる。来週、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートで練習が始まってから、それらを取り戻せるようになるのがチームの願いだ。
アダムズを含めた全選手が、新しい生活様式に慣れなければならない。外の世界とのつながりが制限され、プレイオフまで家族と会うこともできない。オクラホマシティでの普通の生活とはまったく違う感じになると知るアダムズは「これはまた、まったく異なる困った事態だよ」と話した。
原文:Back on the Farm: Steven Adams’ Hiatus Experience by Nick Gallo/Thunder.com(抄訳)