3月24日(日本時間25日)、トロントのテレビ局『TSN』で放送されたトロント・ラプターズ対デンバー・ナゲッツの試合は、放送チームが全員女性という歴史的な放送となった。
実況をメガン・マクピーク、解説をフェニックス・マーキュリー(WNBA)のキア・ナース、サイドラインリポーターをケイラ・グレイ、そして試合前・ハーフタイム・試合後の番組司会をケイト・ベアネスとエイミー・オーディバートが務めた。
A historic broadcast crew featuring women in every on-air role will call tonight's Raptors game on TSN. 👏
— TSN (@TSN_Sports) March 24, 2021
Watch the Raptors-Nuggets game LIVE starting with Raptors Game Day at 7pm et/4pm pt. pic.twitter.com/yjnhAtua0p
メガン・マクピーク
ワシントン・ミスティックス(WNBA)、キャピタルシティ・ゴーゴー(NBA Gリーグ)の実況担当
- 2015年にラプターズ905の実況を務め、NBA Gリーグ史上初の女性実況担当となった。
- 2018年にワシントン・ウィザーズ対デトロイト・ピストンズのプレシーズン戦で実況を務め、NBAでは30年ぶりの女性実況となった。
- 2018年にはワシントン・ウィザーズの下部チームであるGリーグのキャピタルシティ・ゴーゴーの初シーズンで実況を務めた。
キア・ナース
フェニックス・マーキュリー(WNBA)、女子バスケットボールカナダ代表選手、TSNのアナリスト
- 2020年にTSNの解説担当に就任
- WNBAドラフト2018の全体10位指名
- フェニックス・マーキュリーでWNBAオールスター選出
- WNBL(オーストラリア)で2度優勝
- コネティカット大学(NCAA)で2度優勝
- FIBA女子アメリカップにてカナダ代表として金メダル2度獲得
- パンアメリカン・ゲームズにてカナダ代表として金メダル獲得
ケイラ・グレイ
『Sports Centre』キャスター、『TSN』リポーター
- 『Sports Centre』史上初の黒人女性司会
- トロント・ラプターズが優勝を果たした2018-19シーズンのリポーター
ケイト・ベアネス
『Sports Centre』キャスター、ラプターズのサイドラインリポーター
- 2013年から『Sports Centre』司会を務める
- 2014年にナターシャ・スタニシェフスキーとともに『Sports Centre』初の女性キャスターチームに就任
エイミー・オーディバート
ラプターズ905(Gリーグ)とアトランタ・ドリーム(WNBA)の解説担当
- ポッドキャスト番組『Locked on Women's Basketball』司会
- ラジオ『TSN 1050 Toronto』にてラプターズ戦の解説担当
- マイアミ大学で選手としてプレイ
ラプターズのジョン・ウィギンズ・バイスプレジデント(組織の多様性と包括性部門)は「全員女性の放送を行なうことで、多くの放送局における女性の活躍をハイライトしたかった」と語った。
「もちろん、これは主張です。プロスポーツ界における女性の活躍が、より注目されるようになることを望んでいます。そして特に期待したいのが、今日の放送を家で観た少女たちが、自分にもできると思うことです。自分もスポーツ界で働けるのだと思ってもらいたい」。
NBAとWNBAにおける女性の活躍は放送だけにとどまらない。NBAの専門職における比率では女性が40.3%を占めている。さらにNBAチームの筆頭株主を務める女性は4人、大株主は3人、少数株主は10人存在する。
NBAチームのCOO(最高執行責任者)又はCEO(最高経営責任者)には5人の女性がいる。
現場レベルでも、NBAには8人の女性アシスタントコーチがおり、2020年12月31日(同2021年1月1日)にはサンアントニオ・スパーズのベッキー・ハモンACがグレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチの代理として、NBA史上初めて女性がヘッドコーチを務めている。