ウィザーズでの試練に挑むラッセル・ウェストブルック

Sekou Smith/NBA.com

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ビジネスとしてバスケットボールに長く携わっているラッセル・ウェストブルックは、結果が全てということを知っている。誤魔化しなど一切通用しないということも――。

移り変わりの早いNBAで12シーズンもプレイし、リーグを代表する選手にまで自身を成長させたものを、彼はワシントンにもたらそうとしている。

止まることを知らないインテンシティ、衝撃的なプレイ、凄まじいスピードと爆発力、闘志をむき出しにする姿勢、コートでは自分と異なるユニフォームを着ている選手に友人などいないという考え方、コミュニティとの深い関係、コート外で周囲に与えられる影響など、これら全てをバッグに詰め込んで彼はやって来た。

ジョン・ウォール、保護条件付きのドラフト1巡目指名権とのトレードにより、ウェストブルックは13年目のシーズンを新天地で迎える。12月5日(日本時間6日)の会見で、彼は慣れ親しんだ0番ではなく、NBA入りする以前に着けていた4番のジャージーとともに新たなキャリアを始めると語った。

まだウィザーズの練習には参加していないが、ウェストブルックは、ブラッドリー・ビールを支え、球団がプレイオフ進出を逃した期間を2年で止める準備を整えようとしている。トレード成立後初めてのリモートでの会見で彼は「とても興奮している」と語った。

「ブラッドはスーパースターレベルのタレントだ。昨季も力を証明した。これからもっと良くなるよ。僕の仕事は、彼を支えて、もっと成長できるようにプッシュすること。そのために来た。彼の相棒として、より楽にプレイできるようにしてあげたい」。

ウィザーズのスコット・ブルックス・ヘッドコーチは2008年から15年までオクラホマシティ・サンダーで指揮を執ったため、ウェストブルックとは旧知の間柄だ(ウェストブルックはNBA入りした2008-09シーズンから2018-19シーズンまで11年間サンダーに在籍)。また、アシスタントコーチのロバート・パックら元サンダーのスタッフとも再会を果たす。

当時と今とでは、年齢も、置かれた立場も異なる。当時とは仕事のやり方も異なるかもしれないが、ウェストブルックとブルックスHCが目標に掲げることは昔から変わっていない。

ウェストブルックは「スコッティとは、今もずっと良い関係性を保てている。自分のキャリアを通じて、彼とは連絡を取り合う仲なんだ」と語った。

「スコッティのおかげで今の自分がある。彼が自分にチャンスを与えてくれて、つまらないミスから学ぶ機会を与えてくれた。感謝している。彼のおかげで、自分自身、自分のプレイ、選手としての自分がわかった。また彼と仕事ができて嬉しい」。

サンダー時代の2012年には、のちにいずれもMVPを受賞することになるウェストブルック、ケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデンが力を合わせてファイナルに進出した。当時生まれた絆は一生ものだ。

しかし、今のウィザーズと当時のサンダーは状況がまったく違う。ロスターに登録されている13選手はキャリア3年未満で、リーグでもがいている若手だ。

ウェストブルックは、2年目の八村塁、1年目のデニ・アブディヤらの負担を軽くし、ビールとともにチームを再びポストシーズンに導く試練に挑もうとしている。その競争心と、尽きることのないエネルギーは、32歳になった今も健在だ。

「自分は正直だし、楽しいことが好きだし、周囲に何かを与えたい人間だ」と、ウェストブルックは語る。

「プレイしているときの姿で、僕の人間性だったり、心がけていることとかを誤解されるから、そういう自分はとても大切なんだ。確かに、コート上での自分と、コート外での自分は別人だ。コートでの自分には友達はいない。フレンドリーにもならない。相手を打ち負かそうとするからね。握手もしない。そんなことをする時間なんてないんだ。その部分は、これからも決して変わらないよ」。

原文:An unapologetic Russell Westbrook is ready for his new challenge with Wizards by Sekou Smith/NBA.com(抄訳)


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