オーストラリアを失速させてセルビアに逆転勝利をもたらしたニコラ・ヨキッチ|パリ五輪2024

Bryan Murphy

坂東実藍 Miran Bando

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8月6日に行われたパリオリンピック2024男子バスケットボールの準々決勝で、オーストラリア代表はセルビア代表を相手にこれ以上ないスタートを切った。パティ・ミルズとジョシュ・ギディーの速い攻撃はすべて決まり、一方で守備もニコラ・ヨキッチとセルビアを抑える、見事な前半としたのだ。

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オーストラリアは最大24点差をつけ、12点リードで前半を終えた。すべてがうまくいき、メダルを競う準決勝に向けて順調と思われた。

だが、そこで現れたのがヨキッチだ。

セルビアのセンターは、なぜ世界最高の選手と見なされているかを示してみせた。後半の猛反撃をけん引し、オーバータイムの末の95-90という勝利に導いたのである。デンバー・ナゲッツのスター選手は、21得点、14リバウンド、8アシスト、4スティールを記録。トリプルダブルに迫る活躍だった。

勝ち上がったセルビアは、8月8日の準決勝に駒を進め、アメリカ代表と対戦する。

一方、東京オリンピックでの銅メダルに続き、再び表彰台を目指していたオーストラリアにとっては、手痛い失速だ。ミルズやジョー・イングルズ、マシュー・デラベドーバといったベテランのスター選手たちは、これがオリンピックでの最後の試合となったかもしれない。

ここでは、ヨキッチがいかにセルビアを逆転勝利に導いたかをまとめる。

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セルビアに逆転勝利を許したオーストラリアの失速

序盤のオーストラリアは止めることができなかった。第1クォーターだけでミルズが12得点をあげ、ギディーが8得点。オーストラリアは31-17とリードした。さらに、第2Qも一時は24点まで点差を広げる。その後は、セルビアに勢いを取り戻されたが、12点差をつけてハーフタイムに突入した。

オーストラリアは前半を終えてヨキッチを11得点に抑え、セルビアのその他の選手には二桁得点を許さず。準決勝に向けて快調だった。

しかし、その点差がすぐに消滅してしまう。第3Q途中にボグダン・ボグダノビッチの3ポイントショットでセルビアが61-60と逆転したのだ。セルビアの攻撃が息を吹き返したのに対し、オーストラリアはターンオーバーを繰り返し、2点ビハインドで最終第4Qを迎えることになったである。

第4Qは互いに守備で奮闘し、セルビアが僅差を保って進む。しかし、第4Q終了間際にミルズがヨキッチ相手にショットを決めてタイスコアとし、オーバータイムに持ち込んでオーストラリアの希望をつないだ。

だが、オーバータイムはジョーカー(ヨキッチ)・タイムだった。

ヨキッチは延長戦でその両肩にセルビアチームを背負った。NBAでMVPを3回受賞した才能を示し、攻守両面で支配したのだ。90秒間でギディーのショットをブロックし、スティールを記録して、フックショットを成功させ、セルビアに1点のリードをもたらした。

そして残り25秒、ヨキッチは得意のソンボル・シャッフルでセルビアのリードを3点に広げ、オーストラリアにとどめを刺したのである。

ヨキッチはチームが最も彼を必要とする重要な局面で見事なパフォーマンスを披露した。その活躍でセルビアは1980年偉大となる金メダルに向け、夢をつなぐことができたのだ。

オーストラリア戦のニコラ・ヨキッチのスタッツ

最終スコア:セルビア 95-90 オーストラリア

  • 出場時間:38:34
  • 得点:21
  • リバウンド:14
  • アシスト:8
  • スティール:4
  • ブロック:1
  • フィールドゴール:18本中9本成功

原文:Inside Australia's collapse: How Nikola Jokic led Serbia comeback to upset Boomers in Olympics basketball quarterfinal(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Bryan Murphy joined The Sporting News in 2022 as the NHL/Canada content producer. Previously he worked for NBC Sports on their national news desk reporting on breaking news for the NFL, MLB, NBA and NHL, in addition to covering the 2020 and 2022 Olympic Games. A graduate of Quinnipiac University, he spent time in college as a beat reporter covering the men’s ice hockey team.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。