【バスケW杯】得点せずともアメリカの脅威と示したアンソニー・エドワーズ|FIBAワールドカップ2023

Scott Rafferty

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アメリカ代表は8月13日(日本時間14日)、FIBAバスケットボールワールドカップ2023に向けて初と言える試練に直面した。

プエルトリコ戦、スロベニア戦と快勝していたアメリカだが、スペインとのエキシビションマッチでは、第3クォーターを終えてわずか1点のリード。その後も一進一退の攻防が続いたが、最後はミネソタ・ティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズが終盤に連続5得点をあげるなどし、スペインの望みに終止符を打った。

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アメリカがワールドカップで優勝するためにエドワーズがクローザーとして必要な理由を示したのが、彼の連続得点後にアメリカがあげた得点場面だ。

アメリカ代表のクローザーであるべき理由を得点せずに示したアンソニー・エドワーズ

プレイ

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分析

連続5得点を記録していたエドワーズは、ブランドン・イングラムからボールを受けると、6フィート4インチ(約センチ)の19歳のフアン・ヌネスを相手に勝負できるよう、ジャレン・ジャクソンJr.にスペースを空けるように指示する。

エドワーズは2022-2023シーズンのNBAで最も1on1が優れていた選手のひとりだ。得点は平均をわずかに上回るくらいだったが、アイソレーションからの得点は、ルカ・ドンチッチやシェイ・ギルジャス・アレクサンダーがけん引したリーグランキングで7位だった。

Anthony Edwards vs. Spain (1)
(InStat)

スペインはマンツーマンだったが、ほかの4人のディフェンダーはエドワーズの狙いを理解し、それぞれのマークから離れて寄せていく。さらにガードのダリオ・ブリスエラはトップにいたジェイレン・ブランソンから完全に離れ、ボールを奪おうとエドワーズにダブルチームを仕掛ける。

それを見たエドワーズは、賢くドリブルでダブルチームから遠ざかり、ブランソンとの間のスペースを大きくする。そしてブリスエラが完全にダブルチームに来るや、ボールをブランソンに託した。

Anthony Edwards vs. Spain (2)
(InStat)

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ブランソンは、エドワーズの逆サイドでコーナーからウィングに移動したミケル・ブリッジズにボールを振ろうとする。スペインがそのパスを読むと、ブランソンは無理をすることなく、ドリブルを始め、バスケットに向かう。

Anthony Edwards vs. Spain (3)
(InStat)

ブランソンはミッドレンジからのシュートが卓越している。そこで、ポゼッション開始時はエドワーズについていたが、この時ペイント内にいたヌネスが、ブランソンにショットを打たせまいとした。

しかし、それによってバスケットの下にいたイングラムへの道が開き、ブランソンからパスを受けたイングラムがダンクを決める。

Anthony Edwards vs. Spain (4)
(InStat)

さらに、エドワーズはブリスエラがボールを見ていることに気づき、コーナーに向かう。イングラムがあれほどオープンになっていなければ、エドワーズは簡単にオープンな3ポイントショットを打つことができたかもしれない。

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重要性

アメリカがラスベガスでのトレーニングキャンプに集まる前、我々はラストショットを担うべき選手は誰かを分析した。得票者は4選手だったが、複数票を獲得したのはエドワーズだけだ。

これは、大きな驚きではない。今大会に臨むアメリカのロスターには、我々が見慣れた一線級のタレントがいない。だが、エドワーズは昨季、自己最多の平均24.6得点をあげ、オールスター初選出を果たし、ダイナミックなスコアラーであることを証明したところだ。このチーム最高の選手と強く主張できる。

Jordan Greer記者はこう分析した。

サイズ、スピード、スキル、身体能力を見事に兼ね備えているエドワーズだが、それ以外にも彼には教えることが不可能な心構えがある。自分がボールを持てば相手は止められないと本気で信じているのだ。そして多くの場面で彼はそれが正しいと示している。

スペイン戦ではそれらを垣間見ることができた。エドワーズは9得点だったが、素晴らしいリバースレイアップや、試合で最も印象的なプレイとなった、3Pをブロックしてからのイージーダンクと、第4Qの彼の活躍が試合をアメリカに引き寄せたのだ。

ここで取り上げたポゼッションで、エドワーズは得点をあげたわけではない。だが、スペインを混乱させたのは、彼の得点の脅威だった。このように相手の注意を引きつけることができるのは、アメリカのロスターに数選手しかいない。エドワーズはそのひとりなのだ。

原文:Timberwolves' Anthony Edwards shows why he should be Team USA's World Cup closer without actually scoring(抄訳)

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Scott Rafferty

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Scott Rafferty is an experienced NBA journalist who first started writing for The Sporting News in 2017. There are few things he appreciates more than a Nikola Jokic no-look pass, Klay Thompson heat check or Giannis Antetokounmpo eurostep. He's a member of the NBA Global team.