NBA優勝に王手もセルティックスは気を緩めず 初戴冠迫るホーフォードも「まだ終わっていない」

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坂東実藍 Miran Bando

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ボストン・セルティックスのアル・ホーフォードは、ポストシーズンで184試合に出場し、イースタン・カンファレンス・ファイナルを6回、NBAファイナルを2回経験してきた。

38歳の彼はフロリダ大学でNCAAタイトルも2回獲得している(2006~07年)。

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しかし、17年のキャリアでプレイオフ逸失がわずか2回というホーフォードだが、NBAで優勝するという目標はまだ達成していない。今回、彼はついにその目標に近づいている。セルティックスはNBAファイナル2024でダラス・マーベリックスを相手に3勝0敗とした。

それでも、ベテランのホーフォードは、先のことをあまり意識していない。

6月13日(日本時間14日)、ホーフォードは練習前に「先を考えてはいけない」と話した。

「僕らは自分たちがやるべきことに集中しようとしている。まだ仕事は終わっていないんだ」

最大7戦、4勝先取方式のシリーズで、3勝0敗としたチームは、NBAファイナルでの14回を含め、これまで156回すべてでシリーズを制している。前回セルティックスがNBAファイナルで3勝0敗とした65年前も、ロサンゼルス・レイカーズ相手にスウィープ(4勝0敗)で優勝を飾った。

NBAファイナルでスウィープしたのは、これまでに9チーム。セルティックスは10チーム目になろうとしている。14日(同15日)の第4戦で勝てば、セルティックスは通算18回目の優勝だ。レイカーズを引き離し、最多優勝記録で単独トップに立つ。

だが、ホーフォードはまず、ちょっとした細部にもさらなる注意を払うことに集中したいと望んでいる。それが、セルティックスがラリー・オブライエン・トロフィーを掲げることにつながるはずだ。13日(同14日)、セルティックスはフィルムセッションを行い、それからアメリカン・エアラインズ・センターのコートで練習を行った。

ホーフォードは「とにかく仕事に集中」がゲームプランだと話している。

ジョー・マズーラ・ヘッドコーチは「必死さを保たなければならない」と強調した。

「この状況なら誰ももろくなり得る。自分たちもそうだと理解しなければいけない。それにどう対処するかが運命を決めるんだ」

ジェイソン・テイタムは、チームが慎重なアプローチなのは、以前のポストシーズンにおける失敗からきていると話した。2年前のNBAファイナルで、セルティックスはゴールデンステイト・ウォリアーズに2勝1敗とリードしながら敗れている。

この時、セルティックスは本拠地TDガーデンでの第6戦で、ウォリアーズに通算7回目の優勝を決められた。

テイタムは「ここ数年の経験から僕らが本当に改善できたのは、リラックスしたり気を緩めたりしなくなったことだ」と話している。

「試合ごと、あるいはシリーズごとに、僕らはいつもさらに上を望んできた。3勝0敗になっても、誰も何も祝ったりはしていないよ」

ホーフォードは特にそうだろう。ポストシーズンの149試合超に出場し、NBAファイナルを経験しながら、まだ優勝リングを手にしていない選手は、現役で彼を含めて3人だけだ(そのほかはジェームズ・ハーデンとクリス・ポール)。

ホーフォードは「神のおかげだ。自分をこの立場にしてくれたからね」と述べた。

「僕以上のことなんだ。僕らには多くのファンがいる。彼らはこの機会を待っていたんだ。この数年、僕らはチームとして多くの逆境を乗り越えてきた。そこにいられるのは特別なことだ」

原文:Al Horford not about to 'think ahead' with his 1st NBA title within reach(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。