アレックス・カルーソのトレード先候補:ナゲッツ、レイカーズ、マーベリックスなど

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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アレックス・カルーソのような選手は、NBAのどのチームも活用できるだろう。そしてその多くが、カルーソを獲得するだけの資産を持つ。リーグ有数のロールプレイヤーを巡って競争となるはずだ。

カルーソがNBAで最高のペリメーターディフェンダーであることは間違いない。昨季はオールディフェンシブ・ファーストチームに選出されて認められた。その万能ぶり、1on1の守備能力、コミュニケーション、素晴らしい感覚から、『スポーティングニュース』のランキングで2位に選出されている。

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その守備スキルに加え、3ポイントショットは(数は少ないが)通算成功率37%と堅実だ。今季のサラリーは950万ドル(約14億3450万円/1ドル=151円換算)とリーズナブルで、来季のサラリーは990万ドル(約14億9490万円)の部分保証。これらの理由から、カルーソは簡単にフィットでき、極めて貴重な選手と言える。

シカゴ・ブルズの状況から、カルーソはしばらく前からトレードが噂されている。移籍してリーグの様相を変えるかもしれない選手だ。

カルーソはスターではない。だが、それだけ優れたディフェンダーだ。ここでは、そのカルーソの移籍先候補となるチームと、彼らが何をオファーできるかをまとめる。

アレックス・カルーソのトレード先候補

Alex Caruso
(Getty Images)

フィラデルフィア・76ers

候補となる理由

76ersはジェームズ・ハーデンのトレードでドラフト指名権2つと契約満了を迎える選手たちを獲得した。それは、スター選手獲得のためにそれらを使う考えからだ。ザック・ラビーンのような選手を狙うかもしれないが、カルーソ獲得のほうが理にかなっているだろう。

すでに良いチームであることは示してきた。夏にフリーエージェントでOG・アヌノビーのような選手も加える可能性がある。夏に最大級の契約を結ぶだけのキャップスペースが見込まれる好チームがあるとすれば、76ersはそのひとつだ。カルーソのリーズナブルなサラリーなら、彼らの選択肢を残したままにすることができる。

また、カルーソはタイリース・マクシーと非常にうまく合うはずだ。カルーソがより厳しい任務にあたることで、マクシーは攻撃面での負担を引き受けられる。そしてカルーソとジョエル・エンビードのコンビは守備で協力だ。すでにリーグ10位という堅実な守備をさらに後押しするだろう。

可能性のあるトレード案

76ersには契約満了を迎える選手たちがおり、ブルズとサラリーの面でつり合わせることができる。フルカン・コルクマズの年俸530万ドル(約8億30万円)とダニュエル・ハウスJr.の430万ドル(約6億4930万円)を合わせれば、カルーソのサラリーに達するだろう。

76ersはハーデンのトレードでロサンゼルス・クリッパーズの2028年ドラフト1巡目指名権(保護条件なし)を獲得した。ブルズはそれを望むはずだ。その時までにクリッパーズはスター選手の年齢から全員がロスターから外れていくだろう。そのため、上位指名権となる可能性がある。

76ersは2026年のドラフト指名権もトレードに使える。だが、しっかりと保護されているだけに、1巡目の低い順位の指名権となるだろう。

サラリー条件を満たすためのコルクマズとハウスJr.、そして2028年の1巡目指名権という条件は悪くない。また、76ersはケニオン・マーティンJr.やジェイデン・スプリンガーなど、ローテーションに食い込めないが才能ある若手のひとりも取引に含める可能性がある。

ダラス・マーベリックス

候補となる理由

マーベリックスは開幕11試合で8勝3敗と、大半の人が想定した以上に良い成績だ。だが、昨季同様、守備は大きな問題のままとなっている。昨季はリーグ25位。今季は11月14日(日本時間15日)終了時点でリーグ26位だ。カイリー・アービングとルカ・ドンチッチは、誰も止めていない。

カルーソが加われば、その守備を強化できることは確かだ。そして攻撃のスター選手2人のためにフロアを広げることができる。マーベリックスはデリック・ジョーンズJr.をスターターに起用しているが、カルーソはもっとうまくその役割をこなすだろう。

可能性のあるトレード案

マーベリックスは2027年のドラフト1巡目指名権、2025年と2028年の2巡目指名権2つをトレードに使える。

ブルズの立場で狙うとしたら、ジョシュ・グリーンだ。すでに素晴らしいディフェンダーであり、優れた3Pシューターでもある。だが、契約状況からトレードが難しい。ジェイデン・ハーディーも有望株だが、マーベリックスは放出をかなり嫌がるだろう。

前回のドラフトで全体24位指名だったオリビエ・マクセンス・プロスパーは、身体能力が高いウィングディフェンダーとしてすぐに貢献できるようになることが期待されていた。多くの出場時間を得るほどに優れてはいないが、どのチームにとっても良い展望となる選手だ。

マキシ・クリーバーとプロスパー、そして2027年ドラフト1巡目指名権と引き換えにカルーソとアンドレ・ドラモンドを狙えば、サラリー条件の面でうまくいくだろう。ドラモンドはマーベリックスが強く必要としているビッグマンの層の厚さももたらす。

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デンバー・ナゲッツ

候補となる理由

ナゲッツは9勝2敗と順調だ。今季も彼らは優勝候補だろう。ただ、明らかな弱点はベンチにある。FAでブルース・ブラウンが去ったのは痛手だ。ナゲッツは、クリスチャン・ブラウン、ジーク・ナジ、ジュリアン・ストローサー、ペイトン・ワトソンといった若手がステップアップすることを願っていた。だが、4人はまだ準備が整っていないようだ。

カルーソなら、優勝への道のりで非常に重要だったブラウンの穴を補って余りあるだろう。カルーソが攻撃の起点となる相手選手を守ることで、守備でのニコラ・ヨキッチのプレッシャーを軽減できる。オフボールで極めて賢い選手だけに、動きとカッティングのシステムにもフィットするはずだ。

可能性のあるトレード案

ナゲッツにはトレードに使えるドラフト1巡目指名権がない。2巡目指名権は5つあり、ブラウン、ナジ、ストローサー、ワトソンと、非常に優れた若手有望株たちもいる。特にストローサーとワトソンは非常にポテンシャルが高く、だがローテーションで安定した出場時間を得られていない。

サラリーの面でつり合わせるためには、今後2シーズンでそれぞれ年俸500万ドル(約7億5500万円)のレジー・ジャクソンを加えなければならない。彼には12月15日(同16日)までトレードできない制限がある。ジャクソンとストローサーかワトソン(あるいは2人とも)、そして複数のドラフト2巡目指名権が、ナゲッツのベストオファーだろう。

ニューヨーク・ニックス

候補となる理由

トム・シボドー・ヘッドコーチは、カルーソのような守備の選手を加えることを強く望むだろう。ミッチェル・ロビンソンもオールディフェンシブチームの候補となるはずで、彼を擁するニックスはすでに今季の守備がトップクラスだ。

カルーソはスクリーンをかけるのが不可能で、相手チームがスイッチでジェイレン・ブランソンを狙うのを難しくさせる。昨季のプレイオフでは、それがニックスを倒す方程式だった。

可能性のあるトレード案

ニックスはスター選手をトレードで獲得するためのドラフト指名権を蓄えてきた。その間にもっと小さな動きを見せるかもしれない。昨季のシックスマン賞投票で2位となった有望なイマニュエル・クイックリーとは延長交渉で合意に達することができていない。クイックリーとアイザイア・ハーテンシュタイン、ダクワン・ジェフリーズ、そしてドラフト指名権と引き換えに、カルーソ、ドラモンド、デイレン・テリーを狙う可能性がある。

ロサンゼルス・レイカーズ

候補となる理由

ここはあまりに簡単だ。カルーソがロサンゼルスでレジェンドなのは変わらない。もともと彼は再契約を望んでいた。だが、レイカーズが報いなかったのだ。それを償う機会となる。

レイカーズはここまでベンチユニットが悪く、強化を必要としている。ディアンジェロ・ラッセルとゲイブ・ビンセントは優勝レベルのチームには十分ではない。カルーソはレイカーズがバブルで優勝した時に役立ったエリート級の守備を取り戻す助けとなれる。カルーソがレブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスをよく知り、信頼されているのはもちろんだ。

可能性のあるトレード案

レイカーズは2029年か2030年のドラフト1巡目指名権をトレードできる。

マックス・クリスティーはラスベガスでのサマーリーグでベストプレイヤーのひとりだった。プレシーズンも良かった。だが、ローテーションに食い込めていない。12月15日(同16日)までトレードできないが、ビンセントはうまくいっていない。クリスティー、ビンセント、1巡目指名権と、カルーソ、トーリー・クレッグのトレードなら、両チームに役立つだろう。なお、クレッグも2月15日(同16日)までトレードできない。

原文:Alex Caruso trade destinations: Nuggets, Lakers, Mavericks among top landing spots for Bulls defensive ace(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。