ブレイザーズの選手として初のスラムダンク王者に輝いたアンファニー・サイモンズ「夢みたい」

YOKO B

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3月7日(日本時間8日)、NBAオールスター2021の『第36回AT&Tスラムダンク』(スラムダンクコンテスト)がジョージア州アトランタのステイトファーム・アリーナで開催され、ポートランド・トレイルブレイザーズ3年目のアンファニー・サイモンズが初優勝した。

サイモンズは決勝ラウンドでニューヨーク・ニックスのルーキー、オビ・トッピンを破り、ブレイザーズの選手として初めてダンクコンテスト優勝を飾り、「夢みたいだ」と語った。

サイモンズは、第1ラウンドから自分の強みである跳躍力を活かしたダンクを見せる。

第1ラウンドの1本目は、バックボードのサポートエリアの白線の高さに器具を取り付けてボールを置き、191cmという一般的なガードの身長ながら高い跳躍力でそのボールを掴み、シンプルなダンクを決めて46点を獲得した。2本目は、トレイシー・マグレディのトロント・ラプターズ時代のジャージーに着替え、スリーシックスティ(360度回転)のトリビュートダンクを成功させて49点を獲得し、合計95点で決勝ラウンド進出を決めた。

決勝ラウンドでは、ゴール左サイドからボールを大きくバウンドさせ、またもリングの上に頭が出るほどのジャンプ力を見せつけて、リングにキスをするような仕草をしながら掴んだボールをゴールに叩きつけた。

今年のルールでは、決勝ラウンドに進出した2選手がそれぞれ1本のダンクを披露し、5人の審査員(歴代のスラムダンク王者)がどちらのダンクがより優れていたか審議し、勝者の名前を書いたカードを揚げて発表することになっていた。サイモンズとトッピンのダンクを5人の審査員が審議した結果、3対2でサイモンズに軍配が上がり、2021年のスラムダンク王者となった。

決勝ラウンドでサイモンズのダンクを支持したのはドミニク・ウィルキンズ、ジェイソン・リチャードソン、ディー・ブラウンの3人、トッピンの投票したのはスパッド・ウェッブとジョシュ・スミスだった。

決勝でサイモンズに敗れたトッピンは、第1ラウンドの1本目でゴール右側から走り込み、ボールを両足の間でワンバウンドさせてからのリバースダンクを成功させて48点を獲得。2本目は、チームメイトのジュリアス・ランドル(203cm)と自身の父親をゴール下に立たせ、2人を飛び越えて豪快なワンハンドウィンドミルを決めた。1度で成功しなかったためか46点に終わったものの、合計94点で決勝ラウンドに進んだ。

決勝ラウンドでは、中央から走り込み、股の間を通しながらの豪快なワンハンドダンクを決めたが、惜しくも1回で成功させることができず、審査員5人から2票を得るにとどまった。

第1ラウンド敗退となったキャシアス・スタンリー(インディアナ・ペイサーズ)は、1本目で股抜きからのワンハンドダンクを決めて44点を獲得した。2本目は跳びながら両足の下にボールを通してからのダンクにトライするも2度失敗して作戦を変更。そこから、高く弾ませたボールを高いジャンプで掴んで叩き込むダンクを2度目で成功するも37点と得点が伸びず、合計81点に終わった。

以下、優勝したサイモンズのコンテスト後に行なわれた記者会見の質疑応答の一部を抜粋。

――最後のダンクでは、リングにキスをしようとしたのですか?

そうなんだ。100%そのつもりだった。キスできるくらい近づこうとしたんだけど、頭をリングに打ちたくなかったんだ。だから、とにかく近づけるだけ近づいて離れるようにした。

――そのアイデアはどこから思いついたのですか? 過去にもいろんな人がそういう話をしていましたが、やってみようと思ったのはなぜですか?

ちょっとクレイジーなアイデアを検討していて、実際は冗談でそういう話をしていて、ジャンプしてリムにキスしてダンクしてみたらどうだろうって話になったんだ。で、よし、じゃあ今回やってみようってことになったんだ。誰もやったことがないし、ユニークでクリエイティブだからね。

――スラムダンク王者になってどんな気持ちですか? 夢が叶った気分ですか?

それはまさにそうだね。ダンクコンテストをずっと見て育ってきたけど、ダンクコンテストはオールスターウィークエンドの中でもオールスターゲームに次ぐメインイベントのひとつだし、それに参加できる機会をもらえて勝てたなんて夢みたいだよ。

――ポートランド・トレイルブレイザーズで初のスラムダンク王者になったことについてはどう思いますか?

え? 僕が最初なの? それはすごいや。最初だなんて知らなかった。素晴らしいことだね。僕らのチームにはダンクコンテストに出たことのある選手が何人かいて、みんな素晴らしいダンカーだから、僕が最初の優勝者だってことは本当にありがたいことだね。


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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。